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もうバナナを好きじゃない【piano】

ヱリ
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「この恋を終わらせよう」と思い立った人物を、わたしの大好きな作家たちならどんなふうに描くかなぁと妄想する。川上弘美はきっと、ズレた方法で不器用に奮闘する人間のおかしみを描く。小川洋子は終わりから始まる狂気を、角田光代は終わりを招いた時代の息遣いを、たぶん鮮明に描き出す。そして田辺聖子なら、おそらく恋を終わらせない。「終わらへん恋もあるかもしれんデ」とイタズラっぽい声で最初にわたしに教えたのは、田辺聖子の小説だった。

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