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話題の「クラブトークン」って一体何なの?の疑問に答えます

皆さん、こんにちは。
鎌倉インターナショナルFCというサッカークラブの代表をしています、四方健太郎(よも けんたろう)と申します。

この度、2021年7月28日に、鎌倉インターナショナルFC(通称:鎌倉インテル)から「鎌倉インテル・トークン」を発行・販売することになりました。FiNANCiE(フィナンシェ)というドリーム・シェアリング・サービス(プラットフォーム)を活用して展開することになりました。発行にあたり、クラブ関係者など周囲の人たちからも多くの質問が寄せられたので、僕の頭の整理も含めて、解説記事を書いておこうと思い、筆をとりました。

「トークン」って何?

サッカーなどスポーツクラブ向けのトークンを一般的には「ファントークン」と呼ばれていたりしますが、FiNANCiEでは「クラブトークン」と呼んでいます。この記事内で、省略して「トークン」と呼びたいと思います。

トークンは、株のようで株じゃない。ファンクラブかといえば、その要素も強い。売買もできるのでゴルフクラブの会員権のような特性も持っているもの、とも言えるでしょうか。とにかく、新しいモノ・概念なので、いままでの世界に存在する既存のものと同じ、みたいに一言で言い表せるものではありません。


株式とトークンの類似点

トークンはFiNANCiEのマーケット上で流通される(つまりは売買される)ので、その需要に応じて価格が上下に変動します。その点においては株と似たような性質を持っていると言えます。結果として購入時より価格が上がれば利益が発生しますし、その逆もしかりです。また、保有者にはクラブによって何らかの特典が付与されるので、それは「株主優待」のようなものと考えると分かりやすいと思います。(必ずしも定期的に送られるわけではありません)

株式とトークンの違い

まず、そもそもトークンは有価証券ではないのが大きな違いです。そして、株と違って会社経営そのものへの議決権はありません。ただし、クラブが行う投票企画、例えば、ユニフォームやグッズなどのデザイン案や、ホームゲームのキャッチコピーなど、ファンが興味を持つ内容や、クラブがファンと一緒に検討を進めたい事項について投票することができます。(投票権がトークンの保有数に連動するケースも多いです)ちなみに、直接的にクラブの収益に紐付く株主配当のようなものはありません。

ファンクラブとトークンの類似点

「ファンクラブ」というものに特別決まった定義があるわけではないので、ここでは類似点、相違点という表現は難しいのですが、クラブとファンとの接点があるということ、両者およびファン同士でのコミュニティを作れる点においては新しいファンクラブの形と言えます。また、クラブの成長によりトークンの価値があがるという側面においては、クラブとファンが運命共同体としてより距離が縮まることになるとも言えると思います。

ファンクラブとトークンの違い

多くのファンクラブにおいて、年会費や月会費などの継続した支払いが発生していたかと思いますが、トークンにおいては、支払いとともにそのファンである「証」としてのトークンが保有できるので、継続して定期的に支払いをしていく必要がありません。


世界のトークンのトレンド

日本ではあまり知られていませんでしたが、数年前から欧州のビッグクラブなどで議論がされてきました。背景にはもちろんブロックチェーン技術の登場、スマホや4Gの普及ということも影響しているでしょう。
しかし、一気にムーブメントに火がついたのは新型コロナウィルスの蔓延により、各クラブの財務状況が逼迫し、新しい収益源を模索したことが要因でした。これと関係しますが、ファンがスタジアムに来られなくなり、クラブとファンとの距離が遠ざかり、エンゲージメントが低下してしまったことを改善させたかったことも挙げられます。

海外では「socios.com」というサービスが圧倒的にメジャーで、FCバルセロナ、ユヴェントス、パリ・サンジェルマン、ACミランのような欧州ビッグクラブのみならず、アルゼンチン代表、ポルトガル代表といった代表チームまでがトークンを発行しています。バレンシアやインテル・ミラノなどのように、トークン自体がユニフォームの胸スポンサーになる事例も出てきており、勢いが加速しています。

