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崖から落ちてしまったかもしれない"店長” ー 騒動の土佐市カフェ「南風」から退去へ

9/12 深夜に永田順治がニールマーレのインスタに閉店の挨拶を上げ、9/13 の高知新聞朝刊に谷川剛章の記事でカフェの撤退が報じられた。公共施設「南風」から退去するだけでなく、土佐市から撤退する。いわば完全な白旗降参だ。元店長による「マンガ告発」が発されたのが 5/10。世間を騒然とさせた土佐市カフェ問題は、4か月で呆気なく決着した。三者協議に一回出ただけで代表の永田順治はあっさり撤退を決め、高知市内で新店舗を始める顛末となった。カフェ側の主張に法的正当性があり、彼らに揺るぎない信念があったのなら、また彼らに新居地区への愛着が強くあり、地域住民からの支持があったのなら、こんなに早く出て行く幕引きにはならなかっただろう。「マンガ告発」に触発されてニールマーレを応援してきた者たちは、意表を突かれたのではないか。

政治 ー 三者気協議離脱のカード

なぜ、これほど早く退去が決断されたのか。その点に焦点を当てよう。政治的な要点を解説すれば、NPO法人が三者協議離脱という捨て身のカードを切ったからだ。このカードを大胆に切って来ることは、土佐市側は想定してなかった。三者協議がどう転んでも土佐市の主導と周旋で解決方向に着地することは、客観的に関係者の中では明らかだった。なぜなら、三者が揃えた弁護士の陣容を見れば一目で分かる。土佐市の顧問弁護士は、超大物などという形容をはるかに超えた圧倒的存在で、いわば、高知弁護士会全体を小指一本で動かせる法曹の偉人だ。裁判になれば必ず勝つし、普通の(小役人の)裁判官なら、大先生のご指導に従って三者で和解しなさいと促すだろう。市長の板原啓文は、三者の円満解決の進捗に万全の自信を持ち、9月市議会でのその報告を楽観視していたと思われる。

が、NPO法人はケツをまくり、7/21 に協議離脱を地方紙にローンチした。7年前の過去の経緯を三者協議の議題にせよという正論の要求に対して、土佐市側が拒絶したからである。結果的に、この離脱カードが功を奏したと私は分析する。過去の経緯を穿られることは、何より土佐市にとって痛手で失態に繋がるからだ。10月の市長選に至ってもカフェ退去問題が片づかず、泥沼の状態が長引けば、市長の指導力が問われてしまう。何より大先生の沽券に関わる。おそらく、ここである種の「英断」が下され、カフェが退去を決める旋回になったと想像する。カフェ側が求めるものが約束され、カフェ側が十分な満足を得、ゴネ得と居座りに執着する必要がなくなったのだろう。市長は地方自治の財務畑を歩いてきた専門家で、この方面の法制度に精通していて出納全体の管理運用に遺漏がない。

経済 ー アルバトーザの現金収入

以上が政治的理由の考察だが、一方で、カフェ側には退去に至らざらるを得なかった経済的背景と経営者個人の動機があると考えられる。それは何か。私は 5/16 の記事でこう書いている。

私は最初に告発マンガを見た瞬間、カフェ側の狙いは市から立ち退き料をもらうことだなと直観したし、金銭の攻防が意識されている気配を看て取った。(略)私はてっきり、永田順治は獲るものを獲って土佐市を去る内心だと踏んでいた(略)。

現在もこの見方のままだ。それは、永田順治が上げた動画の言葉の端端からもニュアンスが察知できる。アルバトーザ代表の立場からすれば、この要求はある意味で自然だろう。自分は公共施設の指定管理人に雇われた単なる2階喫茶コーナーのマスターなどではなく、土佐市との最初の神聖な「契約」があり、市から直接に事業を委託された特別な立場があったはずだというミッションの主張である。そこには彼の一貫した持説拘泥を担保するエビデンスが存在するのに違いない。永田順治の「閉店の挨拶」の中に、ニールマーレが三者協議に参加した理由と目的を述べた件があり、

