見出し画像

イラストを描き始めて1年の集大成イラスト制作過程まとめ

 イラストを描き始めて1年が経ちまして。
 この1年、数え切れないほど多くのことを学びつつ、(pixivに投稿したもので数えれば)50以上の作品を制作しては公開してきました。

 そこで、この1年の集大成となる一枚絵を描こうと。
 目標は、9月と12月に描いたイラストを超えた、という実感が得られるかどうか。

画像1

画像2

 そんなわけで今回は、その一枚絵の制作過程の記録です。

構想・構図

 今回のメインとなるのは、やっぱりウチの子の3人。
・月白の君(以下:月白(つきしろ)さん)
・赤銅の徒花(以下:徒花(あだばな)さん)
・滅紫の幻影(以下:紫(ゆかり)さん)

画像3

 この3人については、過去記事にて簡単に紹介してあります。

 そしてサブ。
 どんな要素を盛り込んで画面を飾るか、ということで書き出してみるとこんな感じ。

・月(でかい)
・鳥居(でかい)
・摩天楼(五重塔みたいな)
・骸骨(でかい)
・狐(九尾)

 5つある要素のうち3つの補足事項が『でかい』って語彙力……。
 さておき、メインとサブの要素をどう配置するか、かなり簡単に描いてみました。

画像4

 pixivの過去絵見ると分かるんですけど、私、だいたい縦長キャンバスで描いてまして。
 ただ、今回は横長にしようかな、と。
 2月の上旬あたりに、今回描く集大成のイラストの構想が浮かんで、珍しくアナログでスケッチしたものですから。

画像5

 ある程度各要素の大きさや配置が決まったので、シルエットを出してみました。

画像6

 線が重なってかなりごちゃごちゃしてますが、まあこんな感じになるのかな、と。
 イメージとしては、ゲームのキービジュアル、みたいな。
 スマホゲームで例えるなら、ストアページで見られるゲームのイメージ画像とか、ロード画面で出るイラストとか、そんな感じに。

構想・構図その2

 上記の案を描き進めているうちに、「はて?」と思うことがありました。
 塔を5つ入れているわけですが、これパースってどうなるんだろう? と。
 ぶっちゃけパースをあまり気にせずに描き進めていってもいいかな……とは思ったんですけど、だんだん違和感が強くなっていきました。

 そこで案2つ目を。

画像7

 1つ目の案はモチーフをただ並べているだけ、みたいな感じがあったので、メインの3人がいる世界観はどんなものか? という視点で考えてみました。

 でかい月に照らされる、常夜の世界。
 和風な古都っぽい街並み。
 その出入口となる鳥居。
 ……みたいな。

 骸骨と狐はなしで。
 2案目を考えた時点では、その2つを入れる構図が思い浮かばなかったので。

構想・構図その3

 2案目を描いた翌日。
 なかなか納得がいかない、と言いますか。
 1案目と2案目のどちらかに決めて描き進めることもなく、pixivやpinterestでひたすらイラストや写真などを探し回っていました。
 横長キャンバスで、キャラあり・背景ありのイラストだと、どんな構図ならいいのかな、と。

 で、探し回っているうちに描いた3案目がこちら。

画像8

 迫力重視。

 でも真ん中にでかい塔を置いてしまったせいで、圧迫感が出て息苦しいのでボツ。

 なぜ描いた……となるんですけど、描いてみないと分からないことっていうのが割とあるので。
 実際に描き出してみると、頭の中のイメージと実際に見たときの印象に差が出たりします。
 だからその確認作業をする、みたいな。

 前述にあるように、描き出してみてようやく圧迫感がある、と分かったくらいなので、描いてみた価値はありました。

構想・構図その4

画像9

 4案目。

 割とすっきりした構図になりました。
 3案目みたいな息苦しさもなく、入れたい要素もちゃんと入れられました。
 配置としては、メインの3人が近景、鳥居が中景1、羅生門みたいな大きな建物と骸骨が中景2、塔と狐が遠景1、月が遠景2です。

画像10

 なんか好きな感じがしたので、配置とか色々変えてみました。

 中景の建物のラインをしっかり斜めにして、画面にメリハリを。

 それから、パッと見たときの視線を月白さんの顔に持っていきたいので、その周りはなるべくスペースを開けるように。
 問題点として、右側の真ん中、徒花さんの後ろになにか入れたいな、と。
 そのスペースが埋まれば画面全体の粗密感としてのバランスが取れる……と考えました。

画像11

 若干修正を。

 鳥居の位置、大きさを微調整して、狐が乗った塔を右側に。
 中央にスペースができるので、雲を追加。
 すると鳥居の外側がより暗い印象になるので、月白さんの顔周りが強調されるんじゃないかな、と。

