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電子書籍のメリット&デメリット

 電子書籍のお話です。

 正直、私の周りには電子書籍否定派が多いです。〝昔ながらの本読み〟が多いからかも知れませんが、そのほとんどの理由が「なんとなくなん」です。なんとなく紙がいい、デジタルだと情緒がない気がする、覚えられない気がするとか……。

 それはもったいない!

 やっぱ紙だよね! ではなくて、せっかくなので言語化しましょう。電子書籍のメリット、デメリットはなにか? 本当に紙媒体の方がいいのか? について考えていきます。

 私自身、慣れ親しんだ紙媒体で読むことが多いですが、Kindleやスマホのアプリで本を読むことあります。結論から言えば、私は「絶対に紙がいい or 電子書籍がいい」というわけでありません。その理由も併せて紹介します。

電子書籍の種類

 電子書籍に馴染みのない方のために説明しますと、電子書籍と一言で言っても無数にサービスがあります。その中で、世界シェアナンバーワンがKindleです。今回は私がよく使っているKindleのお話を中心にしていきます。

 Kindleとはネット通販でお馴染み、Amazonで取り扱っている電子書籍をダウンロードするデバイス、もしくはスマホやタブレット端末のアプリのことです。もともとAmazonが書籍専門のネット通販会社だったこともあり、Kindleに登録されている本の数が圧倒的です。書籍はデバイスにダウンロードしてしまえばオフラインでも(ネットが繋がっていなくても)読むことができます。

 デジタルなので充電は必須です。といっても、スマホのように頻繁に充電する必要がありません。毎日30分読んでも数週間持ちます。ズボラな私でも問題ないくらい。
 それを踏まえてKindleのメリット。

電子書籍のメリット

◎かさばらない
 おそらく多くの方が最大のメリットとしてあげるでしょう。これ一つあれば、無限に本が入ります(※容量はあります)。本棚を持ち歩く感覚です。読書好きあるあるの「そろそろ読み終わりそうだし、予備の本もって出かけるか」にも対応しています。

◎読む場所を選ばない
 ライトが内蔵されているため暗い場所でも読めますし、最近のモデルは防水も付いているので、お風呂にも持ち込めます。劣化しないというのはかなり強みです。水でふやけないし、日焼けすることもなく、紙魚や紙ダニのように紙を食べる虫がつきません。
 さらに、複数の媒体で読めます(ひとつのアカウントで最大6デバイスまで対応)ので、「通勤時間など空き時間にスマホ、じっくり読みたいときはkindle」のような使い分けもできます。デバイスを紛失してもアカウントさえ無事なら何度でもダウンロードできます。
 ネット環境さえ整っていれば気になった本をその場ですぐ手に入れることもできます。ただひとつ注意が必要なのは、書店に並ぶよりもkindle版のリリースが遅い場合もあります。

◎紙より安い
 運搬や置き場所のコストが浮くからでしょうが、紙より安いです。新刊本でも数百円安いこともざらにあります。さらに、ときどきkindle限定のセールもやっていて50%オフとかもあります。中には青空文庫のように古典作品を無料で読むこともできます。

◎読み放題サービス
 プライムリーディングというサービスで、Amazonプライム利用者に限り、無料で読める本が数百冊あります。
 くわえて、月額980円で200万冊以上の書籍が読み放題になるKindle unlimitedというサービスもあります(私も使ってます)。
 とはいっても、新刊本や話題の本はあまり含まれていないので、ピンポイントで本を選ぶことはできません。なんとなくリストを眺めて興味が出たものを読む感じです。ときどき掘り出し物に出会えることもあります。

◎検索機能
 便利機能の筆頭に上がるのが検索機能です。キーワードを入力すれば関連したページが一気に検索できます。調べ物をする時に重宝します。

◎読み上げ機能
 スマホの機能で文章読み上げを設定すれば、Kindleの文章を耳で聴くことができるのです。「時短におすすめ!」なんて記事をよく目にしますが、それほど性能は高くないので頻繁に漢字を誤読します。

◎コピー&ペースト
 文章をコピー&ペーストできます(出版社の設定した文字数制限があるので「何ページも」とはいきません)。図やイラストを見返したい場合、スクリーンショットを撮ることも可能です(スクショは私的利用のみにしてください)。

電子書籍のデメリット

◎内容が覚えられない(?)
 よく言われる「内容が覚えにくい気がする」という意見を、私なりに考えてみました。
 紙の本は「このへんに書いてあったな」というふうに、なんとなく目的のページ(厚み)を覚えていますよね。つまり位置情報があるんのです。デジタルだとどのページも平面上にあるため場所との関連づけができません。デジタルでも「全体の何%読みました」と画面の端に表示されますが、内容と同じ文字情報になってしまいます。
 みなさん、勉強をするときは、「ただ読むよりノートをとった方が覚えやすい」と習いませんでしたか。これは読むだけではなく、文字を書いたり、音読をしたりして、五感をフルに使った方が記憶を呼び起こすトリガーが増え、ものを思い出しやすくなるという根拠に基づいています。
 同じように、本の手触りや匂い、厚み、重みなどが、思い出すきっかけになるのかもしれません。その点は確かに紙媒体にアドバンテージがあります。

◎雑念が多い
 Kindleに漫画が入ってたら見ちゃいませんか? スマホのアプリだったら、読んでる途中にLINEやTwitterの通知が出たら開いてしまいますよね。
 集中力を削ぐ要因はなるべく排除したいです。いろいろなことができる、が逆にノイズになっています。

◎書き込み、付箋、ドッグイヤーができない。
 ブックマークやラインを引くことはできても、物理的にアプローチできないのはちょっと寂しいです。

速読できない
 私はできませんが、速読は紙の本ならではのテクニックです。

◎特殊な演出ができない
 飛び出す本のように物理的な仕掛けのある本はデジタルだと表現できません。

◎貸せない
 友達に貸そうとしてもデバイスやアカウントごと貸さなければいけないので気が引けます。

◎サービスが終了したら読めない
 今のところ心配ありませんが、紙の本のように現物が残らないので、Amazonが気まぐれにサービスを終了させたら手元には何も残りません。同じように、アマゾンのサイトから商品が消えたら紙の本のように中古で買うことも不可能です。

結論

 漫画や新書、ビジネス書のようにストーリーや情報を追うだけならこれでも十分でしょう。私は主に勉強のための読書だけKindleで読み、必要だと思った箇所をコピペやスクリーンショットで保存してまとめています。

 また、このデバイスではPDFファイルを読むことができます。PDF形式で受け取った書類をここにまとめて放り込んでいます。スマホやパソコンの画面より断然読みやすいです。

 しかし小説、とくに文学作品は捨てる部分がありません。ビジネス書や新書のように飛ばし読みができません。その形式や段落の構成、配置、すべてに意味があります。ということは、「紙媒体であることにも意味がある」と私は考えます。

 ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』のように「本を読む」という行為自体が物語の主題になっている作品もありますので、小説は紙に限る! という結論にいたりました。

 まだの方はぜひ、電子書籍デビューしてみてください。

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