2020/12/12 - 12/25

404 not foundから、ほさきさんへ

2020/12/12(土)
散歩がてら、パン屋さんまで行き、サンドイッチと食パンを買いました。
食パンには10%引きのシールがはられており、Covid-19が感染拡大する前は見たことのない景色だと思った……などと目に見える影響をつい書き連ねてしまいますが、あまり……なんていうんでしょう、よくないのかも、と思ったりもしました。思考不在のアフターないしウィズといった文言が引き出されるまであと少し、みたいなかんじがして。
歩きながら、木曜はサンドイッチの日だったことを思い出しました。幼稚園の頃の話です。キリスト教系の幼稚園に通っていたので、近くの教会まで行ってお祈りをし、それからお昼にはサンドイッチを食べる、のが木曜日でした。教会に行かない日も、朝や午後のお祈りはありましたが、その文言は少しも覚えていません。ただ、木曜日がサンドイッチであったことだけはよくよく覚えているのです。
そういう幼少期の経験がいまに影響を与えているかどうかはわからないのですが、いまも病院へ行った帰りには必ずパン屋さんに寄るし、絶対にサンドイッチを買うので、わたしにとってはなにか特別な食べものなのでしょうね。

午後は今年最後の陶芸へ行きました。今は鍋敷きを作っていて、乾燥させる手前までやってしまいたかったですが、時間切れで仕上げられませんでした。つづきは来年に持ち越しです。

2020/12/13(日)
偶然に出会い、大好きになってしまったマレーシアのアーティストKamwei Fong氏のプリントを買えることに気づいてしまいました。どうしよう、もうお迎えするしかありません。今月は必要に迫られてこまごまと買いものをしてしまったので、購入は少し先に、なんて言いつつ、次の瞬間にはぽちっている可能性もあります。
そんなかんじで唸りながら、この交換日記のお引越しに向け、作業を進めていました。これまで公開した分はちゃんと流しこめたので、早く公開したいものです! yenさんも確認してくれてありがとう。無事公開までいけるといいですね。

あとわたしの名前について。ご快諾いただきありがとうございました。
これでわたしも正式に、というのも変ですが、404 not foundです。誰かがわたしを「ひらた」だったり「ゆう」と呼ぶのはぜんぜんかまわないと思っていて、自由に呼んでほしい。わたしがわたしをどう呼ぶか、ということにわたし自身だけがこだわっている、という話なのだとも思います。

2020/12/14(月)
今日は寒かった。あまりのさむさに凍えました。
yenさんが書かれていた呼吸の話。どちらが先かわからないのですが、精神状態が芳しくないときほど呼吸は浅くなっているように思います。呼吸が浅くなってるな、と気づけたときはできるだけ深く息を吸うようにはしていますが、なかなか深呼吸ってむつかしいのですよね。吸いたいと思っても、さして身体は思い通りには動いてくれません。

2020/12/15(火)
ずっと里帰りできていないので、甥にクリスマスプレゼントで欲しいものがあるかと聞いてみたところ、「化粧品」と返ってきました。メンズメイクの話題はちらほら見かけるようになりましたが、思っているよりも浸透しつつあるようです。

2020/12/16(水)
朝、カーテンから差し込む陽の色に、楽しい気持ちになりました。
ここ数日の冷え込みはつらいですが、このひかりは冬の間だけ見られるものだなと思います。

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『sky』は今日の夕方のアップデートで、ホーム画面にスケートリンクが登場するようになりました。星の子がすべってくるくるしているのを見ているとかわいいものだなあと胸がふわふわします。

2020/12/18(金)
スーパーに行ったら柚子が売っていました。もう少しで冬至だからですね。
今日は本当に寒くて、家に帰り着くころには冷え切っていたので、さっそくお風呂に柚子を浮かべてはいりました。
2か月くらい前から献立と食材がセットで届く宅配サービスを使いはじめました。以前から自炊にチャレンジしては、やり切れずに食品ロスをしてしまうのが、ちょっとした重荷になっていたのですが、このサービスを利用しはじめてから、無駄な買い物が減り、食品ロスをすることもなくなり、と良いことづくめです。(こういうサービスは高いというイメージがありますが、3人分の食費を考えると出費的にもさして変わらないのです)
ただ、今日ふと、不意に柚子に出会うとか、そういうことはないんだよなあ、と思ったりしました。生活のなかで、できないことは便利なサービスを頼るで良いと思うのですが、偶然の驚きや楽しさを手放している部分もあるのかも、とも思いました。まあ、いま利用しているサービスもあらかじめ献立を確認していないので、「おや今週はこれかあ!」という部分での楽しさはあります。こうやって書いていると、わたしはどうしても「驚きたい」みたいな気持ちがあるみたいです。

