京都大学の転学部について

1.はじめに

おはようございます。2022年4月より、京都大学法学部から京都大学文学部哲学基礎文化学系に転学部することになりました、鮎と申します。

今回は転学部の流れは勿論、転学部の細かい基準などについても詳しく述べていきます。色んな入試方式(前期、後期、理学部特色など)の友人にも転学部の資格照会を手伝ってもらい、集められる限りの情報は集めました。転学部を考えている皆様の一助になれば幸いです。

同期のみさか(彼も法→文へ転学)が書いたnoteに簡潔な転学部の流れが載っているので、こちらも参考にしてみてください。

https://misa-his.hatenadiary.com/entry/2022/03/11/235559

総合人間学部に転学が決まった友人もいるため、文学部と総合人間学部についての転学については詳しく説明できるかと思います。

2.転学部って、そもそも何?

転学部とは、入学後に学部を変更できる制度です。大学を受け直す再受験と異なり、2回生から編入できたり、取得した単位が引き継がれたりするため、転学が可能なのであれば再受験よりも転学が推奨されます。ちなみに医学部医学科だけはどれだけ入試の点が良くても転学部できないようです。(医学部医学科から他の学部に転学するのはできます。)

3.転学部の流れ

まず9月下旬にKULASISに「令和〇年度  京都大学転学部要項」みたいな名前の資料が掲載されます。その要項にしっかり目を通しましょう。(毎年微妙に要項の内容が変わっている可能性があります。)

要項をしっかり読んだら、10月に国際高等教育院の1階窓口に「転学部資格照会用紙」を受け取りにいきましょう。箱に入れられた状態で設置されており、自由に取ることができます。転学部の資格を判定して欲しい学部1つにつき1枚書かなければならないので、多めに取ってきた方がよいです。(僕は総人、文、経済、教育の4枚を書きました。)

資格照会用紙の提出締切は10月上旬とかだったと思うので、しっかり要項などを確認して必ず期限内に提出しましょう。期限に遅れたものはいかなる理由があっても取り合ってもらえません。提出先が所属学部の教務課(転学先の学部ではない)であることにも注意しましょう。

書類には住所や学籍番号など、必要な情報を書いて、最後に転学部の資格を判定してもらいたい学部を記入します。文学部は学部単位で判定がなされるようで、学系ごとに用紙を出す必要は無いようです。(複数枚書いたのですが、文学部は1枚しか受け取ってもらえませんでした。)

資格照会用紙を提出したら、3週間~1ヶ月ほど待ちます。11月の頭に照会結果が出るので、所属学部の教務課に学生証を持って結果を受け取りにいきましょう。転学資格が認定された学部につき1枚ずつ、書類が渡されます。つまり、書類を渡されなかった学部には転学部することはできません。

渡された書類に必要事項や、転学の志望理由を記入して提出しましょう。また、書類提出時に84円切手と結果郵送用の封筒が必要です。郵便局などで購入しておきましょう。こちらは締切が11/14辺りだったと思うので、早め早めの提出を心がけましょう。今回は、1学部のみしか提出できません。また、この書類が受理され、転学部が許可された場合には、現在の所属学部に戻ることも許されません。この2点には十分注意しましょう。文学部に転学部を申請する際には、希望する学系を記入することも忘れないようにしましょう。(専修は書く必要はありません。書いても良いですが)

この書類を提出したら、あとは待つのみです。総合人間学部は12月に面接試験があるようでした。学部ごとに手続きや試験の有無も異なるので、渡される書類にしっかり目を通しましょう。

結果は文学部・総合人間学部共に2月末に分かりました。書類と一緒に提出した封筒に転学許可証が封入されて自宅に届きます。総合人間学部は別途手続きが必要なようでしたが、文学部は特に何もありませんでした。新しい学生証なども4月以降に窓口に受け取りにいけば渡してくれるようです。こちらから写真を送ったりなどは必要ありませんでした。

以上が転学部の流れになります。あくまでこれは今年の転学部の流れですので、鵜呑みにせず、要項や書類を自分の目で確かめて、それに従うようにしてください。

4.転学部の資格について

まず、転学部の資格は「前期入試の点を転学したい学部の配点に換算し、合格最低点を超えていること」です。ネットには「換算後、0.9倍をして合格最低点を超えること」などと書いてありましたが、これは嘘だと思います。現に僕は0.9倍した場合は文学部と教育学部の2つしか最低点を超えませんが、総合人間学部、経済学部にも転学部の許可が出ました。みさかは0.9倍するとどこの学部の最低点も超えていませんでしたが、文学部への転学許可は出ました。しかし最低点をそもそも超えていなかった総合人間学部への転学許可は下りなかったため、これが条件であると思われます。

資格照会には前期入試の点が利用されるため、法学部の後期特色入試や、その他の学部の特色入試で入学した人達は転学部が許可されません。これらの方式で入学し、転学部を考えている場合は、ほぼ再受験するしかないと思われます。(一応後期特色入試の場合は、教育学部のみ申請が可能でしたが、結果は認められませんでした。)

また、文系学部から理系学部(医人健・工・理・薬・農)に転学部することは基本的に不可能であると思われます。(2次試験で理科を受験していないため)

しかし、理系学部から文系学部への転学は可能です。工学部から文学部に転学資格が認められた友人がいます。文学部の転学条件が「2次試験で国数英を受験していること」であったため、理系からでも資格が認められたのだと思います。

ただ稀に最低点を超えていないにも関わらず転学資格が認められた場合も過去にはあるようなので、ダメ元でも資格照会を出してみるのが1番大切であると思います。

5.おわりに

転学部は、大学における大きな所属の1つである「学部」を変更する大きな決断です。転学部を決めるのには、大きな勇気が必要かと思います。

しかし、大学で過ごす4年間、ないしは6年間、人によってはそれ以上をより充実させるためには、自分の興味関心がより強いところへ移ってみることは大切であると思います。

「出願の際に第1志望の学部の倍率にチキって学部を変えたから未練がある」「入ってみたけど全然専門の授業が面白くない」「なんかあっちの方がおもしろそう」、動機なんて何でもよいです。あなたの人生をより素晴らしくするために、転学部という制度を利用することも、少しは考えてみてはいかがでしょうか。

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