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京大の転学部について

はじめに

(この記事は2023年3月頃に作成されたものです。最新の情報ではないので注意してください)

 はじめまして。京大法学部新2回生のよもたろと申します。私は、令和5年度の総人の転学部試験を受験し、先日不合格となりました。不合格になった人間の言うことですので、あまり参考にならないかもしれませんが、自分自身が転学部を目指す中で、とにかく情報が少ないことが難点だったので、こんな記事でも多少は足しになればいいなと思います。

 さて、私が転学部を目指した経緯ですが、私は法学部に所属しているにもかかわらず、実のところ、まったく法学に関心はありませんでした。受験生のころは総人や経済を志望していましたが、入試直前の不安感の高まりから、法学部に出願して合格し、案の定法学とのミスマッチに苦しむことになります。

 本来なら潔く卒業するか、あるいは再受験を目指すことになるのでしょうが、京大においては、自分が興味のない学部に進学しても、転学部という制度により他の学部に行くことができます。私は総合人間学部に出願し、試験を受けて初めて分かったこともあるので、簡単に転学部の流れを記しておこうと思います。

 なお、記事は令和5年度の転学部試験に基づいているので、日程などが今回と異なる可能性があります。KULASISや学部掲示板などの最新情報を確認するようにしてください。

転学部とは

 まず、転学部を考えるうえで、前提となる情報がまとまったサイトを紹介しておきます。

 ここでは、転学部の出願者数・許可者数、出願時期・方法などの基本的な情報を開示してくれています。転学部に関して、誰もが公式に得られる情報は、このサイトがほぼすべてといって良いくらいですので、転学部希望者は必読です。私が1回生の時は、4月~10月あたりは転学部の記事にアクセスできなくなったので、早いうちに必要な情報をまとめておいた方がいいと思います。

転学部の準備(前期)

得点開示

 転学部の出願には、転学したい学部の最低点を超えている必要があります。例年、ゴールデンウィーク明けくらいには、入試結果の開示が届き、自分の傾斜得点を他の学部の最低点と比べて超えていれば、基本的にはOKです。なお、転学部の出願資格については、以下の記事の方が圧倒的に詳しいので、こちらも参考にしてください。

履修登録

 4月になると、履修登録ができるようになります。転学部の成功率は低めなので、履修登録については自分の学部指定時間割を優先した方がよいと思います。私の場合、前期に法学部の1回生配当の専門2単位を取らなかったので、その挽回のために単位ならない勉強をする羽目になっています。正直、この程度ならそこまで苦ではありませんが、通年4単位なんかを2回生以降に回すと、転学部できなかった場合に面倒なことになるので、大人しく所属学部に従った方がいいと思います。

 他方、一切転学先の分野を履修しないと、面接で悪印象を与える可能性があるので、転学先の分野にかかわる般教も無理のない程度に履修した方がいいと思います。実際、私の受けた総人の学系では、面接で希望する分野のどの科目を履修したか確認されました。

 学部・学科によっては、クラス指定時間割だけで、履修できる上限単位数(CAP制限)に達するようですので、そういった方は、他学部聴講を検討してもいいかもしれません。法学部などでは、他学部科目はCAP制限外となりますし、仮に単位を落としたとしても、GPAには参入されないので、後で気が変わった時にも安心です。転学部のモチベを出願する後期まで保たせることはわりと難しいので、この点は割と重要だと思います。ただし、学部によっては、他学部科目もCAP内かつGPAに算入される場合もあるので、詳しくは所属学部の便覧を確認してください。

GPA

 大学の成績(いわゆるGPA)は、転学部の出願においては何の関係もありませんが、面接では考慮されることがあります。私の受験した学系では、特に面接の話題にはなりませんでしたが、確認される学部・学科もあると聞いています。先に志望する学部・学科の転学部試験を受けたという人がいれば、GPAが考慮されるかどうかわかりますが、転学部試験を受ける人はめったにいないので、こういった情報を得ることは難しいです。また、当局が公式に開示した情報というわけではないので、去年までとは異なる試験が行われる可能性もあります。ですので、転学部を考えているのなら、大学で良い成績をとる方が安心です。

