見出し画像

BEASTスポンサーへの道⑤【破 其之肆】

Мリーグ2023-2024ドラフト会議(続)

【第三巡指名選手】 鈴木 大介 (日本プロ麻雀連盟)

 イチ推しなのに記憶がない
 
  まず初めに告白しよう。BEASTの4人の選手の中で、僕が最も推している選手は大介さんだ。出版された麻雀関連書籍は全て購入している。「Dの流儀」ブランドのグッズも購入した。さすがにフルコンプは出来ないが(笑)。Mリーグショップで、狼援用のマフラータオルを買ったのも、大介さんのものだけである。
    この記事を続けて読まれた方で、お気づきの方がいるかどうか不明だが、選手の表記は原則として、猿川プロ、菅原プロ、中田プロという風に、姓(名)+プロとしている。
    だが、その例外が大介さんである。現在Mリーガーに鈴木姓が3名(他の2名は、鈴木たろうプロと鈴木優プロ)いることも、多少は関係している。鈴木プロという呼称は論外。鈴木大介プロが、最も適切であると思うが、自分の中ではしっくり来ない。だから、個人的に全く親しい訳では無いが、noteの中では「大介さん」で統一させていただく。
     ところがである。そのイチ推しの選手の存在を、いつ知ったのか、いつから推そうと思ったのか、全く記憶がないのである。おそらく、麻雀最強戦での対局を観てだと思うのだが、定かではない。恐ろしきは、加齢による記憶力減退である。

    ただ、BEAST選手ではないが、もう一人の推しである日向藍子プロのファンになった時の事は、明確に覚えている。忘れもしない2018年11月23日。場所は港区湾岸のTABLOID、Mリーグ初年度のパブリックビューイング会場である。
     当時の日向プロは渋谷ABEMASに加入前で、MリーグのPVでMCを務めていた。そのPV会場で初めて実物を見て、2ショット写真に応じて戴き、握手までして戴だいた。生まれて初めての麻雀プロとの2ショット写真だった。 あ・・・、またもや脱線してしまった。僕の悪い癖である。大介さんの話に戻る。

雀鬼流の系譜
  今 日本で一番強い麻雀プロは誰か?と問われれば、僕は佐々木寿人プロと答える。ちなみに大介さんも、寿人プロのファンであることを公言している。
     では次に、麻雀プロという枠を取り払って、日本で一番麻雀が強いのは誰だ?(近代麻雀の金本編集長の台詞ではない 笑)と問われたら、桜井章一会長と即答する。僕は雀鬼会のメンバーではないが、この場では桜井章一氏を便宜上【会長】という敬称で呼ばせて戴く。 
   雀鬼会については、ある程度 年齢がいった麻雀ファンなら、誰でもご存知かと思うが、簡単に説明する。
   雀鬼会とは桜井章一会長が主催する麻雀集団であり、桜井会長流儀の麻雀を会得することが、目標の一つである。「牌の音」という名の道場で、様々な年齢層の男女が、日々研鑽を積んでいる。「牌の音」は昔は下北沢にもあったが、今は町田だけである。
      大介さんは、この町田道場で桜井会長の弟子となった。しかしながら、大介さんの将来を考えた桜井会長は、その親心により、大介さんを将棋の道に専念させるため、涙を飲んで破門とした。(現在  師弟関係は、復活している)

    雀鬼流麻雀の強さは、竹書房が主催する麻雀最強戦の黎明期に証明されている。第1期から第5期までの間、第2期を除いて、雀鬼会で桜井会長の指導を受けた面々が優勝している。第1期  片山まさゆき先生(漫画家)、第3期  伊藤優孝プロ(日本プロ麻雀連盟)、第4期  佐々木秀樹さん(雀鬼会)、第5期  山田英樹さん(雀鬼会)といった方々である。
   雀鬼流麻雀では、様々な制約が設けられており、最も有名なのが、第一打の字牌切り禁止である。理由は字牌(役牌)を第一巡目に切って、その牌を鳴きたい他家を早い巡目に楽にさせることは、他の2家に対して迷惑をかける行為だという考え方に起因する。
     片山まさゆき先生は、更に踏み込み、こう述べている。第一打に安易に字牌を切らないことは、配牌を見て、最終の手牌構成を構想する訓練となる・・と。配牌時に、手牌の最終形に字牌以外の不要牌は何かと考えることが、雀力の向上に繋がるのだ・・と。
   この第一打に字牌を切らない制約を、自らに課しているのは、自分が知る限りでは、土田浩翔プロ、馬場裕一プロ(故人)、インスタントジョンソンのじゃいさん、スピードワゴンの小沢さんくらいだ。

