誰もが宇宙旅行を体験し、宇宙輸送を実現する時代の到来。
『地球は青かった』の名言で知られるガガーリンが、
1961年に人類で初めて宇宙に行ってから、60年が経った今、世の中は、
さらに宇宙に関する話題で盛り上がっています。
先日、2021年7月11日に、
ヴァージングループ創業者である英実業家リチャード・ブランソン氏が、宇宙に飛び立っています。
高度にして、約85kmまで上昇した後、約70分後に地上に帰還しています。
「地球の子供たちの皆さん。私もかつては夢のある子供で、星を見上げていました。そして今、私は素晴らしい大人たちと一緒に宇宙船にいて美しい、美しい地球を眺めています」
リチャード・ブランソン
リチャード・ブランソン氏は、
宇宙船の中からこのような呼びかけをされていました。
さらに、2021年7月20日には、
アマゾン・ドット・コム創業者であるジェフ・ベゾス氏が、宇宙に飛び立つ予定になっています。
過去にも、10名前後の方が民間人として宇宙に飛び立っていますが、その時の費用は約22億円とみられています。
これは、聞いた話ですが、
宇宙に向けて飛び立つ宇宙船に乗ってると、あるタイミングで燃料の爆発音が聞こえなくなるそうです。
理由は、宇宙船が音速を超えた瞬間に、音がついてこれなくなるからです。
この『音を置き去りにする』という体験、ちょっとワクワクしちゃいます。
最近、話題になっている宇宙旅行。
気になる費用は、いくらでしょうか。
話題になっている4つの宇宙旅行の概要です。
会社:ヴァージン・ギャラクティック
費用:25万ドル(約2750万円)
宇宙船: スペースシップ2
定員: 8名(乗員2名・乗客6名)
高度: 約80km以上
滞在時間:
無重力体験は約4分・総飛行時間は約2時間
会社:ブルーオリジン
費用: 非公開だが20万ドル(約2200万円)とみられる
宇宙船: ニューシェパード
定員: 6名
高度: 約100km
滞在時間: 無重力体験は約3分・総飛行時間は10~15分
会社: アクシアム・スペース
費用: 非公開だがISSまでの往復フライトは5500万ドル(約60億5000万円とみられる)
宇宙船: クルードラゴン(スペースX)
定員: 4名
高度: 約800~1200km
滞在時間: 地球周回旅行を3日間
会社: スペースアドベンチャーズ
費用: 3700万ドル(約40億7000万円)
宇宙船: ソユーズ
定員: 3名
高度: 約400km
滞在時間: ISSでの8日間滞在を含む10日間
無重力体験が、3~4分間の旅行でも、2000万円以上です。
まだまだ、一般の方には、手が届きにくい価格ですよね。
そんなロマン溢れる宇宙計画ですが、
ここ10年くらいで、いろいろな動きがあったようです。
宇宙といえば、アメリカというイメージでしたが、
最近の宇宙映画には、必ずと言ってよいほど、中国をイメージさせる場面が登場します。
第86回アカデミー賞で7部門受賞した『ゼロ・グラビティ』には、
中国の宇宙船が登場したりします。
個人的には、『ゼロ・グラビティ』は、ホラー映画のように感じてます。
映画を見た後は、『宇宙になんか行きたくない』っていう印象を持っちゃいました。
そして、マッドデイモンが主演を務める映画『オデッセイ』というものがあります。
簡単なあらすじとしては、『火星に取り残された人が自給自足で生き延びながら、地球からの救出を待つ』というものです。
この『オデッセイ』では、
特に、中国のイメージが大きくなりました。
火星に取り残されたマッドデイモンを助けるために、『中国に協力を要請する』シーンが登場します。
日本ではなく、中国なんです。
宇宙計画において、
中国の影響力が増してきていることが想像できますね。
そして、実際に、
NASAと中国は、火星探査機軌道データに関して、協力し始めたようです。
国をまたがって技術や機密情報を共有しあうことにより、いろいろなリスクを想定しているようです。
それでも、協力し合う必要があるくらい、宇宙計画を実現するためには、課題が沢山あるということだと思います。
そして、今、新たな形が誕生しています。
NASAは、2011年8月31日に、コストの問題もあり、スペースシャトル計画を終了した後、アメリカの宇宙飛行士打ち上げを中断し、ロシアの宇宙船に頼っていました。
この新たな形というのは、『NASAが宇宙船を開発するのではなく、民間企業に開発を依頼する』というものです。
民間企業は、将来的な宇宙旅行ビジネスを念頭に置きつつ、宇宙船を開発し、NASAは、それを活用することで、宇宙開発において、大幅なコスト削減を見込めることになります。
このような背景もあり、一般の方でも2000万円以上~で、宇宙旅行に行けるようになったというわけですね。
そして、期待されているのは、
単なる宇宙旅行のみではないようです。
宇宙空間を活用した大きなビジネスとして期待されているのが、
『サブオービタル飛行』による『二地点間高速輸送』というものです。
今回、リチャード・ブランソン氏が到達した高度85kmとうのは、地球の周回軌道には乗らない部分、つまり、宇宙と地球の境界になります。
このように、放物線を描くように飛び立ち、地上に戻る飛行方式を『サブオービタル飛行』と呼びます。
この『サブオービタル飛行』を活用すると、大気による摩擦や抵抗を受けないため、ものすごい速度で、人や物を運ぶことが可能になるそうです。
『人類は月面に基地を造り、人間を住まわせ、火星に人を送るべきです。』と言うイーロンマスク氏が率いるスペースXの構想によると、『世界中のあらゆる場所の移動を1時間以内に可能にする』とのことです。
例えば、飛行機でロサンゼルスからニューヨークまで、5時間以上かかるけども、それをなんと約25分で可能にするという話です。
これ、めちゃくちゃ凄いですよね。
これら『宇宙輸送』の事業は、
2040年には、日本の発着ベースのみでも、約5兆円規模の大きな市場になる可能性があるとのことで、今後に期待大ですね。
『宇宙開発』に関して、賛否両論の世の中ですけども、
過去に先人たちがビジョンを描き、リスクを取りながら実現してきたからこそ、今の世の中があると思っています。
そして、これからの未来は、今、誰かがビジョンを描き、リスクを取ることで、実現するのだと思います。
宇宙開発に名乗りを上げてる方々に感謝すると同時に、皆で応援していきたいものですね。
向山雄治
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