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日本のトークンのトレンド

日本では「FiNANCiE(フィナンシェ)」というサービスが流行っています。2019年からあったサービスなのですが、元々はアイドルや映画プロデューサーなど、夢を持った個人を応援するというビジョンを持ったサービスとして展開していましたが、最近はJ1の湘南ベルマーレを皮切りに、スポーツクラブのトークン化を進めています。Jリーグクラブだと、YSCC横浜やザスパクサツ群馬がトークンを販売しています。

プロクラブのみではなく、サッカーだと関東リーグに所属していて、「キャプテン翼」の作者である高橋陽一氏がオーナーの「南葛SC」や、東京都リーグ1部の「Shibuya City FC」がトークン販売をして多くのファンを惹きつけて話題になっています。ホリエモンこと、堀江貴文氏が始めた野球の独立リーグ「福岡北九州フェニックス」もこの輪に加わり、さらに盛り上がりが加速しています。また、日本ではYELLtum(エールタム)というサービスもはじまっていますが、現在のところ、地域通貨の一面が強いようです。

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鎌倉インテル・トークンの特長

鎌倉インテルのクラブトークンは、FiNANCiEのプラットフォーム上で展開しています。日本においてはすでに一定のユーザがいるため流動性が高く、価値が上がりやすい環境にあります。当然ながら、日本の法律に準拠しているので合法ですし、創業者に上場企業の経営者がいたり、出資者に本田圭佑選手や長友佑都選手も名を連ねている点も信頼している点です。

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後にも記しますが、トークンの性質上、クラブの価値が高まる期待値が、トークンの価格の上昇にも繋がります。ですので、極端な話、「期待値の伸びしろ」という意味では、J1クラブよりも、鎌倉インテルが所属している神奈川県リーグ2部(J8相当)のほうが伸びしろは多く、今後、勝利や昇格していく度に期待値が高まり、価値があがっていく可能性が高くなります。

また、鎌倉インテルの場合、クラブのみならず、現在進行系で日本では異例の自前グラウンド「鎌倉みんなのスタジアム」(ネーミングライツにより現在は「みんなの鳩サブレースタジアム」という愛称になっています)の建設を進めています。サッカー場のような大きなスポーツ施設といえば、公共施設に頼ることが常識で、かつそもそもそんなまとまった一定の広さの土地がない首都圏においては、自前のサッカーグラウンドを作るなんていうのはほぼ無理ゲーでした。そんな環境に一石を投じるべく、現在、自分たちで「フィールド・オブ・ドリームス」の映画さながら、鎌倉の広大な空き地がある深沢地区に、約1万平米の土地を借りて「場」を作っています。ここではサッカーをはじめとしたスポーツが実施でき、老若男女が集うコミュニティにできたら、と思っています。

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支援いただいた資金は、当然ながらクラブの成長のために活用するのですが、チーム強化のみならず、子どもたちの教育、特に新たに造成するグラウンドの上で展開されるスクールの立ち上げのために使いたいと考えています。今までのオールド・エコノミー(仮想通貨界隈がニュー・エコノミーと言われます)の価値観の中ではどうしても、スポーツと教育にはお金が回ってこなかったという背景がありますが、この新しい経済の価値観で集まるお金こそ、こういった目的に活用すべきですし、活用したいと思います。

先程は「期待値の伸びしろ」について、サッカーの強さ、カテゴリー(所属リーグ)のレベル、という視点で語りましたが、本来はクラブの価値はサッカーの強い/弱いだけではありません。そして、この地区には将来、JR東日本の東海道線の新駅が建設されることが決まっており、30万平米を越える一大開発が予定されています。ここにJリーグ基準のサッカースタジアムができ、スポーツとヘルスケアの街づくりのアイコン的存在になったらいいなと夢見ています。こんな夢を追いかけることもトークンはじめ、サポーターたちと一緒に共創していければと思っています。