出願資格照会(10月)

 いよいよ後期になると、転学部の出願資格照会ができるようになります。例年10月頭には国際高等教育院で用紙が配布されるので、とりあえず、資格照会の条件に引っかからない限り、全部照会してしまっていいと思います。ここで照会しなかった学部には、出願することはできません。

 こちらが令和5年度の転学部出願資格照会票です。出願できるのが2回生以上であったり、一般入試で受験した教科・科目に条件が付されている学部もあるので、注意が必要です。

令和5年度転学部出願資格照会票

転学部出願(11月)

 出願資格照会の結果は、11月頭あたりに所属学部窓口で受け取ります。ここで出願資格が認められた学部に、11月中旬までに転学部を出願することができます。ややこしいですが、出願書類を提出するのは、現在所属している学部です。出願がひとたび受理されると、もう取り下げることはできません。

 ちなみに、窓口で受け取る書類はこんな感じです。令和5年度のものなので、参考程度にどうぞ。上から教育・総人・文・経済です。

教育
総人
経済

 少なくとも文系学部は、基本、志願理由書には志願理由だけ書けばいいですが、総人の場合は出願する学系に関係なく、どんな研究をしたいかを具体的に書く必要があって結構面倒なので、早いうちに考えておいた方がいいと思います。

 ちなみに、令和5年度の場合、志望理由書の分量は、総人でA4に1枚(21行)、文経済でA4の下半分(行なしで枠のみ)、教育はわかりませんでした。

転学部試験(12月以降)

 試験の日程は、総人で12月中旬、教育で3月頭などまちまちですし、試験の内容も大学入試のように共通の筆記試験はありません。ですので、試験の内容を少しでも知りたいのなら、とにかく各学部・学科の転学部試験を受験した先駆者を当たることになります。

 私の知っている限りでは、面接以外の試験が課される学部・学科はないようでした。形式は個人面接が普通で、集団面接をするところは聞いたことがないです。また、前述のとおり、GPAが面接中に考慮されることもありますが、入試の点が面接で問題になるという話は聞いたことがありません。参考までに、面接時間は総人では30分以内となっているようです。

 面接の内容は、総人においては学系によって違うようです。私の受けた学系では、志望研究室の教員2名と他の研究室の教員1名が試験官の個人面接でした。GPAや入試の点のことは聞かれることなく、志望理由書のツッコミや志望分野についての質問、逆質問などを経て、だいたい25分くらいで終わりました。他学部の1回生に専門的な知識があることは期待されていなかったようで、抽象的な質問が多かったです。ちなみに、私が受験した以外の学系では、面接時間や試験官の人数などは同じでも、GPAの講評を含むところもあるとのことです。

 ちなみに、面接担当の教授から、総人の転学部が令和5年度以降厳格化されているというお話を聞いているので、出願する学部には注意した方がいいかもしれません。

おわりに

 私としては、他学部聴講や学系開講の般教を多めに履修する、高いGPAを取るなど、事前に考えられる対策を講じてきましたが、結局のところ2月下旬に不合格が通知されました。

 いくら長期的に準備を重ねてきても、面接が奮わなければ不合格になりますし、学部・学科・専攻などに空きがなければ問答無用で不合格となります。もしかすると、志望学部の最低点はギリギリ超えているのに、出願資格がなく、門前払いされるということも考えられます。このように、転学部というのは、あまり情報がないというだけでなく、結構理不尽な試験でもあるので、本気で行きたい学部があるのなら、まず再受験を考えたほうが確実だなあというのが受けてみた感想でした。

 この記事では、転学部試験の内容など、そこそこ踏み込んで書きましたが、自分の体験以外の部分は、私が知りえた範囲の情報で判断しているので、例外的な学部・学科があることも当然考えられます。ですので、転学部を考えている人には、あくまで参考程度に留めていただきたいというのと、もしこの記事に誤った情報があれば、私のTwitter(@yomoyoming)にご指摘いただけると非常に助かります。

 大変稚拙な文章だったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。みなさんの転学部の成功を祈っています。

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