「おばけの歌」 はらまさかず

夜、耳をすますと、
くらやみから、おばけたちの 楽しそうな歌声がきこえてきます。

「こわい? こわい? くらい? こわい?
どうして こわいって おもうの?
あかい 目をした
おばけが いるから?

でも、だけど、くらやみに
おばけいないほうが、
こわくない?

でも、だけど、くらやみが
がらんどうのほうが、
こわくない?

しんだらおわり、すべてパー
おばけなんて どこにも いない
くらやみは くらいだけさ
でも、そっちのほうが おそろしい
くらやみは くらいだけさ
そして、あしをすべらせ おっこちる

おばけも どくろも なにも いない
いるのは ただ いきてる ひとだけ

ぎゃくに こわくない?
だれも みてない
くらやみは ただ、くらいだけさ
しんだらおわり、はい さようなら
あんたに あっても
ぜんぶ わすれちゃう
ぎゃくに こわくない?
キャハハハハハ」

おばけたちが わらって、
あそびいきました。

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