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コスチューム作りにおける律速段階を考える

今日はやる気があってサクサク進むとか、モチベーション上がらず全く仕事が進まない.....とかの話ではなく、依頼を受けてから無事に納品するまでの間でどこに時間がかかるのかを考えてみようと思います。

どんな形のコスチュームにするか

初めて担当する選手やリピーターでも今までのテイストからフルモデルチェンジをする時。
ここに凄く時間かかりそうに思えますが、ベースの種類(ショートタイツなのかはロングスパッツなのかボクシングトランクスなのか.....など)はもれなくどれかなので意外と話は早いです。

もちろん細かなディテールや特殊な造型になる場合は多少時間がかかりますが何日もかかるようなポイントではありません。

どんな生地にするか

ここは少し難易度高いパターンがあります。素材やカラーはアイテムによって大体決まってくるものですが、たまに『どうしてもこんな柄でこんな色の生地で....』と言う拘りのオーダーがあったりします。
様々なルートでドンジャスの生地がないか、または限りなく近しい生地がないかと探しまくりますが、どうしても見つからない場合はイチからその生地を作るしかありません。

が、生地をイチから作るとなると当然それだけで結構な予算がかかります。ものすごい資金があったりものすごいスポンサーがついていない限りなかなか現実的ではない。
この場合はどこかしらで何かしらの妥協点を見つける作業になるため折り合いがつくまでそこそこの時間はかかります。

スポンサーは決まっているか

コスチュームにプリントをするスポンサー。
世間的に有名ではない選手は地元の飲食店や働いてる会社など協賛企業の名前やロゴをプリントすることになります。
デザインやプリントの流れはまた後日別エントリーしますが、Illustrator(ファイル形式:aiデータ)というソフトを使ってプリント用のシートを作る作業が必須なのです。ザ・パソコン作業!

中小企業さんや零細企業さんは仮に会社(お店)のロゴがあったとしてもそのデータを持っているとは限らない。
デザインを依頼したデザイン会社に問い合わせないと入手出来ない場合があるわけです。
それが不可能な場合は画像(jpeg)からaiデータを作らないといけない。綺麗に詳細に作らないといけないとなるとここも専門的なテクが必要となるため時間とお金がかかります。どう妥協点をみつけるか。

大きなイベントだったり、超有名選手などは大企業のスポンサーが付くことになります。毎回必ずスポンサードする企業は良いのですが、様々な大人の事情で入れ替わる企業も多い。このレベルになると単発契約から年間契約など形はあれ、どの部分にロゴを入れるかと言うのは場所や大きさでものすごい金額が変わってくるのでまさに大人の事情で左右されるということ。

この大人の事情のやり取りでなかなかスポンサーが決まり切らないと言う問題が毎回起こるのです。
最終決定が試合2日前だったりとかもあるわけです。
ずっと担当してる選手なら勝手知ったるなんとやらで何とかなるのですが、初めて担当する選手の場合はフィッティング調整も出来ない、まさに一発勝負になってしまう。
作り屋からすると、デパートで試着せずに目見当でスーツを買ってくるようなそんな怖さです。
出来ることなら時間的ゆとりをもって仕上げ、時間的ゆとりをもって納品し、もし万が一何か問題があれば時間的ゆとりをもって修正したい。

まとめ

こうして考察してみると、いろんなポイントはありますが致命的なリスクを意識するほど時間的に追い込まれるのは、

スポンサーがいつ決まるか

これに尽きます。
大人の事情は致し方ないと承知しますが、全ての行程を1週間前倒ししてくれたらプロジェクトそのものがさらに完成度の高いものになることは間違いありません。

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