ニールマーレのこれまでの7年間が、市と交わした約束に基づいた上のものであったことを確認し、それらすべてを三者で認め、その合意を持って解決とし、

という奇妙な一節が登場する。事情に不案内な第三者は一読して意味が分かりにくいが、「市と交わした約束」という文言が異様な睨みの光彩を放っていて、市に対する牽制球が放たれている意図が察せられる。私は以前から、土佐市・ニールマーレ・NPO法人の間には「三者基本契約」の実在があり、口約束ではなく書面で残っているはずだと推理を述べてきたけれど、永田順治が重要文書でこう言い切る以上、口約束ではない何かがあると考えるのが大人の常識だろう。が、それにしては、文章は弁護士の監修を受けた表現とは思えず、何やら幼稚さが滲み出ている。

ニールマーレの代表と店長の二人の温度差

永田順治は、退去については「三者協議に臨む以前から検討してきたこと」だと言い、「では、私たちにとって何のための協議であったかといいますと」と、無理に、窮屈に、理由づけを説明している。退去の方針で固めていたのなら、3月末か4月末でさっさと立ち退けばよかったのだ。次の候補先を探して素早く移転すればよかった。弁護士を入れて協議の構えで臨んでいたのは、明らかに条件闘争という意味である。土佐市もそれに応じていた。あの 5/10 の「マンガ告発」がなければ、今回の決着はもっと早く実現しており、混乱なく済んでいたのは確実だろう。全国の人間が知る事件にならず、移住者がどうのこうのとマスコミが騒ぐ騒動にはならなかった。今回、三者協議後、永田順治が意外に早く退去を決断した理由は、現金収入が滞って困っていたという経済的事情があるのではないか。

5月以降ずっと店を閉じていて、キャッシュフローが厳しくなっていたと思われる。それ以上に、永田順治の態度から漂い知るのは、もう土佐市新居には飽きているという本音だ。もっと人口の多い商圏で新ビジネスに挑戦したいという気分が透けて見える。こんな田舎のNPO法人の頑固老人と7年間も喧嘩ばかりして、もう疲れた、新天地に脱出したいという本心が見え隠れする。5/10 の「マンガ告発」には、男女二人が揃って登場して意思表明しているが、中心となって主張を吐いているのは「店長」の若い女性である。「マンガ告発」の後、永田順治の動画が上がり、二人の姿勢の微妙な差異が印象的だったこと、この問題を注視してきた全員の一致した感想に他ならない。女性店長の「南風」での営業執着が強烈・先鋭で、居坐りを正当化して理事長を糾弾する弁舌が激しい。二人には温度差が見えていた。

7月に organization change happen ?

この温度差の看取は、「マンガ告発」を契機とする事件についてのネット議論に影響し、あの告発は店長の独断と暴走ではないかという憶測を呼んだ。代表が店長をよくコントロールできないマネジメントの力量不足が問題なのだという指摘も屡々出された。実際、あの「マンガ告発」が弁護士の監修と了承を受けたものではなく、そのため直後に契約弁護士と揉め、弁護士が辞任する事態となっている。告発ポストは1.3億回閲覧されて、店長はネットの「英雄」となったが、ニールマーレの経営には打撃しか与えていない。あの暴走がなければ、5月も6月も「南風」でそのまま営業し、ロッテのチョコパイも問題なく市場で流通し、全国での店の認知度が上がっていただろう。永田順治のキャッシュフローもスムーズだったはずだ。代表の永田順治は、あの 5/10 の行動を、軽挙妄動として後悔する心境があったのかもしれない。