画像12

 下描きにベースカラーベタ塗りしたメインの3人を加えてみました。
 さて、構想・構図はこれである程度完成です。
 ここから、描き進めながら色々と微調整していくことになるんじゃないかな、と。

下描き・完成のイメージ固め

 メインの3人と背景を描き進める前に、仕上げで行う影や光、エフェクトを描き加えて、完成のイメージを固めていきます。

影(全体)

 シチュエーションは夜、ということで、画面全体を暗くします。

画像13

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算。
 明度70%・彩度50%の、水色寄りの青色で塗り潰しました。

 次にレイヤーマスクをかけて、月の光が当たって明るくなるであろう部分を消します。
 マスクで消した部分を通常レイヤーで表示すると、こんな感じに。

画像14

 このとき、月の色合いを変更しています。
 影をつけてみたら、鳥居との明暗差が出て、パッと見たときの視線がそちらに向かいやすくなると思ったからです。

 ここからさらに、メインの3人を、背景になじませながら目立たせるために調整します。

画像15

 3人を選択範囲として指定したあと、透明水彩ブラシを使って、ふんわりと影を薄めました。

画像16

 徒花さんは他2人よりも目立つ衣装を着ているので、影をあまり消しすぎないようにしました。

光(人物)

 3人のシルエットを強調するために、エッジライトを入れます。

画像17

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは覆い焼き(発光)。
 色は明度60%・彩度30%の黄色。

 月の光が画面右後方から差していることを踏まえながら、適度に。
 現実的に考えると、3人の月との距離には大した差はありません。
 ですが、画面的に月に近い徒花さんは逆光ぽく多めに、一番遠い紫さんは月がある側の輪郭を中心に少なめに光を入れています。

影(建物)

 全体に影をつけましたが、建物(大きな門と塔)に対する視線誘導の優先順位を落とすために、もう1つ影をつけます。

画像18

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算。
 建物だけを指定して、選択範囲を指定します。
 ただ、各要素を別々で描いているため、他のものも選択範囲の中に巻き込んでしまいます。
 そこで、建物以外の要素を選択して、選択範囲の削除を行います。
 すると、今画面で見えている大きな門と塔だけで範囲がつくられます。
 そして明度80%・彩度40%の紫色で塗り潰し。

画像19

 さらにレイヤーマスクをかけて、月光が当たっているであろう部分を消します。

 これでさらに、視線が画面中央へと向けられるようになったんじゃないかな、と思います。

光(建物)

 建物に影をつけて優先順位を落としましたが、メリハリを出すためにエッジライトを加えます。

画像20

 新しいレイヤーをつくって、合成モードはオーバーレイ。
 色は明度90%・彩度20%の、橙色寄りの黄色。
 大きな門の屋根、塔、鳥居、壁の縁に、そこまで目立たない程度に。

エフェクト(人物)

 9月に描いたイラストでは、あまり目立ちませんが、徒花さんと紫さんにエフェクトが加えられていたので、今回も加えます。
 あと、月白さんも最近剣が光るようになったので、今回も光らせます。

画像21

画像22

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算(発光)。
 明度50%・彩度50%の黄色で、オーラみたくまとわせました。
 あと、不透明度を65%に下げています。

画像23

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは覆い焼きカラー。
 色は先ほどと同じ。
 ブラシは仕上げパーティクル。

 あくまで下描き段階で、完成のためのイメージ固めなので、後々調整・修正することになると思います。

 次に徒花さん。
 左手の下に炎の輪を。

画像24

 ここから新しいレイヤーをつくりながら、色を重ねて炎っぽくしていきます。
 炎の輪を描くレイヤーの合成モードは、すべて加算(発光)です。
 ブラシはblack flame。
 明度50%・彩度80%の赤色で、つぶれた楕円を。

画像25

 次に明度60%・彩度80%の、赤色寄りの橙色。
 ブラシサイズを小さめにして、最初に描いた輪に重ねるように、また輪を描きます。

画像26

 次に明度60%・彩度80%の黄色。
 またブラシサイズを小さくして、重ねるように輪を描きます。
 これで炎の輪は完成です。

画像27

 噴き上がる炎を加えました。
 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算(発光)。
 炎の輪を描く際に使った3色を重ねています。

 次に紫さん。
 9月のイラストでは、白い吐息とかなり目立たない感じだったので、今回は足下に氷を加えることに。

画像28

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは通常。
 色は明度90%・彩度20%の、青色寄りの水色。
 デッサン鉛筆を使って氷のシルエットを描きます。
 下から上に描いて、透明色で削って形をつくりました。

