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Lotta(Ayano Nakano) インタビュー「DREAM COMES TRUE」

Lotta (Ayano Nakano)
Solo exhibition “DREAMS COME TRUE”
Date: July 8th-11th 13:00~20:00
Place: SORTone gallery 東京都渋谷区神宮前2-14-17


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「ソックス」と見つめる、果てしない夢

表情はなくとも愛らしさが伝わる「ソックス」。しかし「ソックス」には足がない。それは「ソックス」がおばけだからだ。おばけでもこわくはない。いやこわいどころか、いつもそばにいて欲しいって気分になる。そんな摩訶不思議なキャラクターを生みだしているのが、“Lotta”ことAyano Nakanoである。

昨年自身で行った個展では作品を完売させ、すでに彼女の作品には多くのファンが付いている。特に海外からのラブコールはやまず、まさに世界に向けて飛び立とうとしているアーティストである。

しかしそこに至るまでには、人知れず抱えていた迷いや葛藤があった。「自分を肯定してあげられるものが何一つなかった」。そう語るLottaの周りには孤独や寂しさが常に取り巻いていたという。

Lottaの言う「不安定な時期」を乗り越えて、夢を着実に叶えはじめたのはほんの1年にも満たない時間だ。そして満を持して米原康正のキュレーションの元、個展「DREAMS COME TRUE」を開催することとなった。

全て新作という“夢は叶う”と名付けられた、渾身の個展の中心となるのは前述の「ソックス」である。Lottaを象徴するキャラクターとして命を吹き込まれた「ソックス」とアーティストLottaについて、言葉を交わしながら紐解いてみたい。

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自分でもどうしたらいいんだろうという迷いや葛藤があった

—作品はいつ頃から制作しているんですか?

Ayano Lotta Nakano(以下:Lotta):小さい頃から絵は好きで、ずっと描いていたんですけどちゃんと人に見せることを意識したのは2017年ころから。その頃はアパレルで働きながらかたわらで描いていました。絵に集中できない環境というのがストレスになってきて、ある日突然仕事も辞めてしまったんですね。全部投げ出したくなっちゃった。

—それからずっとアート制作一本でやっているんですか?

Lotta:いや、本当に何も考えずに仕事を辞めてしまったので、最初は大変でしたよ(笑)。アルバイトをかけもちして食いつなぐ、みたいなこともやっていましたね。ずっと絵で食べていけるってイメージを抱けていなかったけど、仕事をやめて絵に専念できる時間は少しずつ増えていきました。そしたら同じように自分の生活も変化してきて。最近になってやっと絵を描いて生きていくことを実感できています。

—ファッションにも携わっていたということですが、Lottaさんはどういったルーツを辿って今に至るんでしょうか?

Lotta:神奈川の茅ヶ崎出身で、18の頃に東京に出てきましたね。生まれ育った茅ヶ崎市ってとにかくスローライフで。それがわたしは退屈で仕方なかったんです。当時は早く東京に出ようって思っていました。「東京と言えばファッションだろ」という浅はかな考えでアパレルの業界で働き始めて、それが本当にこの辺(原宿)のレディースのセレクトショップだったんですけど、5年くらいお世話になりました。

—Lottaさんから確かに茅ヶ崎感は全く感じないですね。僕も山梨出身なんで、共感できる部分はありますけど。退屈と感じる中で当時はどんな風に過ごされていたんですか?

Lotta:太陽がとにかく似合わないというのはよく言われます(笑)。当時はめっちゃギャルやってました。原付乗って、もはやヤンキーでしたね(笑)。居場所がない人たちで集まっている感じでした。絵は好きだったけど、絵で自分を表現し始めたのは東京に出てきてからです。

—それはやっぱり自分のアイデンティティを求めた結果、絵だったんでしょうか?モデルなどもやられてそうだと思ったのですが。

Lotta:モデルはたまにやるんですけど、本当は苦手なんですよ。カメラ向けられるのも。東京ってみんな成功しているように見えるじゃないですか?すごいキラキラしてて、みんな夢を叶えている。夢に向かって頑張っているイメージがあったんです。そういう人たちが周りにいるからこその焦りもありましたし、私も何かで絶対成功したいと強く思うようになったのが絵を描くようになったきっかけです。

—じゃあ本当に、絵がLottaさんのコミュニケーションなんですね。今回ヨネさん(米原康正)キュレーションの元で個展「DREAMS COME TRUE」を開催するわけですが米さんとの出会いやきっかけは何だったんですか?

