見出し画像

タコジローくんと私。#1『さみしい夜にはペンを持て』(古賀史健)


この本を読み終えたとき、
「わたし、タコジローくんと一緒に旅に出てたわ」と思った。

キラキラの海のなかを、そばで泳いでいた。

そしてそのキラキラにもう一度癒されたくて、2周目を読むことにした。

「今度は、私もペンを持って行かなくちゃ。
 タコジローくんのように成長したいな」

そう願いながら。



読書旅行 1日目

タコジローくんとヤドカリのおじさんが出会うシーン。

タコジロー
「おじさんは、ひとりぼっちを知らないから、そんなこと言えるんだよ!」

ヤドカリのおじさん
「知ってるよ。
 ひとりでいることのさみしさ。
 ひとりでいることのありがたさ。
 どちらもよく知ってるつもりだよ。」

さみしい夜にはペンを持て(中略あり)


私は、"ひとりでいることのありがたさ"というコトバにはっとした。

ありがたさ?

"ひとり=さみしい"としか、感じたことがなかった。

近ごろの私は「さみしい」と感じる日が増えている。

それは、体調不良で寝込む日が多いからだと思う。

妊娠8カ月。後期つわりに入るこの時期は、吐き気や貧血に悩まされる妊婦さんも少なくないと言う。

私も、すぐに休憩をしたり、家族にお願いをしたりしないと出来ないことが山ほどある。2歳の娘の思いを叶えてあげられず、申し訳なく思う日も多々。

「他の人はみんな日々の生活を頑張っているのに、自分だけひとり部屋で休ませてもらっている」という引け目が、頭から離れない。

タコジローくんも、そんな私と似たような想いを抱えていた。

(本当は学校に行かなくちゃいけないのに。僕だけ、こんな所に来て何をしているんだろう)

だから、タコジローくんの物語を見守りたくなった。目が離せなくなってしまった。

モヤモヤを抱えているタコジローくんに、ヤドカリのおじさんがかけたコトバたち。その中の表現。

"ひとりでいることのありがたさ"。

私は、このコトバの味わい深さがまだ、腑に落ちていないような気もした。

だけどそれと同時に、心の奥底で宝箱が開いたような、そんな不思議な気持ちにもなっていた。

「私の今の状況って、もしかしてすっごくありがたいものだったりする?

何かのチャンスなのかな?

この本を読んでいけば、気づける何かがある?」

そんな問いをもって、
タコジローくんとの旅を続けようと思う。


つづく。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?