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クラブトークン関係者と44日間連続で話し続けて分かったこと

皆さん、こんばんわ。
鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)というサッカークラブの代表をしております、四方 健太郎(よも けんたろう)です。

前回、「話題の「クラブトークン」って一体何なの?の疑問に答えます」というnoteを書きまして結構な反響をもらいました。

今回は、「鎌倉インテルトークンLIVEマラソン」と称して、トークンの初期ファンディング開始時から毎日連続44日間に渡るオンライン配信を続けてきました。そこで、のべ約80名の、国内外トークン関係者、スポーツクラブ経営者、プロ選手などと対話を続け、そこで自分自身が得た知識、考え方、ノウハウなどをここで皆さんに共有できればと思います。

どうしたらトークンの価格は上がるのか?

すごく単純化すると、需給バランスなので、需要(買いたい人)が多ければ価格が上がります。(逆に売りたい人が多ければ価格は下がります)
では、どうやって需要を高めるのか?という話になりますが、これはクラブ、およびクラブトークンの価値を高める(価格が上がる期待値を高める)ことに尽きると思います。

クラブそのものの魅力を高めるというのは、トークンがあるなしに関わらず、ある意味当たり前のことであり、今までと同じように地道な努力が必要なのですが、それに加えてクラブトークンを保有することの特典をより魅力的なものにする必要があります。これは詳しくは後述します。

また、クラブの代表者のような「顔」の存在、その人がどれだけ本気でこのトークン企画を推進しているかをファンに見せるのが効果的なようです。琉球アスティーダの早川社長は、SNSで常に前向きに、ポジティブに、このクラブトークンの魅力、取り組みの本気度を直接語りかけています。僕自身もこのトークンLIVEマラソンにコミットしようと思ったのも早川さんのアクションが大きく影響しています。

また、それらに加え、やはり既存のファンベースやスポンサーなど、もともと親しい存在の方々へのアプローチも有効ですし、逆に言うと、ここをないがしろにすると既存のファンクラブなどから反発もおきてしまいかねません。この安定株主のような存在は、初期ファンディング時に多く巻き込んでおくことが大事になりますし、結果として価格の安定化にもつながります。

どうしたら値が下がるのか?

前述の通り、売りたい人が多くなれば値が下がります。言い換えると、期待が薄くなったとき、下がります。株価と親しい考え方で良いと思います。クラブトークンの場合、初期ファンディングの時に本来の価値よりも多く資金が集まってしまったとき、二次流通の開始とともにどうしても売りが先行してしまい、値が崩れます。

傾向としては、投機的なファン(もはや本来のファンとは言えないユーザ)が多く混じってくるとどうしても値段は下がってしまいます。ただ、昨今(2021年9月10日現在)のタイミングでは、そういった傾向は少なくなっているように感じていて、むしろ最近は二次流通後にも金額が急上昇したり、緩やかでも安定的に右肩あがりになっているように感じます。初期ファンディングで集まった額が少ないと、二次流通でのボラティリティが高くなる仕様なので、安定を求めるならできるだけ初期ファンディングでの支援を多く得たほうが良いと思いますが、本来の価値以上に集まりすぎると売却にもつながってしまうというジレンマもあります。

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このあたりの価格変動の分析は、上場企業の株価およびその価格変動に関するニュースが載っている日本経済新聞のようなイメージで、クラブトークンの価格一覧やクラブのニュースが載っているメディアがでてきたら面白いと思ってます。いままで出来なかったクラブの価値の定量化にもチャレンジしたいものです。

クラブ関係者が語るネガティブサイド

クラブトークンの良い点もたくさんありますが、それでも踏み切れない、やらないほうが良いと思っているクラブ関係者も少なからずいました。やはりその企画や運営にかかるコスト(人件費)が気になってしまいます。また、歴史のあるクラブだと既存のファンクラブや少額スポンサーなどとの兼ね合いが難しいようです。

そこに関しては、「コストサイドを見るのではなく、むしろプロフィットセンター化できるチャンスだ」と捉えていたり、「そもそもこのトークンの考え方に既存の仕組みを寄せていくべきだ」とベルキーのシント=トロイデンの村田COOは熱く語ってくれました。

ただし、やはりクラファンにせよ、クラブトークンにせよ、利益の先食いにしかすぎないという見方もあるようです。また、以前のnoteでは、「期待値の伸びしろ」が高いほうがトークンには向いていると書きましたが、クラブの成長フェーズによる向き不向きはあるかもしれません。でも、「期待値の伸びしろが薄い」であると、そもそも感もあるかも、とは思いましたが(笑)