おそらく、二人の間に方向性で亀裂が生じたのだろう。で、手元に最近入った情報では、この全国的著名人となったカフェ店長は、7月に永田順治と袂を別つ関係に至っている(と聞く)。何が起きたのか、現時点では具体的状況は判明していない。本人が10月に説明すると思われる。永田順治が高知市内でオープンする新店舗について、どのような業態であれ、そこに彼らを超有名人にした者の姿はない可能性が高い。スナック経営者の”店長”は土佐市に残る。現時点の現地からの情報では、二人はデカップリングとなり、店長はニールマーレから離れたと言われている。これが事実なら重大なサプライズであり、「南風」からの退去よりもはるかに衝撃的なニュースだろう。けれども、その change は永田順治の文書中では触れられず、高知新聞の記事を書いた谷川剛章も触れていない。

元店長の執念 ー NPO法人排除の政治

誰もが、あの女性店長はまだ現在もニールマーレのカフェ経営に携わっていて、高知市の新店舗でも店長を続けるものと思っている。本人の今後の発言が注目されるが、もしカフェ店長を外れるのなら、Xのアカウント名である「崖っぷちカフェ店長」は外さないといけなくなるだろう。最早、卒業しているからである。アカウントを削除するのか、「ニールマーレ」の名前を変えるのか、それはよく分からない。本人は現在は市中心部のスナック経営者の身で、副業としてネット通販の個人事業を手広く営んでいる。別アカでの本人の発言を一瞥するかぎり、NPO法人(新居を元気にする会)理事長への復讐心と敵愾心がなお異常に強く、「南風」指定管理人からNPO法人を外す政治目標に執念を燃やしている様子が窺い知れる。仲間たちと一緒に、10月の土佐市長選をフォーカスした世論工作 - 理事長叩きと土佐市長叩き - に集中している。

カフェ店長という職業に強い意欲があるようには感じられず、理事長打倒を目標に政治の日々を送っている。二人は求めるものが違う。注意してご覧いただければ分かるが、9月以降の、ニールマーレ退去を報道する記事にも映像にも、肝心のあの1.3億回閲覧のスーパースターが登場しない。消えている。永田順治だけが表面に出ている。永田順治が主役で、退去と新店舗について自分たちの都合のいい説明をし、マスコミが忖度し美化して報道している。彼らの9月のマスコミ情報戦は、二重の意味で大成功を収めたと言える。すなわち、5月の「マンガ告発」に続いて、またしてもこの事件をば「若い移住者が田舎の老害にいじめらて追い出された」気の毒な物語として演出するイメージ作戦に成功した。世間(愚衆)の同情と支持を獲得することができた。前回はひろゆきとガレソが片棒を担いで媒体となったが、今回はNHKとテレビ朝日がその役を買って出て、世論工作を成功させた。

ひろゆきやガレソと同じ役目を果たしたマスコミ - NHKとテレ朝

二つ目は、マスコミ報道で元店長を隠したことに成功した点である。もしも女性店長が新店舗に参加しないとなれば、世間は驚き、何があったのだと不審に思うだろう。騒然となるだろう。今回の二つのマスコミ報道によって、7月に起きた可能性のある change のショックは和らげられる地盤と環境ができた。デカップリングのハプニング(と聞いている)に関心が当たる程度が和らぎ、彼らのダメージ要因を作ることなく、この急所をフェイドアウトさせられる素地が作られたと言える。彼らは非常に上手にやっているし、マスコミが彼らと結託している。マスコミは「若い移住者が田舎でいじめられた」という構図しか頭にない。彼らを被害者としてしか認識しない。それがデフォルトだ。永田順治がエスエルディーの元社員だった事実には目を向けない。青野玄の部下である事実は絶対に報道しない。QOLLを出さない。

そしてカフェ支持派は、マスコミが塗り固めた嘘だらけの一面的で単純な固定観念を基盤と背景に、私のような批判者に向かって「陰謀論者」のレッテルを貼り、血眼で侮辱と罵倒と誹謗中傷の限りを尽くす。どれほど制止し警告してもやめない。今、彼らは、一方では、永田順治の新店舗を「移住者の再出発の物語」として美化し宣伝すると同時に、他方で、10月の市長選に熱中し、斎藤努の票を一票でも多く集めるネット世論政治に狂奔している。元店長(スナック経営者)には、共産系市議2名の強いエンドースがあり、5人以上の市議がNPO法人の指定管理人外しを求めている。私は5/16 に上げた記事の中で、立候補する新人はこのカフェ問題を市長選の争点にする思惑だろうと推察したが、市内は徐々にそうした情勢になっている。また、私自身も、NPO法人の解体(横山排除)は早晩実現すると予想する。