画像29

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、氷のシルエットを描いたレイヤーにクリッピング。
 今度は氷の影です。
 色は明度90%・彩度20%の、水色寄りの青色。
 ブラシは同じ。
 氷の下側、影ができるだろう部分を塗りました。

画像30

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、クリッピング。
 さらに暗い影をつけます。
 色は明度50%・彩度10%の水色。
 ブラシは同じ。
 氷のより暗く見える部分を描きました。

画像31

 あたらしいレイヤーをつくって、合成モードはオーバーレイ、クリッピング。
 氷の光が当たっている部分です。
 色は明度90%・彩度20%の青色寄りの水色。
 ブラシは同じ。
 月光が当たっているだろう部分を塗りました。

画像32

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、クリッピング。
 周囲の色合いになじませるために、影をつけます。
 色は明度70%・彩度50%の、水色寄りの青色。
 全体にかけた影と同じ色。
 そしてレイヤーマスクをかけて、透明水彩ブラシで上のほうが明るくなるように調整しました。

画像33

 新しいレイヤーをつくって、合成モードはスクリーン。
 口から漏れる白い吐息です。
 色は明度90%・彩度40%の水色。
 ブラシは曇天。

画像34

 新しいレイヤーをつくって、合成モードはスクリーン。
 吐息の周りに細かい光を。
 色は明度100%・彩度30%の水色。
 ブラシはdust 密度薄目。

 これだと引いてみたときにかなり目立たないので、後々調整します。

画像35

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算。
 冷たさを出すために、氷と息に白い靄みたいなものを加えました。
 色は明度100%・彩度30%の水色。
 息の光で使ったものと同じ色。
 ブラシは透明水彩ブラシ。
 ブラシで色を置いたあと、透明色で柔らかく消して整えています。

エフェクト(サブキャラ)

 背景に混じっている、でかい骸骨と狐にもエフェクトを加えます。

 まずは狐から。
 かなり小さくて背景に埋もれているようなものなので、「なんかそこにいる」感を出すために、尻尾に怪しい感じの炎を灯します。
 そこまで大事な要素でもないので、レイヤーモードや色は省きます。

画像36

画像37

 次に骸骨。
「なんかこっち見てるやばいヤツ」感を出したいので、眼光と、瘴気みたいな吐息を加えます。

画像38

画像39

画像40

描き込み

 ある程度全体のイメージが固まったので、完成に向けて各要素を描き込んでいきます。

背景

画像41

 今回のメインはキャラクターなので、背景の建物は「なんかでかい建物がある」「塔がある」と分かる程度に描き込みます。
(私自身、建物を描く経験値が足りなさすぎるのはさておき)

 建物の制作過程については以下の通り。

画像44

 下描きでシルエットを取ります。
 パース定規や特殊定規など、使えるツールは片っ端から使って、「たぶんこうすれば描けるはず」と思える、あらゆる手段を総動員して、です。
 もちろん、ポータルサイトでの画像検索やピンタレストで参考になりそうな写真を探して、それを見ながら作業を進めました。

画像45

 下描きのシルエットに沿ってベースカラーを置きました。
 とりあえず大まかに、どこに、どんな形で、どんな色が置かれているか、を考えながら、ツールなどを使って描き進めました。

画像46

 ベースカラーの上に新規レイヤーをつくって、合成モードは乗算。
 グレースケールで陰影をつけて質感を出します。

画像47

 陰影をつけたあとはディテールを。

画像48

 あくまで背景の要素の1つなので、清書の線画を描いてカッチリとした印象にはしていません。

 そして骸骨と鳥居を。

画像42

画像43

 骸骨は描き慣れていないのと、特に胸骨の重なりが難しく感じたので、下描きをして、清書の線画を描きました。
 鳥居は何度か描いたことがあるので、建物を描いたときと同じ方法で描き進めました。

人物

 背景ができたので、メインの3人の清書をします。

画像49

画像50

画像51

 おまけで使いたいので、一枚絵とは違うファイルで描き進めました。

 背景を透過状態にしたPNGファイルとして書き出して、一枚絵のファイルで読み込みます。

画像52

 キャラクターの制作過程については以下の通り。

 線画の清書をして、ベースカラーでベタ塗りします。

画像53

 陰影をつけて質感を出すために、新しいレイヤーでグレースケールを描き込みます。
 これはベースカラーの上に置いて、合成モードは乗算にします。

画像54

 グレースケールを乗算で重ねると、明度99%以下の色が塗られている部分は暗くなります。
 すると肌の色がくすんでしまうので、さらに上に新しいレイヤーをつくって、肌色の調整をします。
 合成モードはオーバーレイ。