さらに鎌倉インテルは「CLUB WITHOUT BORDERS」(訳:国境・境界線を持たないクラブ)をビジョンに掲げ、現在の社会課題でもあり、世界のトレンドである多様性を追求していきます。「サッカークラブ」であると同時に、国籍・国境・性差・ハンディキャップ・年齢差など、多くのボーダーを超えてこの理念を共有する仲間たちで形成されるクラブになることを目指しています。一般的なサッカークラブとは異なり、海外や非サッカーファンの人たちへの拡がりも可能性を秘めています。このあたりも「期待値の伸びしろ」としてトークンとの相性の良さを強く感じるところです。

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©Jesse Kojima

ユーザにとってのメリット

なにより、ユーザが応援しているクラブ・支援したいクラブとのエンゲージメントが高まります。直接的にお金で支援するという意味合いが強く、一方的にフォローするファンというより、どこかで出資者・パトロンのような気持ちにもなれますし、擬似的ではありますが経営者のような感覚も共有できます。そして、クラブを応援する(単に声を出して応援するという意味合いだけでなく、実際に何らかの形でクラブ経営なども含めてサポートをする)ことでクラブの価値が高まり、結果としてトークンの価格があがることで、サポーターが経済的なメリットも享受できる可能性もあります。デメリットとしては、メリットの裏返しでもありますが、クラブの価値が下がれば、トークン価格も下がるので、その点においてはユーザとクラブはより「運命共同体」としての関係性が深まりますし、結果として、より主体的にクラブを応援/支援していくことになると思います。

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クラブにとってのメリット

上述の世界のトレンドの箇所で書きましたが、よりエンゲージメントの強いファンを獲得できたり、新たなチャネルによる新規ファンの開拓ができるメリットがあります。試合が多少に関わらず、ファンとの接点・エンゲージメントを強化できるのもポイントです。さらには、時間の経過とともにクラブが成長していく際、古くから応援してくてるファンにより感謝する・報いるということが可能になります。これは投資家でアドバイザーでもある長友選手や本田選手も以前から思っていたことなんだそうです。ファンディングにより資金調達的な意味合いもありますが、二次流通後はその売買手数料の一部もクラブへ還元されるので、継続した収入源にもなり、コストの原資を確保しながらコミュニティ運営に臨めるというメリットがあります。

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どんなクラブに向いているのか?

・ブランド力があるクラブ
多くの欧州のビッグクラブが発行しているのを見ていると、やはりそのブランド力はファンを惹き付ける大きな要素になっています。そのビッグクラブの何らかの経営判断や公式グッズのアイディア等に投票できるのはファンにとってはすごく魅力だと思います。そのブランドパワーをキャッシュに替えて、コロナ禍での経営難を乗り切る手段の一つになってきています。海外ビッグクラブ事例だと、socios.comなどプラットフォーム側が大口のスポンサーになっているであろう背景もあるので、日本とはまだ状況が異なりそうです。仮想通貨などのイメージに対して、大きなJリーグクラブが二の足を踏んでしまうのも理解はできます。

・成長が期待できるクラブ
一方、特に日本においては、地下アイドルのようなクラブといいますか、スタートアップ企業のようなといいますか、比較的新しい駆け出しのクラブで、真新しいビジョンやブランディング、取り組みで業界に新しい風を吹かそうとしているクラブ(つまりはまだ下のほうのリーグ・カテゴリに所属しているものの、成長余地がたくさん残されている「期待値の伸びしろ」が大きいクラブ)が相性が良いように思えます。日本では支援型・寄付型のクラウドファンディングが流行ったり、弱いチームがジャイアントキリングする姿が好まれる、というような文化背景も影響しているように思えます。この点においても、僕ら鎌倉インテルが相性が良いのではないかと思う理由です。

数字でわかる事例・ケーススタディ

日本のFiNANCiEにおいて、初期ファンディングで最高額の支援を受けたのはJ3・YSCC横浜の4950万円。また、アンダーカテゴリーだと、関東リーグ2部の南葛SCが4000万円超。異色なのは、川越市2部リーグ所属の「COEDO KAWAGOE F.C」も943万円もの金額を集めました。