管理人再指定 ー 理事長の資質の欠如

選挙の後の12月の土佐市議会が「再指定」問題の本番だと言われている。従来、板原啓文はこの行動に積極的ではなかったが、NPO法人が頑なに三者協議に戻らず、板原啓文の顔を潰す行動に徹したため、姿勢を翻し、再指定(横山排除)に前向きになったようだ。横山昌市が何を考えているのかは杳として判断しがたい。理解不能だ。三者協議復帰(市長に花を持たせる)を拒み続けながら、訴訟を起こすこともなく、今回は高知ミートボックスの動画で要領を得ない田舎の長話を流している。私は6月の時点で三者協議を離脱せよとNPO法人に檄を飛ばしたが、それは、腰の重い土佐市を動かしてニールマーレ退去を素早く実現する目的のためであり、冒頭に述べたように狙いが的中して実現の運びとなった。ならば、NPO法人は態度を変えて三者協議の席に着き、市長に花を持たせて円満解決の儀式をやればよいのだ。

横山昌市が何を考えているか分からない。排除されることを覚悟の上で市に喧嘩を売っているように見える。いざとなれば何か「爆弾」を投擲する思惑なのだろうか。7年待った念願のニールマーレ退去を実現できたのだから、素直に市長に感謝して三者協議に戻って円満解決の絵を作り、2階の新業者の選定に歩を進めればよいはずだ。なぜ市長と妥協し協調しようとしないのだろう。ニールマーレ支持派(反横山派)から見て、現市長は(利害関係上)理事長を庇護する立場だった。今回、市長は踵を転じた。今、誰も理事長を守る者はいない。排除は決まったも同然に見える。で、私自身は、部外者ながら「再指定」には別意見を持っている。爆破予告だの誘拐予告だのの事件を惹き起こした「マンガ告発」を擁護する一団を支持しないし、彼らの政治目標が叶うことを愉快に思わない。なので、奇想天外な案を提示して稿を締めくくろう。

私の「南風」新生プラン ー fantasy and irony

「南風」の管理運理は、土佐市ではなく日高村か高知市に移せばいい、というのがマイ・プロポーザルだ。日高村がどれほど高知県のブランディングに貢献しているか、それは東京にいないと分からないだろう。ご褒美として県より日高村に河口の地の「南風」を進呈する。有能な戸梶村長なら活用策のアイディアを期待できる。2階は「海の見えるオムライス食堂」でどうだろうか。「オムライス街道は海に繋がる」というキャッチで。冗談に聞こえるだろうが、県と総務省と国交省には検討を(と言うか昼休みの雑談の話題に)お願いしたい。高知市への移管は少し真面目な提案である。いっそのこと、1700人の新居地区で住民投票して、高知市への編入を請願し、地区ごと高知市に移るのはどうか。高知市立新居小学校を残してもらい、中学生はスクールバスで橋を渡って春野中学校に通う。住民の給付と負担は高知市民のそれとなる。悪くないと思われる。

新居が高知市の飛び地の位置になる。土佐市全体の高知市への将来の吸収合併を展望したファースト・ステップ案という意味だ。今回の事件の仕置きを土佐市が受けるのは当然だろう。無能で怠惰な自治体は、かく失態を犯して領土を削られ滅亡に向かうのだと、総務省は信賞必罰を全国に知らしめればよい。私の想像力はこうしたコンセプトをこの問題の解決策とする。前案は夢がある。海に繋がれ、オムライス街道。「高岡」の裏の麓の、すなわち土佐市の母なる土地。東京に住む者として、日高村には感謝あるのみ。


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