画像55

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算。
 グレースケールで陰影をつけましたが、さらに影を加えます。
 足の前後感を出したり、落ち影を強調するために、明度と彩度が高い青色を塗ります。
 右足、左脇、首元に青色の影をつけています。
 また、別レイヤーをつくって、シャツの色をかなり淡い青色にしました。

画像56

 また上に新しいレイヤーを2つつくります。
 1つはオーバーレイ、1つは覆い焼き(発光)。
 オーバーレイのレイヤーで、左足とネックレスを明るく調整しました。
 さらに覆い焼き(発光)のレイヤーで、ネックレスに光沢をつけています。

画像57

 新しいレイヤーを2つつくります。
 1つはオーバーレイ。
 髪全体の色が暗くくすんで見えるので、明るくして調整しました。
 もう1つはハードライト。
 髪に水色のハイライトを入れました。

画像58

 新しいレイヤーをつくって、合成モードはオーバーレイ。
 剣に青味を加えます。

画像59

 ここまで終えたあと、線画の色トレスを行います。
 ベースカラーの時点からすでにできてしまっているので、今回は順序が逆になってしまっていますが。
 また、瞳の描き込みもベースカラーに含んでいます。

仕上げ

 メインの3人、背景の描き込みが終わったので、いよいよ仕上げに入ります。
 下描き・完成のイメージ固めで描き込んだ内容を修正・ブラッシュアップしていきます。

影(全体)

画像60

 全体に入れていた影を修正しました。
 レイヤーマスクで、月の周りの空を明るく、その他の要素は弱めの逆光気味に消しています。

光(背景)

画像61

 背景にかかる光を全体的に調整しました。

 まずは月光。
 月白さんの顔周りが特に明るくなるよう、あえて彩度と明度を上げてみました。

 それからエッジライトを調整。
 背景の要素の輪郭を際立たせたい部分を主に、やや控えめに加えてみました。

 また、塔に色調補正をかけました。
 彩度を落として、明度をやや上げることで、より遠くにあって霞んでいるような印象にしてみました。

エフェクト(人物)

画像62

 下描き段階では、どことなくパッとしない印象だったので、各エフェクトを大幅変更しました。

 見た目は変わっていますが、やっていることはほとんど変わりません。

 まずは月白さん。

画像63

 新規レイヤーをつくって、合成モードを加算(発光)に。
 怠け者ブラシの絵の具量・絵の具濃度を下げてブラシを柔らかめにします。
 剣よりやや広めに形を取りながら塗り潰します。
 明度90%・彩度40%の黄色を使っています。

画像64

 塗り潰したままだと剣のシルエットが見えなくなるので、レイヤーマスクをかけて調整します。
 透明水彩ブラシで、光の縁を残すように、内側を消しました。

画像65

 最後に、発光する光から浮かび上がる燐光を加えます。
 新しいレイヤーをつくって、合成モードは覆い焼き(発光)。
 ブラシは仕上げパーティクル。
 色は明度80%・彩度30%の黄色。

 そのあと、燐光を描いたレイヤーを複製して、ガウスぼかしをかけます。
 ぼかす範囲は20%あたりです。

 次に徒花さん。

画像66

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは通常。
 炎の大きなシルエットを描きます。
 イメージとしては、左手の下に炎が収束する、といった感じです。
 ブラシは怠け者ブラシで、絵の具量と絵の具濃度を30ほどにして柔らかめに。
 色は明度80%・彩度80%の赤色。

画像67

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは通常。
 ブラシもその設定も同じまま。
 色は明度90%・彩度80%の橙色。

画像68

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは通常。
 色は明度90%・彩度50%の黄色。

画像70

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算(発光)。
 主に黄色の面積が大きい部分を中心に、色合いをより明るくしました。
 ブラシは透明水彩。
 色は明度80%・彩度80%の赤色。

画像69

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算(発光)。
 舞い散る火の粉を加えました。
 ブラシはトーン削りと戦場ブラシ。
 色は明度80%・彩度80%の、赤寄りの橙色。

画像71

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算。
 炎に暗い部分を加えて、前後感をつけてみました。
 ブラシは怠け者ブラシで、柔らかめの設定に。
 色は明度70%・彩度0%の灰色。

 次に紫さん。

画像72

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは通常。
 体や武器を取り巻く氷の茨をイメージしたシルエットにしてみました。
 ブラシはデッサン鉛筆。
 色は明度90%・彩度20%の水色。