Lotta:インスタからです。わたしの絵を見てコンタクトを取ってくれていろいろと意見をくださったんです。

米原康正(以下:米原):インスタで目に留まって、その時は売れるかどうかはちょっと厳しいな〜って思った。それは本人にもちゃんと伝えたよ。

Lotta:本当にその通りで私も不安定で自信がなかった時期でした。そんな時、米さんからアドバイスしてもらったんですよ。

米:他の絵は描いてないの?って聞いたら「他にはキャラも描いてます」って言うから「そっちももっと描いてみたら?」って言ったんだ。Lottaは上手だと思った。だけど、「インスタで描いてます」、「上手だね」って言われてるけど将来はどうする?って。今まで出会ってきたアーティストにも言っていることだけど、絵で生活していくとしたらそれだけじゃいけないと思うんだよ。

—米さんからのアドバイスを受けたときの心境や、そこから絵の向き会い方は変わりましたか?

Lotta:心境としては、不安定の一言に尽きます。描きたい絵が描けているかどうかもわからないままフラフラしてて。それじゃダメだってことも分かってたけど、自分でもどうしたらいいんだろうという迷いや葛藤がありました。だからこそ、米さんの言葉には気合いが入りましたね。そこで辞めてしまったら仕事を辞めた意味もないし。意味のない人生になっちゃう。

あらためて他のアーティストさんの方の作品を観に行ったりSNSで情報を集めたり、人気の絵柄を調べてみたり勉強じゃないけど、描き方や画材をいろいろ試してみましたね。そこで出会ったのが今使っているアクリルでした。

米:その間、半年以上コンタクトはとってなかった。しばらくしてLottaが個展開くっていうからあらためて作品を見たんだけど、めちゃくちゃイイわけ。

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「この子めっちゃかわいいじゃん」ソックス誕生の瞬間

—その半年でどんな変化があったんですか?

Lotta:わたしもともと紙とペンを使って線で絵を描いていたんですね。そこに水彩で色を塗ってという絵が多かった。でもそういう絵って本当に売れない(笑)。みんなカッコイイって言ってくれるけど、そこまでなんです。

その画風ではうまくいかないというのは痛感していたので、じゃあやっぱり変えてキャンバスの絵を描こうって思いました。油彩かアクリルか迷ったけど、ほんっっとにお金が無かったので(笑)。油彩は諦めてアクリルに挑戦しました。キャンバスにも描いたことなかったし、アクリルも初めてだから最初は「なんじゃこりゃ」って感じで。

でも、描いてるうちに「こういう表現ができるんだ」とかだんだんわかってきて、「ソックス」が誕生するきっかけになりました。

米:今回の展示の目玉でもあるけど、そこからLottaが生んだキャラクター「ソックスちゃん」はどうやって生まれたの?

Lotta:子どもの頃からキャラクターものがすごい好きなんですよ。「カートゥーンネットワーク」や「ディズニー」みたいなキャラクターを、自分自身の手で生み出せないかと考えて、アクリル画だったらアメリカンでポップなキャラクターがクリアに表現できるかなって思ったんです。そこでキャラクターをいろいろ描いていたときに、「ソックス」のアイデアがパッと浮かびました。それが去年の10月くらい。本当にパッと閃いて降りてきたって感じです。「この子めっちゃかわいいじゃん」って。

—「ソックス」のモチーフが猫なのはやはりお好きだからですか?

Lotta:そうですね。飼い猫もいるし、猫のキャラクターにしようというのは決めていました。キャラクターとしてのデザインは「カートゥーンネットワーク」のモノクロの頃のアニメを観て、細かい部分を詰めていきましたね。

米:なんでゴーストなの?

