なんもしない米光

「ある方法で自身のメディアを持てば、いやなことはやらなくてすむ」レンタルなんもしない人さんとのイベントで考えたこと

レンタルなんもしない人さんと対談した。2019年10月19日、場所は池袋コミュニティカレッジ。「レンタルなんもしない人さんに米光一成が聞く!発想と想像が生み出すもの」というタイトル。
なので、ずっとレンタルさんに質問しよう、小賢しい分析とかはせず、質問することでレンタルさんの凄さが浮き彫りになるようにしようと考えて挑んだ。
(最後に、「米光さんがゲーム作家としてどう見てるかとか、話をふれなかったですけど大丈夫ですか」っていうふうにレンタルさんが気を遣ってくれたので、ちょっとだけゲーム作家視点でどう見えるかを喋ったけど)

レンタルなんもしない人さんのストレスフリーっぷり

以下、イベントの話で印象に残ってることを書くけど、明確に憶えているわけではない。から、レンタルさんの発言内容とかは正確じゃなくて、そんな雰囲気のことを答えていた、もしくは米光はそう受け取ったというレベルの書きっぷり。

『レンタルなんもしない人』というサービスを始めます。

とTwitterで表明して、なんもしないという活動をしているレンタルさん。

なんもしないとはいえ、その場に行って「居る」のだ。イヤな目にもあうことがあるのではないか。
「イヤな目にあったことは?」という質問にレンタルさんは「ない」と答えた。
「これが何度も続くと思うとイヤってことはあるけど、そういうことでも初めてのときは初めてってことで面白い」と。
しかも、依頼はたくさん来ていて読みきれないほどなので、イヤな依頼や、飽きたパタンは受けないでいい。だから、結果的に「イヤ」ってことがないのだ。
そういえば、本のあとがきも、一冊目は書いてるけど、二冊目は書いてない。あとがきの代わりに担当編集者とメッセージのやりとりが掲載されている。

「なんもしない」と標榜しているので、やりたくないことは「スタンスと違うからやらない」と主張できるのだ。
あとがき代わりのメッセージのやりとりの最後は、「僕以外の人がやることならなんでもアリです はい、詳しくはまた明日で……!」だ。

「途中で帰ったことないんですか」って聞いたら、一度だけあって、怪しげな販売会みたいなので自分がいてもいなくてもいいようだったから帰ったことがあるがそれ一度きりだそうだ。

レンタルなんもしない人さんは、「まるまる模倣したレンタルなんもしない人さん」たちのことを、イヤだと言った。何か起こしたら自分に風評被害がくるからだし、それが「まるまる模倣」だからだ。
レンタルさんは、プロ奢ラレヤーさん(プロの奢ラレヤとして活動している人)をみて、参考にして(テクニック:矛盾した言葉をつなげる)、そこから自分の欲望に合わせて「レンタルなんもしない人」を発明した。マネをするなら、自分の欲望に向き合って発明してほしいと考えているのだと思う(レンタルさんは、ちゃんとアレンジしてやっているあめひま君(アメくばる暇な人)のことは好きみたいだった)。

自分自身で発信するメディアを1つ持って(レンタルさんは、Twitterを使って活動報告をしている)、しっかりと自分の欲望に向き合うことで「やりたくないことをやらない」というスタンスを作ることができる。

*以下は、対談を通して考えたことを補足。「ある方法で自身のメディアを持てば、いやなことはやらなくてすむ」

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