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Y:63 ヨロコンの幸せなデザイン

近頃、寒くなってきた。"あ~外、寒いんだろうなぁ~”と他人事のように窓の外を眺めながら、食べるアイスクリームは趣がある。

最近、毎日食後に食べているアイスクリームがある。

ヨーロピアンシュガーコーン(長いので以下、ヨロコン)

けっこう昔からあるアイスクリームだと思っていたが、ホームページによると発売35年だそうだ。希望小売価格は350円だが、スーパーやドラッグストアに行くと250円くらいで売っているイメージ。

庶民的なアイスクリームの代表格だと思うのだけど、気づくといつもこれを買ってしまう。そして、冷凍庫の扉側のポケットに、箱から出したヨロコンを並べるが大好きだ。冷凍庫の扉を開けるたびに、ドアポケットに充填されたヨロコンを見て、にやにやしている。

最近は、どうか知らないが一昔前のトレンディドラマに出てくる主人公の家の冷蔵庫には、ミネラルウォーターが並んでいた。それの甘党版でトレンディじゃないやつだと思ってほしい。

今日も、ヨロコンを食べながら、"他にもアイスはあるのに、どうして私はヨロコンを買ってしまうのだろう”と。

安い。チョコレートが好きだから。大きさがちょうどよい。等々、思いつくのだが、どれも決定的ではない。

そんなことを思いながら食べていると、あっという間に最後の一口になってしまったのだが、そこで、私はどうして、いつもヨロコンを買ってしまうかに気がついた。

それはヨロコンの「幸せなデザイン」が、そうさせるんだと。

??が思い浮かんだ人も、もうちょっと、お付き合いしてほしい。

ヨロコンが他のアイスと何が違うかというと、食べ始めから食べ終わりまで幸せの度合いが落ちることがない。なんなら右肩あがりなのだ。

これは、多分に私の性格と関係していると思うのだけど、私はコップ半分のジュースを見て「もう、あと半分しかない」と嘆く人間だということを先に言っておきたい。

例えば、ヨロコンよりもはるかにラグジュアリーな「ハーゲンダッツ」というアイスクリームがある。言うまでもなく、美味しくて、食べればハッピーになること間違いなしのアイスクリームだ。余談だが、20年近く前、就職活動でハーゲンダッツに応募したことがある。その時に、ハーゲンダッツのギフト券をもらって以来、私はハーゲンダッツという会社を好意的に見ている。

だから、ハーゲンダッツを食べる時はとても幸せだ。ただ、そんなハーゲンダッツでさえも、食べ始めから食べ終わりに向けて、幸せはどんどん低下していくのだ。それは味に飽きておいしくなくなるということではなく。食べ始めと同時に食べ終わることの寂しさが込み上げてくるからだ(笑)

”あ~だんだんこの幸せが少なくなっていく。”それが悲しくて、今ある幸せを噛みしめられないのだ。

つまり、食べ終わる頃には、すごくおいしかったのに、寂しくなっているわけだ。ほんと、始末がわるい…

そんなのヨロコンだって同じじゃないかという人が出てくるだろう。

違う!

違うんだ。何が違うかというと、例えば、ハーゲンダッツを食べると基本的には初めから終わりまで、体験は同じことの繰り返しだ。
一方で、ヨロコンは初めはチョコがかかったバニラアイスを食べて、そこからコーン部に入っていき、最終的にコーンの先端部を食べる。これ、一口一口、体験が違うんです!(笑)

で、これが私の好みの問題になるのだけど、コーンの先端が最もおいしいといってもいいぐらい好きなのだ。もう、とうの昔にバニラアイスとはおさらばしているのだけど、コーンの先端にはチョコがたまっていて、そこをガリガリと小刻みに食べるのが最高なのだ(笑)

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私がヨロコンを食べてると、初めももちろん幸せなんだけど、終わりも幸せだし、途中もそこに向かっていく楽しみがあって、幸せが減っていく感じが少ないのだ。これは、アイスクリームの味というよりも、ヨロコンのデザインが私の食の幸せ体験をうまく導いてくれているのだ。

デザインが優れていると思った理由は、もう一つあって、それは無理なく最後にベストな体験を持ってくるデザインということだ。

例えば、いちごのショートケーキがあって、自分はいちごが好きだったとする。あなたは、いちごをいつ食べるだろうか。きっと10人いれば6:4ぐらいで意見が分かれそうだ。私はいちごを最後に食べるタイプだ。

これはよく考えると、いちごを最後に持ってくることで、幸せを最高潮にして食べ終わり、食べ終わった悲しみを少なくするという無意識の最適化だったのかもしれない。だとすれば、何を食べるにしても食べ方を工夫して、最後に幸せのピークを持ってくればよい話じゃないかとなる。

でも、これは、食べながら我慢しているとも言える。ほんとは一番好きな部分なのだから、最初に食べたり、好きなタイミングで食べるのが幸せだと思うけど、そうすると最後が寂しいから努めて、最後に残しているわけだ。大げさに言えば、我慢してがんばっておいしいところを残しているのだ(笑)これだと、100%の幸せから我慢分がマイナスになってしまう。

一方、ヨロコンの場合は、10人いれば9人は上から食べ始めるだろう。コーンの先からは食べにくい。ヨロコンのデザインが自然に食べ方を導いてくれるのだ。だから、我慢する必要もない。選んだり、我慢したりといった認知的な負荷が少ないから、いちごのショートケーキように食べ方を考えて、我慢しなくても勝手に幸せの最高潮が最後にやってくるのだ。

これが、さっきヨロコンを食べていて気がついたことだ。私がヨロコンをいつも買ってしまうのは、きっとこの幸せなデザインのおかげなのだと思う。

追記:最近、新製品でヨロコンのプレミアムが出たらしい。チョコの線が増えていてプレミアム感高し。素敵だ。

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