Lotta:猫のキャラクターってとにかくいっぱいいるじゃないですか。その中でパッとみて、「コイツは何か違う」って思わせるインパクトが欲しかったんですよ。手足、何か変えてみようって思っていろいろやってみて、「いっそのこと足取っちゃうか」みたいな。で、オバケってことにしたら私の好みにどストライクなフォルムに仕上がりました。

—「カートゥーンネットワーク」的なアメリカンなテイストも感じさせつつ、オバケっていうのもそうですけど、日本の幽霊とか妖怪的な部分も盛り込まれていますよね?和洋折衷の要素を「ソックス」は持っていて魅力的なキャラクターだなと思いました。

Lotta:ありがとうございます。日本の妖怪も大好きです。なので「ソックス」に反映されている部分はありますね。

米:一方で足がちゃんとある「ソックス」も描いていたよね?

Lotta:「ソックス」の過去編みたいなイメージで描いた作品です。“生きてた”っていう設定にしたら、こんな感じかなと。モノクロのお花畑にまだ足のある「ソックス」がちょこんて座っている。

—「ソックス」のキャラクターに深みが増しますね。ちゃんとストーリーがあるというか。

Lotta:正直そこはめちゃくちゃ考えています。実は深い設定があったりするんですけど。まだちゃんと整理しきれていない部分があるので、世には出していません。だけどストーリーもしっかり考えているんです。

—だんだんと設定が積み重なっていって、明かされる日が来るかもしれませんね。「ソックス」の名前の由来を、明かせるようでしたら教えていただけますか?

Lotta:足だけがソックス履いているみたいに色が違う猫を「Socks Cat」というところからですね。海外ではハッシュタグがあるくらいポピュラーで。だから「ソックス」も尻尾の先端が白くなっています。

—今回の「DREAMS COME TRUE」では「ソックス」が会場を占拠する、とアナウンスされていますが、どのような展示になる予定ですか?

Lotta:「ソックス」もそうなんですけど、新キャラも登場する予定です。

米:何ちゃん?

Lotta:名前がねえ、まだ決めてなくて(笑)。展示までには決めます。ネタバレすると、耳が長くてフワフワしたうさぎみたいなキャラクターです。

—「ソックス」の世界のキャラクターということですか?

Lotta:そうです。同じ世界に生きているキャラクターとしてそのコも今後の展示にどんどん出して行こうかな。そういったキャラクターを増やしていきたいと思っています。

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「ソックス」と色づく、Lottaの世界

—「ソックス」によってLottaさんの活動にだいぶ変化があったと思うんですけど、やはり反響はすごかったですか?

米:ほんと「ソックス」観た時にすぐ連絡したもん。インスタのフォロワーもめちゃくちゃ増えてて。

Lotta:嬉しいです。初のキャンバス、アクリル作品の展示として昨年11月の末に個展を自分でやったんですけど、その展示に来ていただいた方がいわゆるコレクターの方で、インスタに上げてくれたり、どんどん広がっていきました。フォロワーも増えて、連絡もたくさんいただくようになりました。国内のコレクターだけじゃなく、とにかく海外の人が多いです。本当に反響がすごくて。そこから全部ガラっと生活も何もかも変わりましたね。

—その展示の作品も全部完売ですか?

Lotta:そうなんです。完売したこともそうだけど、初めて作品が売れたことにもビックリしてます。その連続。今でもまだビックリしてます。米さんにはその時に、「ちょっと反応見てみます」という連絡はしていて。そしたら想像以上だったので嬉しかったですね。

米:スゴイよねえ。だからその時に、「次はぜひ一緒にやろう」って話をして。コロナもあって時間は経っちゃったけどやっと実現できる。

—ヨネさんが「ソックス」を見た瞬間に感じた魅力ってどんなものだったんですか?