トークン保有者への各種特典

前日でトークン保有者(つまりはファン)へ提供する特典を魅力的にすることが重要、という話をしましたが、サッカーで言うとJ1やJ2のようなビッグクラブなどは有名選手も多く抱え、立派なスタジアムというアセットを持っていますので、それをフル活用することができればかなり優位です。

一方で、私たちのような地域リーグや都道府県リーグに所属するクラブであると知恵を絞る必要があります。まぁこれもトークンがあろうがあるまいがファンを魅了させてこそのスポーツクラブなので、今に始まったことではありません。

鎌倉インテルトークンの場合、前回のnoteに書いたような自前のスタジアム建設(Jリーグ基準の立派なスタジアムとは雲泥の差です)を物語化することや、FiNANCiEの投票機能を使って、「鎌倉インテルビール」という新しい商品のラベルデザインをトークン保有者に決めてもらうという「プロセスエコノミー」を地で行くことで、"みんなでつくろう鎌倉インテル"を体現しています。

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初期ファンディング期間中に投票を行って、トークン保有者(ファン)と一緒に商品開発し、さらにはその商品を特典につけて新しいファンディングメニューを作って販売したというのは初めてか、または非常に珍しいケースじゃないでしょうか。

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そうやって、下のカテゴリのクラブでも「このクラブはやるな〜!」とか「一緒に混ぜてもらって面白い!」と期待を膨らませてもらえるのではないかと思います。さらには、一定のトークン保有者のみ限定でグッズを購入できるみたいな仕掛けもやりたいと考えています。


Community Without Borders

少し深い話になりますが、クラブトークンの発行体となり、いろいろ勉強していく中で、今更ながらですがブロックチェーンという技術の素晴らしさ、可能性、既成概念や体制を壊していくポテンシャルに気付かされました。

おそらく、今後いろんな垣根・境界線が壊されていくでしょう。中間で搾取していた不要な存在、過去からの権威、既得権益、この手のものが崩壊していくと思います。

また、いままでJリーグが強く訴えかけてきた「地域密着」にも変化がおきてくると思います。このトークンという世界観がもたらすのは、地域を越えたつながりができることだとも思います。

地域を大切にすることは疑いの余地なく重要なことだと思います。一方、地域に密着しすぎて、域外との交流がなくなってしまうことは理想だとは思えません。実はJリーグの理念というは下記の3つだけで、地域密着という文字は書かれてないんです。

Jリーグ理念
一、日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
一、豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
一、国際社会における交流及び親善への貢献

むしろ、「国際社会における交流及び親善への貢献」というのが入っているくらいです。

地域というつながりだけではなく、クラブの理念、ビジョン、そういったものに共感するひとたちとボーダーを越えてつながってくる時代になると思います。

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©Jesse Kojima


また、今回はデフサッカー(ろう者[聴覚障がい者]サッカー)日本代表の植松監督からもお声がけいただき、彼自身もろう者であり、僕らの取り組みに興味持ってくれて、音声配信だけなく、映像配信を行い、そこに手話通訳も用意したりしました。こんなつながりができたのもこのトークンLIVEの副産物としての豊かな経験でした。


クラブもファンもアップデート、変革を続けよう

新しいテクノロジーであり、考え方なので、当然デメリットもリスクもあります。これを驚異と捉えるか、チャンスと捉えるか。「大切なのはクラブ組織として外的環境の変化に対応し、アップデートできるかだ」というのは、カンボジアのサッカークラブ・アンコールタイガーFCオーナーの加藤さんから出た金言でした。これは組織だけではなく、個人としても同じことが言えると思います。スタッフもそうですし、アスリートも、ファンの皆さん個人としても、常に考え、行動を止めず、地道に試行錯誤を繰り返したひとたちに勝利の女神は振り向くのだと思います。

最後に、この44日間に渡って「鎌倉インテルトークンLIVE」にお付き合いいただいた関係者の皆さま、リスナーや参加者の皆様、本当にありがとうございました。このnoteのまとめをもってお礼と代えさせていただければ幸いです。

むしろ、まだスタートライン。二次流通がはじまってからが本番かもしれません、クラブの運営はいわばエンドレスかと思います。皆様、今後とも宜しくお願いします。そして、私たちの「伸びしろ」にご期待ください。

良かったら、ぜひ「鎌倉インテル・トークン」も購入してみてください。
※まずはスマホアプリ(FiNANCiE/フィナンシェ)をダウンロード!

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鎌倉インターナショナルFC 発起人オーナー 四方 健太郎 プロフィール

(2022年11月24日 追記)新たに11/24より、第3回のファンディング(トークン追加販売)を開始しました!12/26までの限定販売ですが、このタイミングだとトークンが固定価格で安定的に買えるほか、鎌倉ビール(しかもオリジナル!)や鎌倉ハム、ブラック&ゴールドカラーの限定ユニフォームなどがリターン特典としてついてきます!


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