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Y:71 Google Data Analytics Professional Certificateをド素人が受講、修了した感想

夏休みの空いた時間を使ってGoogle Data Analytics Professional Certificateのコースを受講しました。

コースについて

Googleはいろいろなオンラインコースを運営していると思うのですが、このコースは職業訓練プログラム的な位置づけのコースです。

オンライン学習プラットフォームのCoursera上で提供されていて、Data Analyticsコースだと関連する経験や学位がなくても、Googleが考案した専門的なトレーニングを受けることができ、修了すると修了証が発行され、それをLinkedinに載せることができたり、キャリア形成に役立つとのことです。

特にアメリカだとデータ分析分野では求人が多く、このコースを修了した人の82%が、6ヶ月以内に転職、昇進、昇給などのポジティブなキャリア成果を報告していると、書いてあります。

現時点ではData Analyticsの他に
・IT Support
・Project Management
・UX Design
・Android Development

のコースがあります。

シラバスを見ると、Google Data Analytics Professional Certificate(Google データアナリティクス プロフェッショナル認定)は8つのコースで構成されていて

1. Foundations: Data, Data, Everywhere
2. Ask Questions to Make Data-Driven Decisions
3. Prepare Data for Exploration
4. Process Data from Dirty to Clean
5. Analyze Data to Answer Questions
6. Share Data Through the Art of Visualization
7. Data Analysis with R Programming
8. Google Data Analytics Capstone: Complete a Case Study

これを週10時間程度のペースでこなしていくと約6か月で終わりますよと、書いてありました。コースの名前には''Professional''となって、レベル高そうな感じがしますが、難易度としては「初級レベル」となっています。だから無経験でも受講できるわけです。現時点では、コースは英語で提供されて、字幕も英語のみとなっています。将来的には翻訳されるような雰囲気もありました。

このコースは有料で$39/月となっています。仮に6か月で終わらせるとすると$240くらい。これを高いと思うか安いと思うかは人それぞれだとは思いますが、3か月で終わらせることができれば$120にすることもできます。

私は70日ぐらいで修了したので、今のところ$120で収まっています。もうサブスクを解除してもいいのですが、他のコースも取ってみようかとも考えていて、もうしらばらく更新を考えています。

もし、これを読んでいる方で受講してみようか考えていて、どれくらいで修了できるか気になる人は、次の点で自分の前提条件を考えてみるといいかもしれません。「週10時間で6か月」を短縮するには以下の条件が大事かと。

1. Excel、spreadsheet、SQL、Tableou、Rの使用に慣れている。
⇒ データ分析に使うツールたちですが、SQL、Tableou、Rって何?って感じの人は時間短縮は難しいです。

2. 英語できます。
⇒上にも書いたように、講義ビデオ、練習問題、テスト、すべて英語なので、このあたり苦にならないなら、ビデオを倍速再生みたいなことができます。ちなみに私の場合、この後に詳しく書きますが、英語のビデオを字幕付きで見た後に、それをDeepLに翻訳してもらって読むというのをやったので、短縮どころか倍かかりました。

3. 週10時間以上取り組む
⇒これは、短縮というより、物量作戦というか時間にものを言わせる作戦で週10時間のところを週20時間できれば、計算上は3か月で終わります。私はこれで6か月を約3か月にしました。

実際に受講してみて

前段でだいぶん長くなりましたが、ここからは実際に自分がどんな感じで受講したかを書いてみます。なお、ここではコースで習った内容についてというよりは、受講の流れを中心に書きます。

8つのコースあって、それぞれのコースが4つか5つのパートに分かれています。1つのパートを1週間で終わらせるような配分になっています。さらにそれがサブパートにわかれていて、基本の構成としては

・ビデオ: インストラクターがスライドや実演を交え学習項目を説明するのを見る
・学習用教材(読み物、リンク等): ビデオの内容をまとめたもの、補足、追加資料などのリンクを読む
・練習問題(実際に手を動かしてみる):ここで実際の課題に取り組んだり、ならったことを自分でツールを使って手を動かしながら練習
・他の学習者との交流:このコースを通して他の受講者との交流が求められるため、掲示板(フォーラム)へ投稿することが求められます。さらには他の受講者のコメントに対し、こちらがコメントをするなども推奨されています。

基本、この流れを繰り返します。私は1週間分を1日で終わらせるようなペースで進めていきました。詰め込み過ぎだと思います。

Goodポイント

受講していて、いいなぁと感じた点

ビデオ・教材がよい:ド素人なので内容が網羅的であるかとかはわからないのですが、取り合えず、私みたいなド素人でも、ビデオや資料を頼りにコースを進めていくことができます。特に練習問題は、実際にExcel、spreadsheet、SQL、Tableou、Rといった分析ツールを使うため、教えてくれる人がそばにいないと、けっこう厳しいわけですが、それでもなんとか進められたのは、教材のできがよいからだと思います。基本は同じようにやってみてねという感じです。

・実践的:これまで別のプラットフォームで、別分野のオンラインコースをいくつか受けてきましたが、時々、それ言ってることはわかるけど、現実場面にどう落とし込むの?的なことがありました。その点、このコースは扱うデータも本物の公的なデータで、課題も現実的なビジネス課題で興味深かったです。