#戴極国七十二候」のタグは、わたしは途中で短歌を作れなくなってしまい、見るほうにまわってしまいましたが、みなさんの創作を楽しく見ています。そして、以前は暦と実際の季節はズレているような気持ちでいましたが、実際には暦通りなのかもしれない。冬至を過ぎれば陽の長さがふたたび伸び始める。そうすると寒さはあれど、次第に春の気配がしてくるようにも思います。

ほさきから、404 not foundへ

2020/12/19(土)
木曜日に英国俳優のイアン・マッケランが、今朝はアメリカの副大統領が公開の場でワクチン接種をしたというニュースが流れてきました。この猛烈なスピードでの対応による弊害もまたある、のかもしれませんが、目の前の現実とのギャップに現実味が湧きません。
最近はニュースを見たあと「ZARAの餅アトリエ」と、おまじない代わりによく呟いています。餅アトリエ(A Mochi Atelier in Tokyo)というなんともつっこみがいのある名称の香水は洋梨、お米、サンダルウッドの香りがするそうで、日なたで溶けるすあま(fromプリンタニア・ニッポン。食べ物ではない)もそんな香りがするのかなあ……と想像しているうちにほんのり気持ちが上向きます。

月1でお会いしているAさんとクリスマスプレゼントを交換しました。よく行くコーヒーショップは少し前からカウンター席が一人分ずつ透明な壁で仕切られるようになっていて、サンタ役として朝から張り切っていた小さいうさぎが頭突きをしていました。
親戚との会合も難しくなり、かといって外出にも躊躇ってしまう年末年始はぽっかり空いてしまった穴のようで、どうやって過ごそうかあまりアイデアは浮かばぬまま、素敵な指輪を見せてもらったり『羅小黒戦記』に出てくるお菓子を買ったりしました。

2020/12/20(日)
テレビ放映していた『鬼滅の刃』を途中から見ました。ギャグパートの多さにびっくりし、ネット空間で見かけた各種コラージュ画像の元ネタはこれかと腑に落ち、主人公達が会得しようとする全集中の呼吸が「なんかとてもすごい腹式呼吸」にしか見えなくて、納得しつつ困惑していました。
呼吸といえば以前、深呼吸をしようとしたら、まず吸うのではなく吐きなさい、と言われたことがあります。「吸って、吐いて」と言うからみんなまず吸おうとするけれど、全部吐き切れば自動的に息は入ってくるのだと。呼吸の話なのですが呼吸以外の話をされているようで(この手の話はどうもそうなりがちです)覚えています。

2020/12/21(月・冬至)~22日(火)
「ご自由にお持ちください」と、小さな柚子二つずつを詰めたビニール袋を盛った籠を見かけたので、有難く頂戴しました。十二国記の世界では昇山の始まる日ということで「中日までご無事で」タグのイラストを楽しく眺めました。そういえばメール配信された短編、404さんは読まれましたか。
ずっと長テーブルに置かれていた職場の消毒液は、今朝くると足踏みスタンドに置き替えられていました。

イギリスの劇場The Old Vicで上演された「クリスマス・キャロル」のライブ配信を見ました。ハンドベルと弦楽の生演奏、そして歌とともに始まる舞台は、おそらく音楽劇と呼んだ方がよいのでしょう。
クリスマス、ポーランドでは招かれざる霊のため食事を一人分多く準備する。ノルウェーでは魔女達が飛べないよう箒を隠す……。上演前の、役者達によるクリスマスに因んだ三択クイズを見ながら、そういえばクリスマスとは冬至のお祝いと一体化したものだったと思い出しました。イギリスではクリスマスの夜に家族で怪談話をする習いがあり、「クリスマス・キャロル」もそうした怪談の系譜に連なるものです。もっとも夜が長く暗い夜とは、死者達の影がもっとも近づいてくる夜でもある。だからこそ光を灯し奇跡を寿ぐ、ということなのかもしれません。

