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この街が似合う男

 舟平さんことSAMさんがUMB栃木予選優勝を果たしました。心からおめでとうございます。現地で見届けることが出来て本当に良かった。ベスト64以降の判定はずっと怖くて、陪審員さん方の判定はハラハラしながら指を組んで眺めていました。
 楽しかったこと含め日曜の余韻が抜けてしまうのが嫌で、仕事に向かう最中に書き始めています。

 勝負事を見て涙が出そうになったのは、第100回全国高校野球選手権大会の金足農業以来です。あの時は試合を見る度、テレビの前で金足農業の勝ちをずっと願っていた。それくらい、今回のUMB栃木予選は毎勝負が手に汗を握るバトルでした。

 数ヶ月振りに色々なラッパーさんが集まる小箱のMCバトルに足を運んだ。前の地方でのMCバトルの時はライブのみだったので、割と気軽な気持ちで赴いてたのが一変、7/16は気が気じゃなかった。SAMさんとしてのバトル、舟平さんとしてのライブ。なんて贅沢な日を過ごせるんだと思っていたが、いざ当日になるとなぜか私が凄く緊張した。宇都宮駅に着いてから入った喫茶店のアイスコーヒーの味も分からないしお腹も空かなくて、ただただ気持ちを落ち着かせる為のタバコの消費だけが進んだ。

 SAMさんとしてのバトルを直接観るのは戦極29章以来。あの時は判定する側のオーディエンスでは無かったから、ただ彼の勝利を願っていた。だからかもしれない。判定する側のオーディエンスという立場で彼のバトルを見届けるから。それが凄く怖かった。

 私は良くも悪くもずっと舟平さんしか見てきていないので、他のラッパーさんの活躍具合が正直分からない。ただ、UMB栃木予選に出ていた方々がとてつもない人たちだったのは素人目でも解るほどだった。純粋に凄くて、飛び入り参加の人も含めて、栃木のシーンって熱いんだなって。これが栃木なんだって、物凄く喰らった。

お前は栃木を変えに来たんだろ?
俺は栃木を迎えに来たぜ

UMB栃木予選 決勝 SAM VS 怪士 より抜粋

 私は「舟平」としての彼から入っているので、「SAM」としてバトルに出ている姿を戦極29章とUMB栃木予選以外で見たことがない。ただ、動画サイトに残っている当時のバトルシーンを見ると、段々と研ぎ澄まされるライムに洗練された言葉の数々。烏滸がましいかもしれないが、栃木押韻伝道師の異名は伊達ではないことが本当に解る。

 言葉を選ばずして言うのなら、やっぱり誰よりも格好良かった。ここまでにどれだけ闘ってきて、傷付けて傷付いてきたんだろう。彼だからこその言葉の重さがあった。

 そして、彼が数々のバトルシーンの中で栃木のことを言ってきた理由が少なからず理解出来た。この人は栃木で救われて、栃木を上げていくために、栃木に恩返しするためにずっとレップし続けてきたんだと。それを踏まえての「栃木を迎えに来た」はとてもやばかった。語彙力が失われるほど、本当に胸に来た。

 12/26のUMB本戦、栃木がてっぺんを獲ってシーンを盛り上げて欲しい。栃木1番の負けず嫌いとして、誰よりも目立って欲しい。年末は彼の勇姿を見届けてから新年を迎えたいと思う。

 HIPHOPというジャンルに足を突っ込んで早数ヶ月、こんなに濃厚な日々を送れると思っていなかった。舟平さんに出会ってなかったら、今仲良くしている人たちとも出会えてなかったし、UMB栃木予選の後にみんなでカラオケで夜を明かすこともなかった。私の人生、これからもっと楽しくなりそうです。

 7/22の戦極30章、栃木9900万パワーズでまた栃木が盛り上がることを楽しみに豊洲に遊びに行きます。

 最後に、私を狂わせてくれてありがとうございます。最っ高のMCに出会うことが出来て、本当に良かった。

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