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歩行飲食問題


唐突だが、僕は「歩きながらものを食べる」のが好きである。
歩きながらものを食べるなんて行儀が悪いと言われるけれど、元々はハンバーガーもおにぎりも移動しながら食べれるように発明されたものだと思うし、全然かまわないと思っている。
そもそも座ってものを食べるほうが下方から胃を圧迫して良くないような気がするのだが。
かの織田信長もものは立って食う方がたくさん入って良い、と言ってたそうである(と、誰ぞの小説で読んだ記憶があるが、何だったか思い出せない)。

もちろん、箸などが必要な食べ物まで、別に粋がって歩いて食べようとは思わない。手で持って食べられるものに限られる。
なので最近、ちょっとゴージャス目のハンバーガーなんか、美味しいかもしれないが、ゴージャスかどうかよりも手で持って食べられるかどうかの境目が、僕にとっては大事なのだ。
マクドのクォーターパウンダー・チーズまでは歩行摂取可能であるが、具が複雑になるテキサスバーガーなどは、いくら美味くても、あれはダメだ。ベーコンが落下する。

今まで最悪だったのは、ちょっと昔の商品になるが、モスバーガーのモスライスバーガー・カツカレーだ。あれはバーガーを名乗ってはいけない。あれはただのカツカレーである
要するに、カツカレーのご飯部分が板状になってるだけであるから、カレーが染みて、ただのカツカレーに漸次変化していくのだ。あれを手で持って食うのは不可能だ。
やばいなと思いつつ、あれを手に持って食べながら、堂島川のほとりを歩いていた。モスライスバーガー・カツカレーは、じょじょにただのカツカレーへと変化しだし、手の中で崩壊をはじめた。
あまりのことに、そのまま堂島川に投げ捨ててやろうかと思ったくらいである。川を汚したくないし、第一もったいない(安くはなかった)ので、崩壊したカツカレーを両手に捧げ持ちながら、買った地下街の店まで戻り、
「皿をください!」
不本意ながら店で座って残りを食べたのであった。
なんか、突然思い出した話なので、書いておく。

『ハンバーガーの歴史 世界中でなぜここまで愛されたのか?』
アンドルー・F・スミス
ブルース・インターアクションズ


(シミルボン 2017.3)


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