病に倒れる幼い子を見ても「誰だって病気にはなるものだ」「私はひとかどの人物(great man)なんだ」と嘯いていたスクルージは物語ラスト、クリスマスだ、おめでとうと叫びながらロンドンの市場へ駆けていく。オレンジが転がり鳥の丸焼きが飛ぶ(ワイヤーに吊るされて滑空してきました)映像に重ねて、イギリスのフードバンクについての案内が表示されていました。貧困問題とクリスマスの奇跡、何より少人数で上演できることから、この冬「クリスマス・キャロル」の上演は例年より多いのだそうです。
Old Vic版「クリスマス・キャロル」はスクルージという有害な男性性の被害者が、主に女性たちの助けにより解放される話としても演出されていたと思うのですが、その意味では鎖に繋がれたマーレイの霊が最後再び登場し、キャロルを歌う展開は救いがあって好きでした。

医療緊急事態宣言が出されました。Twitterのタイムラインでは先週末から、家や収入を失くした人を助ける取組についてのリツイートが増えてきた気がします。

2020/12/24(木)
不起訴となった安倍元首相が桜を見る会に関するこれまでの国会答弁について、訂正依頼の文書を提出したというニュースを見ました。つまり、彼の父親の代から仕えていた61歳の公設第一秘書は切り捨てられたのだ、というtweetを見かけてすっと冷えるものがありました。

クリスマスイブ、ということで最寄り駅の駅ビル内のお菓子屋さんとチキンを売る総菜屋は職場から帰ってくる時間帯、そのすべてに行列ができていました。家の近くのコンビニ前にも自転車がずらりと停められ、予約していたケーキを受け取ったのだろう人達が荷物を載せて帰っていました。おそらく明日もこんな感じなのでしょう。職場へ行く人の数は6月以降、ずっと変わっていない気がします。
東京の感染者数は今日888人、最大人数を更新しました。気象予報士のtweetによれば年末年始の寒波は先日の豪雪並みの厳しさになるそうで、少し寄付をしました。寄付を定期的にする友人達が、これは自分のためにしているのだと言うのにこれまであまりぴんと来ていなかったのですが、今はとてもわかる気がします。日本でも寄付文化は定着していくのだろうかと思いつつ、個人的にはいつも政治への悔しさがあります。

1日から楽しんでいたロイズのアドベントカレンダーは今日で終わりなので、うさぎ達は昨夜から少しさびしげです。シュトーレンと蜜柑はまだあるのだから問題ないのでは、という言い分は速やかに却下されました。

2020/12/25(金・クリスマス)
朝、サンタからうさぎ達にケーキが届いていました。

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職場では夏頃のミスが今になって発覚し、大慌てで対応していました。ひええええ、という気持ちと、あーこの頃って緊急事態宣言解除&在宅勤務終了からの職場の制度変更で心身ともにへばっていた頃であるなあ……と、早めの回想モード兼オプソヨな気持ちになっていました。ちなみに仕事は28日まであります。
答弁訂正について安倍元首相が国会で答弁したようですが、タイムラインで見る概要だけでおなかいっぱいで、見る気になれずにいます。


この交換日記をnoteに書くのもこれが最後になります。あさのますみさんの連載消滅の件を見てさすがにもう引っ越そうかという話になったのですが、すぐに新しい場所を作ってくださってありがとうございました。今年は英語圏のコンテンツでstay healthy and peaceful、という挨拶をよく見かけて好きだったのですが、このお引越しもhealthyに生きるための、ということになるでしょうか(とはいえこれはもちろん、お引越ししない方を批判する趣旨ではありません)。

404さんもこれを読んでいる方もどうぞよいお年を。そして中日までお互いどうぞご無事で。


※交換日記は年末年始はお休みし、1月中旬に新しい場所で次の交換日記の記事及びこれまでの記事を合わせて公開する予定です。

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