米:とにかくキャッチーで可愛い。お客さんの視点で見ると集めたくなる、部屋に置きたくなる作品というのが重要なんだけど、そういう作品だよね。コレクターに飽きられてしまうのはマズイんだけど、「ソックス」はLottaのアイデア次第でいろんな展開が考えられる。そこも強みだと思うよ。フライヤーのデザインも女性のキャラと一緒に描かれているよね。「ソックス」と一緒に遠くを見つめている。あれは誰で、どんな状況なの?

Lotta:あれは、恥ずかしいですけど私をモデルにしているんです。そして「ソックス」と一緒に、夢に向かって飛んでいる様子を描いています。

—まさに「DREAMS COME TRUE」というタイトルが付けられていますが、どんな展示になるのか、すでに全体のイメージや構想があれば教えてください

Lotta:「夢は叶う」というのをテーマにポップな作品がメインになっています。わたしの作品はモノクロの作品が多かったんですけど、夢が叶う瞬間ってモノクロよりもキラキラとカラフルなイメージなので色を多く使っています。虹色の作品もあったり。ファンやコレクターの方にとっても新鮮な展示になるかなと。点数としては20点くらい、全て新作です。

—モノクロの世界が色づいていく、まさに今、夢を叶えている最中のLottaさんの心境も反映されているのかもしれないですね。ヨネさんとしては今回の展示の見所はいかがでしょうか?

米:今、まさにブレイクしようとしている、その間際のアーティストの個展が見られるというのは貴重だと思います。「Lottaの個展やりますよー」というのをアナウンスしただけで、海外からの問い合わせがすごいんだよ。「早く先に決めたいです」って。「ソックス」が生まれてから1年経ってないんだから。本当にこれから登っていく人の勢いというか、その瞬間に立ち会える個展になると思うよ。

—コロナ禍の影響もあったと思うんですけど、1年前を思い浮かべるとどんな感じですか?

Lotta:もう本当に人生の病み期ですよねー。仕事も辞めちゃったし、絵もうまくいかないしお金もない。自分を肯定してあげられるものが何にもなくって。「どうしたらいいんだろう?」というのがちょうど1年前でした。

—それでも、絵に向き合い続けて夢を叶える道を歩み始めたわけですが、コロナ禍はLottaさんにとってどんな影響がありましたか?

Lotta:わたしにとっては制作に集中できた時間でした。世の中は暗いけど、絵に向き合う時間がすごく増えたので。家で制作し続けることを誰からも咎められない。色々な人に迷惑や心配をかける必要もなく、家に籠もって絵を描きつづけられたのはわたしにとっては心地良かったかもしれない。今はそう思えます。

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「一人じゃないんだよ」という安心感を感じてもらえたら

—余計な雑音をシャットアウトして作品に集中できたからこそ「ソックス」が生まれたわけですもんね。今まさに夢を叶えているLottaさんの今後の展望というか目標はありますか?

Lotta:わたしにとって、絵を売ること自体がすでに夢だったんですけど、その小さな夢が去年叶って、そこからはどうなるか想像が出来なかったんですよね。海外のファンの方から「次の展示はいつ?」とか「今売れる絵はないの?」って連絡をたくさんいただく
ので、今は国内の展示が中心ですけど、海外の展示に向けた作品も制作しています。
米:今年、海外の展示も決まっているんだよね?

Lotta:9月にパリがあって、11月にロンドン、来年は韓国とニューヨークで展示をやる予定です。

—すごい!ワールドツアーですね。

Lotta:わたしがいちばん驚いてます(笑)。直接ギャラリーさんからオファーしていただいて。コロナの影響でまだわたし自身が行けるかどうかはわからないですけど、出来る限りは現地に行こうと思っています。

—実際に現地で得たインスピレーションでまた新しいキャラクターが生まれるかもしれないですしね。やはりLottaさんのファンはお客さんが多いですか?

