東武佐野線 佐野市駅〜佐野駅間

電車が神社のあるこんもりした小山を通り過ぎると、視界が一気に広がる。かつての国道の上を横切る。すると住宅街が眼下に見えてくる。

この辺りは久保町と呼ばれるエリアだ。久保町のいわれは、もともとこの辺りは窪地だったのだろう。私の母親の実家がこの辺りにあり、小学生や中学生の頃はよく来ていた。子供心に少しじめっとした感覚があったのを覚えている。

久保町に隣接するエリアは浅沼町というところで、ここは昔浅い沼が広がっていたのだろう。このあたり一帯が、かつては湿地だったのかもしれない。

電車の進行方向が、このあたりで180°回転する。どういうことかというと、館林から来て、佐野市駅ではおおむね西から東に線路が走っているのだが、そのあとは放物線みたいに大きな弧を描いて、佐野駅では東から入って西へと抜ける。この映像は、その大きな放物線の頂点の部分だ。

佐野の実家に帰るとき、電車がこの放物線を通ると、必ず席を立って窓外を眺める。

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