画像73

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、下のレイヤーにクリッピング。
 氷に淡い影を加えます。
 ブラシはデッサン鉛筆。
  色は明度90%・彩度20%の水色寄りの青色。

画像74

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、下のレイヤーにクリッピング。
 さらに濃い影を加えます。
 光が当たってなさそうな部分や、前後感を出したい位置に塗りました。
 ブラシはデッサン鉛筆。
 色は明度50%・彩度20%の水色。

画像75

 新しいレイヤーをつくって、合成モードはオーバーレイ、下のレイヤーにクリッピング。
 氷の光が当たっているであろう部分を明るくして、濃い影に色味を加えてみました。
 ブラシはデッサン鉛筆。
 色は明度90%・彩度20%の水色。

画像76

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは乗算、下のレイヤーにクリッピング。
 氷を背景になじませるために、もう1つ影を加えました。
 また、光が当たってそうな部分は消して明るくしています。
 色は明度80%・彩度60%の水色寄りの青色。

画像77

 冷たさを演出する白い靄や吐息、細かい光を加えました。

 白い靄は合成モードを加算にした新しいレイヤー。
 ブラシはエアブラシ(柔らかめ)。
 色は明度100%・彩度30%の水色。
 あまり濃く塗りすぎると発光感が強くなってしまうため、ぼんやりとした感じになるように、かなり薄めに調整します。

 吐息は描き直していません。
 位置だけ微調整しています。

 細かい光は合成モードをスクリーンにした新しいレイヤー。
 ブラシはdust 密度薄目。
 色は明度100%・彩度30%。
 引いて見るとあまり目立ちません。
 なんか入れておきたい、という個人的な好みです。

 3人のエフェクトの変更に合わせて、全体にかけていた影も調整しました。

画像78

 月白さんと徒花さんは、エフェクトによる発光感が強くなるため、全身にかかっている影のほとんどを消しています。
 紫さんは氷による光の反射、みたいな感じで、影をあまり消していません。

光(人物)

 下描き段階で加えていた、メインの3人のシルエットを強調するためのエッジライトを調整します。

画像79

 さらに、各エフェクトから発せられる光を加えます。

 まず月白さん。
 剣を包む光が光源です。
 全身の大半から、全体にかけた影を消しているので十分明るいわけですが、もう少し明るくします。

画像80

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは加算(発光)。
 エフェクトを中心にやや広めに、柔らかく色を加えました。
 あまり濃くすぎると、とくにシャツの陰影が白飛びしてしまいます。
 ブラシは透明水彩ブラシ。
 色は明度60%・彩度30%の黄色。

 次に徒花さん。
 光源は左手の下にある炎です。

画像81

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは覆い焼き(発光)。
 炎に照らされると赤橙色が差すので、それっぽい感じにしました。
 色は明度90%・彩度80%の、橙色寄りの赤色。

 最後に紫さん。
 光源は氷による反射光。
 現実的にはあまりありえない現象だと思います。
 ですが、他2人に合わせて、あえて嘘の光を加えることにしました。

画像82

 新しいレイヤーをつくって、合成モードは覆い焼き(発光)。
 氷の白い部分、靄がかかっている部分の近くをほんのり明るくしました。
 色は明度60%・彩度0%の灰色。

完成

 最後に、神額(鳥居についている額縁)に文字を加えて完成です。

画像83

 それと、背景を若干修正しておまけを。

画像84

完成後の所感

 構想・構図を考えるところから、およそ3週間で完成しました。
 完成までの期間が長いか短いかといえば、長かったんじゃないかな、と。
 なかなか構想・構図が決まらなくて1週間近くかけてしまいましたし、背景の、特に建物の描き方に四苦八苦して時間がかかってしまったりと、体感的にも3週間とは思えないほど長い制作期間だったと思います。

 とはいえ、それだけ挑戦的に取り組んだ一枚だったとも思います。

 キャラクターイラストはそこそこ描けてきた感じがしますが、背景はまだまだ全然。
 建物もそうですが、人間以外のキャラクターもあまり描いてこなかったので、よい経験ができました。

 冒頭にも書いた、「9月と12月に描いたイラストを超えた、という実感が得られるかどうか」という目標。
 かなり大きく……とは言えませんが、それなりに超えることができたんじゃないかな、と。
 画面内に入れる情報量が増えた、とか、描き方が変わった、とか、そういった視点で言えば。

 ですが、完成させて数時間経つと、もっと違う感じにできたんじゃないか、って考えたりします。
 どんな感じにすればもっとよくなるのか、というイメージはまだ分かりません。
 だとしても、これを足掛かりに今後もっと画力アップを目指したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?