Lotta:そうですね。この間、ロンドンのギャラリーからシルクスクリーンの作品を販売したときは2秒で完売したそうで、反響は大きいですね。客層を聞いたところ半分以上はアメリカのお客さんだったそうです。「ソックス」にはアメリカのエッセンスが入っているからアメリカの人に喜んでいただけているのは嬉しいです。ちゃんと響いているんだなって。

米:中国で猫は縁起物だから、中国の客層にもウケそうだね。行こうよ中国。これから中国でもアート展をどんどんやろうと思っているんだけど、スケールが大きいから、楽しいと思うよ。

—インスタを見ていると「カートゥーンネットワーク」や「ジブリ」の影響も見られるんですが、音楽プロデューサーのMarshmello(マシュメロ)を描いていたり、音楽も好きな印象を受けます。音楽は作品に影響を与えていますか?

Lotta:絵を描くときは必ず音楽をかけているので、音楽の影響は大きいですね。その時聴いている音楽が作品に影響を与えていたりする。

—今回の展示のための作品制作で聴いていた音楽はどんなものですか?

Lotta:今回はヒップホップをずっと聴いていましたね。コレっていう曲やアーティストはないんだけど、プレイリストでひたすらヒップホップを流していました。今すごく制作が忙しくなってきていて、毎日絵を何時間も描き続けるのも初めての経験。そんな中でモチベーションを保ち続けながら黙々と描いているときに、ヒップホップのグルーヴ感、淡々としたリズムとストイックな雰囲気が今の自分にぴったりハマりました。耳に馴染むというか、心地良かったですね。

米:LottaはDJもやっているもんね。

Lotta:「Zero(AOYAMA Zero )」というめちゃくちゃ音が良いクラブがあって、そこでイベントもやるのでぜひ来てほしいですね。

—最後に、Lottaさんの作品を購入してくれる人に対して、どんな風に作品を楽しんでもらったり、愛してもらいたいと思っていますか?

Lotta:「ソックス」は見た目が可愛いし、丸っこいフォルムだから、気持ちが安らぐと思うんです。わたしは常に孤独を感じて、寂しい思いとともに生きてきた人間なので、そういう人たちに手に取ってもらって「一人じゃないんだよ」という安心感を感じてもらえたら嬉しいです。ペットのように可愛がってほしいですね。

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黒髪をなびかせて、黒の服に身を包み現れたLotta。初めこそ警戒心がうかがえたが、コミュニケーションを取るうちに見せる無邪気な表情と、天真爛漫な振る舞いはまるで奔放な猫そのものだった。タバコに火をつけて、煙に巻くのはコミュニケーションが得意ではない、彼女なりの照れ隠しなのかもしれない。

そんなLottaは自分の手で、夢への扉を開いた。そしてその大きな瞳でまだ見ぬ世界と、果てしない夢の先端を見つめている。彼女の傍らにはいつでも「ソックス」がいる。Lottaだからこそ知る孤独の痛み。その痛みを和らげるように生まれた「ソックス」は今やLottaだけではなく、世界中の人々に安らぎを与え、傷付いた心を癒しているのだ。「一人じゃないよ」。あなたのそばにも「ソックス」が訪れるかもしれない。

インタビュアー:望月“Tomy”智久

フォトグラファー:米原康正

Lotta (Ayano Nakano)
Solo exhibition “DREAMS COME TRUE”
Date: July 8th-11th 13:00~20:00
Place: SORTone gallery 東京都渋谷区神宮前2-14-17

Lotta (Ayano Nakano)

1993年生まれ。
独学で絵を描き始め、アーティストとして東京を拠点に2017年頃から活動をスタート。
アクリル画や線画をメインに、アパレルとのコラボレーションやタトゥーデザイン、ライブペイントなど多岐に渡る活動をしている。

また音楽愛好家でもあり、都内のクラブやDJ BAR等で音楽と芸術をつなげる活動として、不定期に展示を開いたり、フライヤーデザインなども行なっている。

2020年、東京での個展を機に注目を浴び、国内にとどまらず
韓国、台北、ロンドン、パリ、ニューヨークでも展示を開催予定。

【個展】

’8-11 July 2021 ”SORTone Gallery” 個展 (Tokyo)
'20 「Socks the Ghost Cat展」at RANITOS(Tokyo)
'19 「Lotta 展」at STREAMER COFFEE(Tokyo)
'18「Face 展」at Lantern(Tokyo)
'17「Love is Everywhere」at Solfa Nakameguro(Tokyo)

