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#よんなな朝の歌 ’22.12⑦

2022.12.19 キンモクセイ「二人のアカボシ」

おはようございます。深夜遅くまでサッカーに熱狂していた皆さん、そのまま夜明けを迎え朝早くの空気を感じたとき、街は違う静かな朝だったのかな。この静けさが喧騒に変わる時、粛々と世の中が回りだす。週の始まりです、眠くても笑顔でね。
キンモクセイ「二人のアカボシ」
午前8:00 · 2022年12月19日

 冬空が明ける瞬間の空が好き。静かな一日のスタートを思わせる朝日の昇り方と、光と闇の境界線が世界を区切るような鮮明さ。寒々とした深夜からモードチェンジを促す朝焼け。微睡みから覚める世界観。具体的に言えば月曜日の朝。明け方のバイパスを朝日を背にして走るときに、この歌が傍らに流れていたら、本当にその世界に入り込める気がする。
 サッカーの試合が、確か午前3時に終わったと記憶している。睡眠時間3時間程度で月曜日の娑婆に滑り込む必要のある朝。いっそ試合の余韻を感じながら夜明けを迎える算段であれば、幾何の微睡みと共に月曜日の朝の香りを感じることになっただろう。
 この曲が流行った20年前、平日は毎日のようにこの世界観に触れていた。環状7号線の東に住んでいた頃、駅のコンコースのコンビニで朝シフトのバイトをしていた。冬の朝は決まって夜明け前の幹線道路沿いを駆け足で駅に向かっては、通勤客が忙しく朝食を求める時間を迎える前の静寂の時間にシャッターを開け、という繰り返し。そして有線放送で「二人のアカボシ」が繰り返し流れて。
 キンモクセイ。全員が神奈川県相模原市もしくはその周辺にゆかりがあり、「ほぼ相模原」なバンド。1998年結成、2001年にシングル「僕の行方」でデビュー。2002年のシングル「二人のアカボシ」のスマッシュヒットにより、NHK紅白歌合戦にも出場。2008年活動休止、2011年に東日本大震災被災地支援CD発売のために限定復活、2019年に復活。

2022.12.20 キリンジ「エイリアンズ」

おはようございます。人の優しさを求めるくせに、スッと輪の外に抜け出すような自分が嫌になったり寂しくなったり。本音が出た瞬間の心の襞を、正気に戻った自分が抉ったり。自分らしさって何か、悩む夜はこの歌が支え。今日は違う夜にしていこう。
キリンジ「エイリアンズ」
午前6:10 · 2022年12月20日

 お慕い申し上げている方と会話をしていた、所々でボタンの掛け違う音に気付いて、俺は何をしているのか…と頭を抱えた。
 自分では取り繕っているつもりはないが、様々なシーンで本音を言えているかどうかと言えば、なかなか言えていないことが多い。そして、つい心を赦して本音を出した時のハレーションの大きさにため息をつく。そのハレーションによって気づかされるネガティブな思考は、表向きではポジティブな言葉を発し続けているつもりが本当はその逆で、自分のネガティブさを消すために前向きな言葉を使っていたのかと気づかされる。
 人生、その繰り返しだったじゃない?と、心の中で自分を慰めては目線を前に向けようとするが、たった一人の前に対峙したところで大きくため息。その瞬間に、自分の心の中に周囲と異質な存在としての「エイリアン」を宿していることに気付く。ただしその「エイリアン」なるものは早く人間になりたいという訳でなく、諦観も含めたエイリアンの世界から見た現実世界を浮き彫りにし、その情景はこの楽曲に通じるほの暗さを象徴している。その意味では深く共感できる楽曲であり、何度も涙を流すことになる。
 キリンジ。1996年結成。兄・堀込高樹、弟・堀込泰行のデュオとしてデビュー。泰行が作詞作曲した本曲「エイリアンズ」は、発表後に数多くのミュージシャンにカバーされる名曲とされる。2013年に泰行が脱退後は高樹を中心としたバンド編成時代を経て、現在では高樹のソロプロジェクトとなっている。

2022.12.21 中西圭三「次の夢」

おはようございます。起き抜けの朝から聞くことではないですけど、 あなたが描く「次の夢」は何ですか?私の夢は、来年の今頃にはもう少し強く優しくありたいこと。そして微笑みを絶やさない人でいたい。 そんなささやかな願いのために、今日一の努力を。
中西圭三「次の夢」
午前6:06 · 2022年12月21日

 この曲には多少の思い入れがある。のっけから曲紹介になるが、日産自動車が発売していたステーションワゴン「ステージア」のCMソングが、これだった。男声の中西バージョン、女声の久宝瑠理子バージョンがあり、CMの構成によって使い分けされていた。当時高校生だったよんなな家は父親が大の日産党(…というか、アンチトヨタ)で、ちょうど車の買い替えを考えていた頃。結局は「まだ時期ではない」としてディーゼルMTの非力なキャラバンを乗り続けることになったのだが、カタログの中のステージアは実にカッコいい車だった。そして自分の稼いだサラリーで車を買う頃には「大人の事情」で真っ赤な他社の車、ただしステーションワゴンを。いつの間にかステージアという車が、次の夢どころか置き去りになった夢となった、そんな車のエピソード。
 確か初代の頃はCMに登場する娘役には栗山千明が出演したりと、何とかトヨタの対抗馬たりたいプライドで動いていた頃の日産自動車の色が出ていた最後、でもあったように思う。そういった意味からも、バージョン違いの同名曲を作り話題を作ろうといった意思は、それにも夢が詰まっていたようにも振り返ることができる。
 中西圭三。1989年頃から池田聡のバックコーラスを務める傍ら、作曲家活動を開始。1991年、歌手デビュー。作曲家としてはZOO「Choo Choo TRAIN」など。自身の歌唱では「Woman」が代表曲。近年ではNHKEテレや自治体の市歌・愛唱歌の制作も手掛ける。

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