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東京の名もなき欠片

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世界中でもまったく異質で稀有な都市、東京の空気、色、乾いた感傷をつづります。~An unnamed piece of Tokyo~
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#日記

トーマス・クラウン・アフェアーと1999年

 「トーマス・クラウン・アフェアー」という映画をアマプラで観た。1999年公開とのことで、タ…

秘すれば花
2週間前
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蓮の池の午後

 うそのように気温が落ち着いた土曜の午後だ。冷房もオフ、開け放った窓から心地よい風が流れ…

秘すれば花
2週間前
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嗚呼、伽羅よ伽羅

 お線香を日々燻らせる生活なのだが、この10年ほど(そんなにやってるんだな…)は白檀、沈香…

秘すれば花
2か月前
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母と暮らす

 新年度が怒涛。というよりも年度末が怒涛でその通り過ぎた風力がまだあおっているというのが…

秘すれば花
4か月前
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香彷徨遍歴仮名手本

 「ああやっぱりそうなのか」と、ある試みにおける見込み違いの結論を得た。自分は香水を、多…

秘すれば花
5か月前
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ただ刹那に通り過ぎていくもの

 どんな人間になりたいですか?私はすこーんと突き抜けからっとした人間になりたいのです。と…

秘すれば花
5か月前
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美しくビターなファンタジー

 今週も最高に仕事しまくってもぎとった週末、土曜日にとことん惰眠を貪ると決めていたのに燦燦と輝くおひさまに、ついアクティブな気持ちが芽生えてしまった。映画「哀れなるものたち」の最終回(と言っても18:30からと早め)のチケットを予約し、つらつらとネットニュースなど斜め読みしていたら眠気の波がやってきた。それなので、外出のための目覚ましアラームをセットして意気揚々と昼寝を決め込んだ。  眠り足りておのず目覚めると、なんと17時であった。16:30には起きてダラダラしたくをする

凡庸さに受け入れられる

 1年半ほどが経って、いま私の髪は肩下を超す長さにまで伸びた。22年の年明け、耳を出す短さ…

秘すれば花
6か月前
4

カウントダウン4日

 28日、仕事納め。年末恒例の広告代理店時代の先輩とランチ忘年会を終えてから出社。先輩は昨…

秘すれば花
7か月前
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くるみ割りのファンタジー

 念願が叶って、中2と小6の姪っ子(引率の姉も)をバレエ鑑賞で東京に招待することができた。…

秘すれば花
7か月前
10

暮れ行く日々

 先日美容院に行った。ここだけは年末らしい書き入れ時の様相を見せるなか、その日最高気温が…

秘すれば花
7か月前
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くるみ割りと元上司

 1年のうちいくつか私的に恒例行事としていることがある。1つには、あえて意識して恒例化す…

秘すれば花
8か月前
7

英国ブランドづくめでフィニッシュ

 「今日は、その、やっぱり気温ですか?」と、いかにも熟練のミラノマダムのような販売員のご…

秘すれば花
10か月前
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フィッツジェラルド探訪

 きまって入浴時、とりわけ頭にシャンプーの泡をもこもことたっぷり乗せて頭髪内に指を深く差し入れ、頭皮をたんねんに揉むように洗っているとき。自分の脳内では作文が始まっている。これは不思議に真実で、文字を打ち込んでいく感覚で文章を降ろしている。しかも、脳内で推敲が同時進行で起きていて逐次もっとも適切な表現に修正を施しながらそれは起きている。  推敲までしてその作文を、記録したいと思うのだが風呂から上がるとそれらはきれいさっぱりと霧散しているのだった。  そんなわけでいま、髪も乾か