Inclusive, Diversity:が意識されています。内容と直接的に関連はしませんが、全体を通して講師の人種も考慮されているように感じましたし、途中で実際にGoogleで働いているデータアナリストがたくさん出てきて、経験などを話すのですが、いろいろな背景の方が多く出てきました。また、ビデオの撮影場所もGoogleのオフィスなのか、がちがちの講義室、スタジオみたいなところではなく、オフィスの一角のオープンスペースのような所で撮影されていて、それを見るだけで、いい所だなぁと感じました(笑)

このようなことは本質的なことでないように思われるかもしれませんが、オンラインコースで長期間ビデオを見ていくにあたっては、講師のキャラクターが感じられたり、単調にならないことは大切だと思いました。

キャリア形成が意識されている:職業訓練的なコースなので当然かもしれませんが、ただ、データアナリティクスについて学ぶだけでなく、履歴書の書き方、面接の準備、ポートフォリオの作り方等、想像以上に時間を割かれていた印象でした。コースを通してできた成果物をどのように採用側にアピールするかなど、実践的だと思いました。私はこういった知識をネット上のhow toサイトで流し読みするぐらいだったのでなるほどと思うことが多かったです。ただ、アメリカでの就職・転職活動を基本に考えているので、日本とは違う部分もあるかもしれません。

Bad ポイント

悪いというか、自分の前提条件を踏まえて、きつかったこと

・英語:当然、オール英語はきつかったです。英語聴く、字幕読む、DeepLにかける、翻訳を読む、これが基本の流れとなったので、日本語のオンライン講座より倍疲れる感じはしました。また、日本語だと簡単にわかることも、英語になったことで、??となることも多く、よけいに時間がかかりました。例えばspreadsheetのところでfunctionという言葉がよく出てきたのですが、最初、それを「機能」だと思っていたら、それは「関数」の意味でした。あまりに初歩的で、知っているから人からすれば何やってんのって感じなのですが、全体を通してこういうことが多かったです。
それでもDeepL翻訳を使って、受講できたという部分をポジティブにとらえてもいいかもしれません。

・交流は厳しい:上の英語とも関係するのですが、コースを通して他の受講者との交流を勧められます。これは確かに大事なことで、データサイエンスやプログラミングの世界は、同業者の助け合いというか知識の共有がすごく進んでいるように感じます。何かわからないこと、問題に直面した時に、コミュニティに聞いてみるというのが、とても大事なことであると、コース内でも教わります。実際に、私もコースでわからないことが何度もあり、聞きたいなぁと思うこともあったのですが、上にも書いたように、そもそも、わからないことを英語で説明するという部分で、ハードルが上がる感じがして、できませんでした。それでも、何度か、自分のひっかかったことについて掲示板で検索してみると、同じことで質問している人を発見したりして、助けらたことがありました。なので、交流できると、もっとスムーズに学べるだろうと思いました。

・後半の道険し:大雑把に言うと、前半はどちらかというとデータ分析に関する概念的なことを学ぶので、ふんふんと聞いていれば、先には進めます。しかし、後半になるとツールを使った作業が出てくるので、実践的になります。ごまかしがききません(笑)特にプログラミングは、入力ミスで、エラーが出て、前に進めなくなります。いろんな関数が出てくるのですが、その意味を理解するのもかなり大変です。英語の説明を聞いた後で、翻訳を読み、さらに日本語の解説ページを探して読むの連続になります。なので、私の場合、後半に行くに従い、コースの消化ペースがどんどん落ちていきました。

・練習量が限られる:何事もそうですが、1度やったぐらいで、何もかも覚えることはできません。私の場合、初めて使うツールが多く、またプログラミングも初めてだったため、未だに、基本がおぼつきません。ただ、これを補うための練習問題はコース内のフォーラムに行けば見つかりそうなので、今後も時間をかけて練習すれば、もう少し身につきそうですが、あくまでもこのコースで学ぶことはエントリーレベルの話で、今後、多くの実践練習が必要であることは間違いないです。

他の人はどんな感じなのか

これを書くにあたって、このコースを受けた人を探してみました。数名の方を見つけたのですが、やはり、現職でプログラミングやデータ分析に関わっている人にとっては、かなり初歩的な内容のようで1か月もかからないようです。

修了してみて

紆余曲折ありましたが、最終的にはこんな感じで修了証がもらえます。

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実際に自分の名前が入ったものを見ると、うれしいです。
ただ、修了して思ったのは、これでデータ分析の職につけるというのは、違うなと。もし、データアナリストの仕事につきたいというのであれば、これをきっかけに、さらにツールについては理解と練習が必要でしょうし、コースでは複雑な分析手法は取り上げていないので、統計の知識もさらに深めなければいけないと思います。そういう意味では、ド素人にとっては、はじめの一歩なのかなと思いました。

一方でGoogle/Courseraのコースのすばらしさは、さらに学びたい気持ちを持たせてくれますし、英語のコースであってもDeepL翻訳があれば、なんとか食らいつけるという感覚がありました。これは、大きいです。巷にはいろいろなオンラインコースがあると思いますが、価格、質、信頼性、コミュニティの大きさも含め、Courseraのようなプラットフォームて展開されているコースが英語でも受けられるのは学びの可能性が広がったなと思います。

ちなみに、私が最終的に仕上げたプロジェクトはこんな感じで公開しています。正直、グラフとかは欠損値を消せていないし、雇用主がこれを見ると私を不採用にしたくなる気もしますが、今後、もう少しきれいにしようと思うので、恥を忍んでさらしておきます。

Capstone Case Study: BikeShare
https://www.kaggle.com/akihisayoneda/capstone-case-study-bikeshare

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