【グループ展】

’21 Jun. 「あやかし展」 GROUP SHOW (Tokyo)
’21 Mar. Galerie OVO GROUP SHOW (Taiwan/Taipei)
'21 Feb. ART NAGOYA 2021 (Nagoya)
'20 「アートとTシャツと私展」(Kyoto)
'18「Hey! Say! Graffics展」(ROCKET OMOTESANDO/Tokyo)


【今後の活動(予定)】

’2021 Sep. “Haku Kyoto” 個展 (Kyoto)
’2021 Sep. “BEAMS RECORDS x BOTANIZE x LOTTA” (Tokyo)
’2021 Sep. “Maison Ozmen Gallery” GROUP SHOW (France/Paris)
’2021 Oct. “金澤水銀窟” 個展 (Kanazawa)
’2021 Nov. “Waluso Gallery” 個展 (UK/London)
’2022 Feb. “GR Gallery” Duo show (NY)
’2022 Oct. ”eligere Gallery” Group Show (Seoul)




「DREAMS COME TRUE」

"コロナ禍によって制限された世界、だけど私は逆に自由を手にした気分だった。
気分が乗らないことはやりたくない。やらなくていい。仕事も辞めた。好きな音楽を聴きながら、家に篭って絵だけ描いてた。

私の夢は、絵で生きていくこと。
親にも友達にも見知らぬ人にも、とにかく誰にも言い訳せず文句も言われず、ただ一人で絵を描いて生きていたかった。
そして強いて言うなら、自分以外の誰かに私の絵を少しだけ好きになって欲しかった。

ある日、いつものように落書きを楽しんでいたら、真っ白の画用紙の上にオバケの黒猫が突然現れた。
(お?この可愛い子は誰?)一瞬で大好きになった。
真っ黒のボディにしっぽの先だけ靴下を履いたような白を乗せて、愛らしいそのキャラクターに「Socks」と名前をつけた。

ソックスが生まれてわずか半年で、東京からソウル、台北、ロンドン、パリ、ニューヨークまで活動の場が広がった。
奇跡としか言いようがないくらいのスピードで、何か物凄いことが起きてる。

今はただ脇目もふらずひたすら走り続ける日々だけど、いつかこの歓声が鳴り止んだ時、私の隣にはソックスがいてくれる。
きっと、私以外の誰かの隣にも。

私だけのわがままな夢が、自分以外の誰かに気に入って貰えるなんて微塵も思っていませんでした。
今回の展示は、そんな私の "DREAMS COME TRUE" な瞬間、はしゃぎっぷりを皆様にお届けしようと制作しました。

私の夢を叶えさせてくれてありがとうございます。
わがままな私の夢、これからもたくさん叶えさせてください。"

"The world was restricted by the Covid-19, but I felt like I had freedom in reverse.
I don't want to do anything I don't feel like doing. I didn't have to do it.
I quit my job. I just stayed home and painted, listening to my favorite music.

My dream was to live by painting.
I wanted to live by painting alone, without excuses, without complaining to my parents, friends, strangers, or anyone else.
And if I had to say anything, I wanted someone else to like my paintings a little bit.

One day, while I was enjoying doodling as usual, a ghostly black cat suddenly appeared on my blank drawing paper.
(Oh? Who is this little cutie?) I instantly fell in love with it.
I named the adorable character "Socks", with its pitch-black body and only the tip of its tail white as if it were wearing a socks.

In just six months after Socks was born, my activities expanded from Tokyo to Seoul, Taipei, London, Paris, and New York.
Something amazing is happening at such a speed that it can only be described as a miracle.

For now, I'm just run, but someday, when the cheering stops, Socks will be there next to me.
I'm sure they'll be next to someone else, too.

I never thought that my selfish dream would be liked by anyone other than myself.
This exhibition was created to show you my "DREAMS COME TRUE" moments and my excitement.

Thank you for letting me make my dream come true.
Please continue to let me make my selfish dreams come true."


June/2021 Lotta


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