  大介さんは、Mリーグのデビュー戦で、雀鬼流麻雀をを打ち、そして炎上した。

有名な炎上した第一ツモ時の手牌

   東3局西家、大介さんは字牌を切らず8筒を打った。最終形にタンピンを見ており、9筒引きがそれを阻害すると考えてのことであった。しかし、大介さんの思考を理解する術もないMリーグファン達は、コメント欄で大介さんの打牌選択を、非難あるいは批判した。

   ともあれ、 大介さんのBEAST加入により、Mリーグで、雀鬼流の麻雀を打つプロが大暴れする。考えただけでもワクワクする、2023-2024シーズンの開幕だった。

Mリーグという舞台での真の強者 
 
 大介さんのMリーグ初年度の成績は、数字だけで見ると振るわなかった。レギュラーシーズンの成績は、トータルスコアで▲97.2ポイント。順位は36名中24位に終わった 。
   しかし、大介さんの圧のある豪快な麻雀は、Mリーグファンの記憶に深く刻まれた。親の倍満を1半荘で、当然の様な顔で2回も和了れる人は、そうはいない。
    Mリーグ初年度の大介さんの敗因は、以下の3つだと考える。① Mリーグファンを意識して、雀鬼流を貫けなかったこと②Mリーグの一発、裏ドラ、赤有り麻雀が、大介さんにとって、不利に働いたケースが少なからずあったこと③Mリーガーは、アウトボクシング派が主流であるため、殴り合いの真っ向勝負に応じないこと。
    大介さんは、来季はその点を修正して、2024-2025シーズンに臨んで来るであろう。来季のMリーグは、大介さんが、BEAST旋風の中の台風の目になることは間違いない。

確率を超えた恐るべき強さ
 
  大介さんは、アマチュア著名人枠で出場した、麻雀最強戦2019で優勝している。その後2024年まで6年連続で、ファイナル進出を果たしている。ファイナルに進むには、8分の1の予選を勝たねばならない。2020年はディフェンディングチャンピオンだっため、予選には出なかったが、それ以外の5年間は、8分の1の予選を勝って出場を決めている。確率で言えば、8の5乗分の1=32,768分の1である。天和、地和の出現確率の約10分の1だ。大介さんは、ベテランのトッププロでも、不可能に近い偉業をやってのけている。

自団体での驚異的な躍進
     大介さんが2023年、日本プロ麻雀連盟にプロ入りした時、アマチュア時代の実績を評価されて、B2リーグからスタートしているが、初のリーグ戦を4位で終え、B1リーグへの昇級を果たした 。そして、そのB1リーグでは、A2リーグへトップ昇級を果たしている。
    日本プロ麻雀連盟は、他団体と比べてプロの在籍人数が最も多いため、ピラミッドの裾野が広い。つまりは、選手層が厚いのである。だから、たとえ実力があり、過去にG1タイトルを獲っていても、昇級がままならないプロが多数存在するという現実がある。

    大介さん本人は自団体の最上位である、A1リーグ入りを最短で目指しているが、この難業は大介さんの実力を以ってすれば、かなり現実的な話である。
    自団体のリーグ戦で、好成績を残しているのは、やはり連盟のルールに起因する。日本プロ麻雀連盟のリーグ戦のルールは、昔の競技麻雀のルールを踏襲し、一発、裏ドラといった偶然性を排している。つまり、実力者にとっては、有利なルールなのである。
  大介さんの強さは、雀鬼流が麻雀の根底にあり、更には、将棋の棋士の頭脳を持っている処にある。将棋のプロ棋士の頭脳は、我々凡人とは比べ物にならない。CPUの性能で例えると、処理速度は一万倍以上か?
     大介さんは一局、一打に必ず読みを入れる。盤上を俯瞰する棋士の目で、卓上の河を睨み、積まれた山と相手の手牌を読む。そして、勝負の流れを読む。その読みの精度は高い。だからと言って必ずしも勝つことができないのが、麻雀という競技の特性ではあるが。
    運要素が強い麻雀という競技において、大介さんの無双モードが、常時発動する訳では無い。我々凡人が大介さんという化け物を攻略するカギは、如何に運を自らに取り込み、それを制御するかという一点に係っている。
    片山まさゆき先生は、自身の漫画のキャラクターに、自説を述べさせている。ツキの管理も麻雀プロの仕事のひとつだ・・・と。

桜井会長と大介さんへの想い
    男なら誰でも強い者に憧れる。野球少年が、大谷翔平選手に憧れるように。僕にとっての大谷翔平は、30年以上前から、桜井章一会長 ただ一人である。
    最近 桜井会長は二度目の引退を宣言された。もう麻雀を打たれる事は無いということだろう。誠に寂しい限りである。
   で、あるからこそ、桜井会長の愛弟子である大介さんに、雀鬼流麻雀の真髄を、Mリーグという舞台で、BEAST選手の一員として、魅せて欲しいと心から期待している。

   思わせぶりなタイトルへの核心に迫る時期の到来遅延は、まだまだ続く。。

                                                                     to be continued.  

   


    




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?