CryptoLand 2023 AWから学んだ7つのこと
CryptoLand 2023 AW は、Web3起業家の創出と銘打って始まった企画。結果的に、12チーム、18名のみなさんと最後のPITCH DAYを迎えました。
参加者のみなさん、本当にお疲れ様でした。
みなさんと、出会ってからの1ヶ月間、僕自身も、とてつもなくワクワクしながら、夢中で過ごしました。たくさんの出会い、機会に恵まれ、VCの仕事の中で最も醍醐味を感じる期間でした。
少し矛盾しますが、僕は期間の途中から、PITCH DAYまではVCとしてのアイディンティティを捨てようと決めました。これは参加者からの「なんか、VCぽくないところがめちゃいい。」という言葉を素直に受け取った形です。
結果的に、みなさんの可能性を最大化に注力することに、自己一致して向き合うことができました。
一緒にPITCH DAYまでに走ってくれてありがとうございました!
CryptoLand 2023 AW から得た7つの教訓
幻滅期、押し目、絶望、言い方はいろいろありますが、昨年のベアを引きずり、世間のWeb3はまだ無関心の中にいます。そんな中で、なぜ僕たちが起業家創出をやるのでしょうか。
これは単純明快です。今後、間違いなく発展する領域だからです。インフラの発展とそこに集まる開発者、投下される資本を見れば一目瞭然です。今後来る前提であれば、起業家としても投資家としても、大衆の関心が薄い時ほどチャンスだと確信しています。
もちろん、今も絶えず戦っている国内外プレイヤーはたくさんいます。しかし、国内の投資家、起業家の現状は2021のピークと比較すると、引くところまで引いたなという印象です。
今回のCryptoLandを振り返り、得られた7つの教訓をここに綴りシェアします。完全に自分のためですが、今後のWeb3起業、Web3投資ともに活況になっていくきっかけとなれば幸いです。
①投資仮説を伝える
最初のキックオフで、投資仮説に基づくスピーカーセッションを行いました。Web3今やるなら、インフラの発展プロセスにおける課題解決か、投資家をターゲットにしたトランザクショナルモデルだと、フォーカスを絞った話をしました。参加者への刺さり方は、それぞれといった印象。まあ、起業家ってそういうもんだよな。と、その精神を尊重し、向き合うことにしました。
PITCH DAYでは、投資家やトランザクションをターゲットにしたアイディアがいくつか出てきて評価されました。起業家はVC側の投資家説をヒアリングしてみるのも領域選定のヒントになるでしょう。また、VC側も投資仮説に基づく発信をしておくことで、的を絞ったソーシングができていくと思います。
投資仮説は絶えずアップデートが必要で、解像度、オプションを複数持つ、時間軸ごとに持つなど、高めていけるスペースはいろいろあるので、絶えず自己研鑽をしていきます。
上記は、今回の審査員のフィードバックをもとに得たインサイトです。
②起業家として向き合う
VCとしてのアイディンティティを捨てたと前述しましたが、代わりに自分が起業家だったらどうするか?と常に考えていました。VCに入る前、Web3で起業を目指していた頃の自分は、そんなに薄れていません。自分が起業家だったらほしいと思う情報をリサーチしたり、ロールモデルとなる起業家からヒアリングした内容をコミュニティ内でシェアしたり、アイディアメンタリングを行いました。
③人を繋ぐ
参加者のみなさんに提供できる価値はなんだろうということも、常に考えていました。その一つの解として、1次情報、実経験をしている解像度の高い方との接続ができることとして考えられたので、「受託とプロダクト開発のバランス感覚、広告業界の実態、クリプトユーザーとの接点、グローバルプロジェクト、グローバルVCのGP」など、面談の機会を作りました。快く引き受けてくださった先方にも感謝しています。
また、審査員のみなさんも同様です。今回は開発者の荒巻さん、VCの川原さん、リサーチャーのKobatakeさん、起業家の沼崎さん、ユーザー視点のTeam Kudasai のみなさんと、今回もそれぞれの領域のスペシャリストとの機会を提供できたと思います。ご協力に感謝しています。
④ETHGlobal & Devconnect Istanbul
ETH Globalは世界中で開催される世界最大級のWeb3ハッカソンです。また、今回はDevConnectという開発者中心のイベントと同時開催。こちらに、助成金を出して参加者メンバー5名を連れていく企画をやりました。開発者が集うグローバルコミュニティに行くことは非常に重要だと考えたからです。
ブロックチェーンの技術的な進歩の方向性、ナラティブの感知、開発者とのリレーションなど、起業家としての新しい機会がたくさんあります。サイドイベントでピッチイベントもあるので、せっかく行くなら、自分のピッチデックや領域の基本的な解像度を磨き込んで行った方がよいです。
ちなみに今回は、zk、Intent、restaking、autonomous world、この辺りの注目度が高かったです。自分の新しい余白を生み出すことができるこの体験は、基本的に向上心が高い起業家とって成長機会しかないと思うので、ぜひ挑戦してください。
⑤ハッカソンはとてつもなく重要だ
期間中、デモを作れないチームがあります。エンジニアがいないチームです。だからエンジニアをチームに加えることを繰り返し伝えていました。開発ができる担保がないと、実現性の評価を得られないからです。
この点、Web3ハッカソンは、Web3エンジニアの入口となっていますし、非常に重要なコンテンツだと考えます。ETH Globalに機会提供だけでなく、これからも、国内も活況になるように支援をしていくべきです。同様にハッカー飯のようなエンジニア同士のカジュアルなミートアップも非常に重要でした。
⑥特化型のイベントをする
MEVの勉強会をサポートしたり、RWAの勉強会の開催したのですが、領域特化型の勉強会には、その他のWeb3イベントとは違った出会いがあります。インフラ開発者、金融商品開発者、トラディショナル金融関係者、トレーダー、ボッター、エアドロハンター、取引所関係者など、今のWeb3に欠かせない領域の人たちとも出会うことができました。それこそ、チームに加えれば力強い味方になってくれると思います。今後も、領域特化のイベントを開催しますので、ぜひご参加ください。
⑦ハッカーハウスで起業家と暮らす
最後の追い込みで、ピッチ資料やプレゼン練習をしました。ここにはSkylandのGPも加わり、全員One Teamで最後の追い込みをしました。起業家と一緒にいる時間は、彼らを知る一番いい手段です。そして、PITCH DAYに向けてリレーションもさらに深まったと思います。
終わりに
今回のPITCH DAYは、12チーム、18名のファイナリストと共に迎えました。
受賞されたチームのみなさんはおめでとうございます。
そして、CryptoLandのPITCH DAYは、ゴールではなく、通過点です。第一線で活躍する審査員からのフィードバック受け、それを解決したプロダクトローンチまで引き続きサポートしていきます。
BlockchainとCryptoはまだまだ黎明期。そして、次のマーケットはもうすぐやってきます。今のタイミングは間違いなく、いい。そう信じて、この領域の未来に投資していきます。
Web3で #起業しろ
CryptoLand 2023 AW 動画のリンク
KICKOFF
PITCH DAY
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