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世紀末の弁当【LINE】

Uberで注文したおべんとうに物申したい妹からLINEが送られてくる。



<以下、わたしと妹のLINEの転記>


「きょうのごはん、のり明太弁当なんだけどさ。いくらなんでも明太少なすぎない?」

「声出ないくらい笑った」

「明太盛り付けてる途中で話しかけられてそのままになったのかと疑うレベル」

「ひどい弁当すぎる」

「ひどい弁当言うな笑」

「場末感と一本線の明太子と、うちの妹はまたのりべん食ってるのかっていう三重奏で永遠に笑える」

「ほんとだ。無意識のりべんだった」

「ちなみにこのお弁当はいくらですか?」

「780円。お肉屋さんのお弁当なので美味しいです」

「お肉屋さんってワード聞いたら急に魅力的な弁当に見えくる不思議」

「注文ページよく見たら見本の写真も明太1本だった」

「お肉屋さんに無罪を言い渡します」

「ねえねえ、こないだ食べたお昼ごはんの写真も見て」

「同じ星の上の食糧だと思えない」

「さっきの弁当写真とスライド比較すると楽しいよ」

「おいしそうだしキレイだな……こういうプレートって『すてき!』って高揚して震えた後、最初に何したらいいのか分かんなくて一瞬虚無になるよね」

「わかる」

「虚無の結果、確実に散らかさないで食べられる安全牌のハムにとりあえずフォーク刺してみる」

「よくわかる」

「今度わたしもここ行ってみたいです」

「行こう」

「もうww 何回でも新鮮に笑える」

「クロワッサンプレートに彩度で対抗」

「彩度上げてもインスタに馴染めない写真第1位」

「なんかよく見たらメンチカツも見本写真と違う気がする」

「もう閉廷してます」

「明太チューブと海苔買おうかな。注文履歴見てたら6割が明太のりべんだと気づいてしまった」




LINEの向こうにいる明太海苔弁妖怪に「私は知ってた」と即レスしながら、近いうちにお野菜たくさん食べさせてあげようと夏野菜の献立をあれこれ考え始める日曜日。

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