スタバに頻繁に通うような人になりたかった(エッセイ)

スターバックスのギフトチケットを頂いた。

スタバにはほとんど行かないけど、行く時にはいつも行っている風を装いたい。

注文に時間をかけないように、あらかじめ頼みたいものを調べておく。

本当にたまにしか行かない時に頼むのは、キャラメルマキアートかマンゴーフラペチーノのどちらかと決めている。

たまに行く時は、自分1人ではなく、必ず誰かと一緒に行く時なので、メニューを見てもすぐに決められないのだ。

だから、これを頼むと決めておく。

寒ければキャラメルマキアート、暑ければマンゴーフラペチーノ。

もちろん、トッピングなし、オリジナルのアレンジもなし、シンプルメニュー。

しかし今回は1人で行くことにしたので、事前にメニューを調べてゆっくりじっくり決めてから行ける。

頂いたギフトチケットがドリンク700円、フード300円のものだったので、なるべくその範囲内で頼めるものを探す。

会計の際もスムーズに行くように。

メニューをスマホで調べて見てみる。

コーヒー類は一番大きいものでも500円程度、ティー類は大きいものでも600円程度。
これらにトッピングという手もあるが、フラペチーノなら700円前後のものが多い。

やはりフラペチーノだな。

たまに頼むマンゴーフラペチーノは年間通してあったと思うので、せっかくなので季節のものを選ぶことにする。

ピーチ、キャラメルオーツ、ストロベリーが季節のおすすめらしい。

この3つなら、断然ピーチだ。

君に決めた!

しかも、これはサイズ選択なし!

ありがたい!

ここでトッピングも調べてみる。

おすすめのトッピングは誰のおすすめなのかは分からないけど、どんなトッピングがあるのかの参考にする。

しかし、ピーチフラペチーノはトッピングなしでも700円だ。

果たして無料のトッピングはあるのかい、ないのかどっちなんだい!

あーる!

たまに現れる私の中のなかやまきんに君。

きんに君が投げる飴の様に飛んでいけー。ヤー!

ふー。

気を取り直して、トッピング、トッピングと。

ピーチホイップ減量。

増やそうとしてるのに、減らすのは却下。

ピーチホイップを白いホイップに変更。

そのままで。

インホイップに、しない。

氷、減らさない。

はちみつトッピング無料。

おお!

キャラメルソース無料。

良いね!

はちみつかキャラメルのトッピングにしよう。

両方もできるのかな?

できそうだけど、今回はキャラメルソース追加にしよう。

よし、ドリンクは決まった。

次はフードだ。

フードは前に一度食べたことがある、あんバターサンドが300円以内だったはず。

あれ?315円?

値上がりしたのか。

まぁいい。

他にも300円以内はあるはず。

ドーナツ、スコーン、ワッフル、マフィン。

種類は少ないがあるぞ、あるぞ。

その中でも、クッキー&クリームドーナツ、これだ!

甘いものでお腹も心も満たすのだ。

ようやくメニューも決まった。

いざスタバへ。

スマホでスタバチケットをすぐ出せるようにしておくことも忘れずに。

メニューを頭の中で確認して。

ピーチフラペチーノをキャラメルソース追加で、あとクッキー&クリームドーナツも。

よし。

店内に入り、早速頼む。

メニュー表のピーチフラペチーノを指差し、

「これにキャラメルソース追加で」

よし、上手く頼めた。

「あと、このクッキー&クリームドーナツもお願いします」

フードのガラスケースの中にクッキー&クリームドーナツがあることは確認済みだ。

『以上でよろしいですか?』

と店員さんが聞く。

「はい、あのスタバチケットで払います」

『ありがとうございます。少々お待ちくださいね』

店員さんがガラスケースからクッキー&クリームドーナツを取り出し、紙袋に入れてくれる。

その間にスマホの画面を出しておく。

『はい、どうぞ。お手拭きはおつけしますか?』

「はい、お願いします」

と言いながら、スマホの画面を見せる。

『ありがとうございます』

店員さんがスマホのバーコードを読み取る。

レシートとクッキー&クリームドーナツが渡される。

『そちらでしばらくお待ちくださいね』

よし、完璧だ。

「はい」

そう言ってドリンクを受け取るカウンターに行こうとしたその時、

『美味しそうなトッピングですね』

「ええ、あ、あの、おすすめにあって、美味しそうだなって」

うああああああ。

店員さんの問いに対する反応速度は良かったと思うんだ。

でも頼んだことがないのはバレたー。

いつも来てます風を装えなかったー。

いつも来てます風なら、前頼んでみたら美味しかったので、だったー。

と頭の中は大騒ぎしながら、何食わぬ顔をしてピーチフラペチーノを受け取り、帰っていくのだった。

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