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#よんなな朝の歌 ’23.3④

2023.3.20 山崎まさよし「ツバメ」

おはようございます。今年もゆっくりと春が訪れる、そんな3月の下旬です。遠くを思いながら窓辺から燕の群れを目で追いかけては過ぎた時間を感じてる瞬間が、麗らかな春との対比を感じる。私も昔を少しだけ思い出したら、ふっと微笑んで懐かしむとしようか。
午前8:12 · 2023年3月20日

 山崎まさよしの楽曲で打線を組んでくれと言われたら、迷わず一番セカンドにラインナップさせると言っても過言ではない、よんななの中でもお気に入りの歌。都会に身を置きながら都会人になりきらない、楽曲の中の主人公に自分を重ねていたのだろうか。二十歳前にこの曲に出逢い、かれこれ20年以上この歌を聴き続けている。
 山崎まさよし自身も山口県から上京し、霞の向こうに見える新宿の迫力に圧され時折不安になり、時には方向をも見失う経験をしていたという。彼自身も東京に慣れるのにいくらかの時間を要したのだろう。デビュー当初の朴訥とした物言いを踏まえ置いても、彼が都会に身を置きながらも少し引いた眼で周囲を見ていたことが窺い知れる。その反面、ツバメは都会の空をお構いなしに闊歩するように飛び回る。そしてその情景を背にして、故郷へ向けて「なんとかやってます」というメッセージ。
 田舎から出てきた者は、そういう気持ちを乗り越えながら都会の顔になっていく。冷静に考えれば、都会はそういう者の集合体だから…。

2023.3.21 Perfume「マカロニ」

おはようございます。もともと他人同士が心をすり合わせていくのが恋愛。当然分からないことだらけ、それなのに安心できる不思議。ふわりふわりした雰囲気でも前に進んでいく、そんなスローな雰囲気が好きで。これくらいの感じが、多分ちょうどいいよね。えへ。
午前7:49 · 2023年3月21日

 この曲の初見は実はカバー曲で(シンガーソングライター・嵯峨絹子による「絹のカバーの素(もと)Vol.4」より)、付けられた映像からも穏やかな男女交際のプロセスを優しいタッチで描いている印象を強く受けた。実はむしろ、嵯峨絹子の表現の巧みさと歌唱力の良さに惹かれたきらいがあって、本元であるはずのperfumeが歌唱したものよりもむしろ、出来が良いのではないかとも思ってしまったほどだったのだが。
 本家版とカバー版の違いと言えば、初出のperfumeの場合はメンバーが20歳の時の録音であり、嵯峨のカバーはそれなりに「お姉さん」の解釈が入っている。同じ曲を歌っても、少しの年の重ね方や曲に出会った状況によって心の持ち方はがらりと変わってくる。当然のことながら、歌手活動の変遷によってはperfumeの歌唱にも多少の変化は発生しているのかもしれない。そういう違いを感じられるとまた、新たに音楽の幅が広がるのだろうと思われる。この曲は私にとって「そういう楽しみ」を持つ一曲である。

2023.3.22 村下孝蔵「初恋」

おはようございます。学校も春休みに入ります。そういう変化の時期に恋が始まりそして終わることもある。初恋なんかもね。そんな年度末に思い出すこの歌。好きだよと言えずに初恋は振り子細工の心、今思えば言っちゃえよってさ、あの頃の自分にかけてやりたい言葉。
午前7:46 · 2023年3月22日

 …先に言っておきます。5月4日分の朝の歌でも、同じ曲を語っています。この日の言及はまた、簡単にしますけれども。
 村下孝蔵「初恋」。朴訥としたおっさんがいざ歌うと、けた外れの美声とギターテクニックを駆使した楽曲の数々。ジャケットにスラックスというカタい衣装を崩さず着こなし、大きな顔に二八分け。実力一本で唄う歌い手。
 実は既にデビュー時に旧いイメージの曲調が目立ち、いざデビューをという段になっても賛否が分かれたほどだという。その賛否も1983年リリースの「初恋」の大ヒットでその議論の雌雄が一旦は決するのだが、その後は指摘されたとおりの旧さが目立ち、懐かしの曲として「初恋」が取り上げられることが多くなり、最後には「初恋を超える曲は出せない、ただしアコギの時代は来る」という境地に立ったとか。
 1999年6月、46歳で逝去。山崎まさよしなどが繰り広げるアコギの時代を満喫せずして、短い生涯を閉じた。皮肉にも逝去の報を知ってから存在を知り、彼のことは全て後追いで知ることとなった。

2023.3.23 metro trip 「東京ガール」

おはようございます。根が田舎者のよんなな君、都会的なモノはキラキラして見え。。キラキラを覗きに東京の喧騒の中に紛れ込んで…みよっか、なんて。この季節、フッと街中によんななが現れたら、「ああ、いるな」というくらいで。たぶん挙動不審なんで。
午前8:14 · 2023年3月23日