また、日本においてのムーブメントの火付け役となった東京都リーグ1部の「Shibuya City FC」は470万円の売上もさることながら、その後1ヶ月間での流通量からの収入で1000万円を越えた。初期サポーターが購入したトークンの価格が一時期200倍に達するなど、僕の知人でも「5万円分買ったトークンが1000万円を越え、マンションの頭金くらいになった」という人もでるほどでした。現在は価格がだいぶ落ち着いてきて、当初の2-3倍くらいを推移しています。(2021年8月2日現在)

また、スマホアプリ上に、各クラブ1000人を超えるコミュニティが形成されていて、新規のファン獲得や、ファンエンゲージメントの強化、可視化に繋がっています。ここからのYouTube配信や、コンテンツ提供、グッズ紹介など各種導線へつながっていきます。


まとめ

というわけで、僕自身の頭の整理を兼ねて文章を起こしていたら、とてつもない長文になってしまいました。ユーザ(サポーター)の立場としても、これから企画するクラブの経営者・担当者の立場の方にも役立つ情報になれば幸いです。正直、国内外問わず、まだまだ始まったばかりのサービスで、必ず成功する/必ず失敗するかどうか誰も分からないものだと思います。

ただ、ブロックチェーンの技術含めて、可能性には溢れていて、僕自身もそこにワクワクし、新しいことだからこそチャレンジのしがいがあると思って今回の取り組みに挑戦しています。

僕自身もはじめは、暗号通貨?ブロックチェーン? なにやら怪しい・・・胡散臭い・・・怖い・・・と思ったほうのクチです。ただ、この世界のことを勉強したり、信頼できる仲間たちの話を聞いたりする中で、僕含めて個人が好きだ/嫌いだとかとは関係なく、世界は間違いなくこの方向性へ進んでいく、よりよい社会になっていく、と確信しましたので、その流れに乗ってみることにしました。

また、この活動を通じて、自分自身、自分の周り、そしてサッカーファミリーの仲間たちなど、多くの人達の金融リテラシーが向上したり、新しい経済について学ぶキッカケになれば、短期的な損得よりももっともっと価値があるのではないかと思います。

良かったら、「鎌倉インテル・トークン」ぜひ購入してみてください。

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FiNANCiEクラブトークンに関するFAQ(よくある質問)
一問一答

Q. どうしたら始められるの?
A. スマホでFiNANCiE(フィナンシェ)のアプリをダウンロード、そこからすべてはスタートです。
https://financie.jp/

Q. トークンを買うのにお金はどの程度かかるの?
A. 最低100円分(100pt)から買えます。

Q. 上がる、下がるってどういうこと?
A. 株式のように需要に応じてトークンの値段が上下します。買った値段より高い金額で売り、現金化すれば利益がでることになります。逆もしかりです。

Q. いつ売れるのか?
A. 初期のファンディング時に買ったものは全部すぐに売ることはできず、日数の経過とともに25%,50%,75%という具合に緩やかに売却が可能です。FiNANCiEはクラブを支援する、応援するという思想をもとに作られたサービスであることの特徴です。二次流通で購入したトークンはいつでも売却可能です。

Q. 利益が出たら税金はかかるのか?
A. 利益が出た場合、当然ながら確定申告等で税務申告をする必要があります。

Q. リスクは?
A. 上記のように購入時より価格が下がることもあり得ますし、極端な話、クラブが消滅してしまう、プラットフォームが倒産してしまうこともゼロではありません。その点においてはリスクテイクは自己責任となります。僕の場合は、万一、何かあったとしても勉強代としてペイすることができれば十分と捉えています。


(2022年11月24日 追記)新たに11/24より、第3回のファンディング(トークン追加販売)を開始しました!12/26までの限定販売ですが、このタイミングだとトークンが固定価格で安定的に買えるほか、鎌倉ビール(しかもオリジナル!)や鎌倉ハム、ブラック&ゴールドカラーの限定ユニフォームなどがリターン特典としてついてきます!


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鎌倉インターナショナルFC 発起人オーナー 四方 健太郎 プロフィール

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