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タコジローくんと私。#1『さみしい夜にはペンを持て』(古賀史健)
この本を読み終えたとき、
「わたし、タコジローくんと一緒に旅に出てたわ」と思った。
キラキラの海のなかを、そばで泳いでいた。
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そしてそのキラキラにもう一度癒されたくて、2周目を読むことにした。
「今度は、私もペンを持って行かなくちゃ。
タコジローくんのように成長したいな」
そう願いながら。
*
読書旅行 1日目
タコジローくんとヤドカリのおじさんが出会うシーン。
タコジロー
「おじさんは、ひとりぼっちを知らないから、そんなこと言えるんだよ!」
ヤドカリのおじさん
「知ってるよ。
ひとりでいることのさみしさ。
ひとりでいることのありがたさ。
どちらもよく知ってるつもりだよ。」
私は、"ひとりでいることのありがたさ"というコトバにはっとした。
ありがたさ?
"ひとり=さみしい"としか、感じたことがなかった。
*
近ごろの私は「さみしい」と感じる日が増えている。
それは、体調不良で寝込む日が多いからだと思う。
妊娠8カ月。後期つわりに入るこの時期は、吐き気や貧血に悩まされる妊婦さんも少なくないと言う。
私も、すぐに休憩をしたり、家族にお願いをしたりしないと出来ないことが山ほどある。2歳の娘の思いを叶えてあげられず、申し訳なく思う日も多々。
「他の人はみんな日々の生活を頑張っているのに、自分だけひとり部屋で休ませてもらっている」という引け目が、頭から離れない。
タコジローくんも、そんな私と似たような想いを抱えていた。
(本当は学校に行かなくちゃいけないのに。僕だけ、こんな所に来て何をしているんだろう)
だから、タコジローくんの物語を見守りたくなった。目が離せなくなってしまった。
モヤモヤを抱えているタコジローくんに、ヤドカリのおじさんがかけたコトバたち。その中の表現。
"ひとりでいることのありがたさ"。
私は、このコトバの味わい深さがまだ、腑に落ちていないような気もした。
だけどそれと同時に、心の奥底で宝箱が開いたような、そんな不思議な気持ちにもなっていた。
*
「私の今の状況って、もしかしてすっごくありがたいものだったりする?
何かのチャンスなのかな?
この本を読んでいけば、気づける何かがある?」
そんな問いをもって、
タコジローくんとの旅を続けようと思う。
つづく。
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