 …このタイミングで東京に出ることを考えていなかったはずだけれど、はて。東京の話を唐突にし始めたのは、何か理由があったあのだろうか。たぶん、仕事があまりにも煮詰まりすぎていて、現実逃避をしたかっただけなのだろう。実家のある静岡県以外で居住経験があるのが東京都だったからかな?とは思う。
 そして、そういう時に選んだmetro trip。東京生まれの日野友香と、伊勢から上京した青木多果のユニット。数々の楽曲で、「東京をよく知る女性」と「上京してきた男性」のコントラストが描かれている。等身大の私と、背伸びした僕、とでも言うのかな。そのコントラストが楽曲ごとに掛け合いをしているようで、何作かを言葉で追いかけるととても楽しいものがある。
 この「東京ガール」も、主人公は世田谷住まいのお嬢さん。実は私がお目にかかったことのないような方、なんですけどね。ジャガーユーザー、母親名義の別荘…。私の知る「東京」と言っても下町に住んでいましたので。私は豚焼きホッピーの世界でいいよ。

2023.3.24 m-flo「come again」

おはようございます。この曲を聴くと2000年代前後のことを思い出します。仲が良かったのに僕のせいで違えてしまった、あの子は元気にしてるだろうかと。未だに笑いはできないけど、そうして思い出になることはそれなりのアップデートで。消えた 裏垢男子に捧ぐ。
午前8:08 · 2023年3月24日

 この曲を選んだトリガーになった出来事は、アカウントを消した張本人がしれっと復帰してきたという茶番劇によって幕引きされた…という、ナントモカントモな話で終わったんですよね。私はソイツのお陰に多少のとばっちりと若かりし頃の失敗と傷に塩をじっとり塗ったようになって。
 だから振り返るのも後味が悪くて。自分が蒔いた種だから仕方ないけど。ひょっとして、あの失敗がなかったらどんな人生を送っていたのかな?ともふと思ったりする。たぶん、彼女も僕も結婚してもしなくても、何となく会っては何となく飯食って、なんとなく「またな」って言っていたのかな。相手や彼氏の愚痴なんか聴いて、それでいて手も握らず。よくよく考えたら、今とやっていることは大方違いはないのかもしれない。
 そう思えば彼女に対してできなかったことを、みんなにしているのかな?ということか。苦手なカラオケに付き合ったり、深夜に連投される話を拾ってみたり。彼女らには「Come Again」はリクエストはしないけれど。

2023.3.25 オセロケッツ「もしかして君だけが苦しいって思ってないかい?」

おはよんなな。昨日、ふと立ち寄ったラーメン屋で。満面の笑みでラーメン食べてた職人の兄ちゃん、たぶん今日一日辛いこともあったろうが、美味そうにラーメン食ってる。それだけで癒やされ、この歌を思い出した。
午前11:47 · 2023年3月25日

 そうだった。この週末を乗り越えればという時に、疲れ切ってラーメン屋の暖簾をくぐったんだっけ。いや、あそこのラーメン屋には暖簾がない。
まあいいや。
 この日は金曜日の夜で、仕事帰りのサラリーマンから家族連れからで、国道沿いの店には随分客が入っていた。店の中で仏頂面して飯を食う人はいなかったのだが、カウンター越しの斜め向かいに座っていた職人の兄ちゃん二人、ラーメンライスを本当に美味そうに食べていた。仕事から解放された夜だからとも言えるだろうけれど、本当にいい顔して。
 豚骨醤油のスープに自家製麵、薄く切ったチャーシューに大盛りのもやし、そして刻み葱。ただそれだけのラーメンだけれども、一日の疲れを癒す食事には変わりない。だけど一日の最後にいい顔してご飯を食べられるのは幸せに違いなくて。その笑顔に「もしかして君だけが苦しいって思ってないかい?」と、ふと問われた気がした。
 言い訳なんていくらでも言える。だけど、自分の心を自ら閉ざすように辛さを主張しても仕方がない。何か諭された気分。

2023.3.26 松田聖子「SWEET MEMORIES」

おはよんなな。そんな時間じゃないね。最近、タコハイが人気のワードになったりしてますね。皆さん、よく飲まれるようで。そんなタコハイの画像を検索しがてらふと思い出したサントリーのペンギンビール。CMのヒロインペンギンが歌い上げたのがこの曲で。
午後1:24 · 2023年3月26日

 1980年代中盤のサントリー、缶入りアルコール飲料のCMもしくはイメージキャラクターがタコだったりペンギンだったりしたことを覚えている人は、恐らく私より年上の方々だったかと。しかもこのペンギンでしっかりPVが作られていて、見ごたえのあるストーリーになっていて。子供ながらに「すげえな…」って思って。
 松田聖子に感じる幸の薄さ。それを強く思うのはこの曲の果てしなく切ない気持ちなのだろうか。その後の聖子ちゃんを見るにつけ、どうもこの曲に引っ張られているようにしか思えなくて。
 幸せと聞かないで、嘘つくのは上手じゃない。いや、もしかしたら、本当に欲しかった幸せから遠い場所に生きる宿命を受け入れながらも、何か言いたげな気持ちなのだろうか。何気なく暮らす一般人の自分からは分からないことが、たぶん彼女の中に渦巻いているはずで。その言葉の端々に思いを馳せれば、心の隅がどんどん切なくなって。甘い思い出が遠くに過ぎたことを思い、泣きたくなる時もある、心情を察するばかり。

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