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2021.6.23 長い日記と言い訳とゲーテについて

 今日はいろいろありました。3Dプリンターがプリントする様子を見たり、空中撮影用のドローンを借りたり、職業講話の内容をでっちあげたりしました。詳しく話すとどれも長くなりそうなので、簡潔に、短くまとめてみましょう。たまには簡潔な日記があってもいいものではないかと思います。でも、簡潔ってすごく難しいですよね。

 ご存知のように、ぼくの日記はいつも長すぎます。ブログを書いていたころからしばしば指摘され、その度に「ごめんなさい」しながら、万里の長城が時代を跨いで延長され続けたように、逆境をもろともせず、そのうち宇宙から観測できるようになるのではないかと思えるペースで伸び続けています。ぼくの日記が長くなった理由を一から説明し始めると、これまた紙面が足りないのでさらりと言わせてもらえば、ぼくは臆病なのです。自分の思っていることや考えていることが誤解され、嫌われてしまうことが恐ろしいのです。だから、言葉に言葉を重ねて、丁寧に言い訳しているだけなのです。みなさんも謝るときはどうしても言い訳がましくなってしまいますよね。心の底では「自分は悪くないんだ」という思いが渦巻いて、他人に責任をなすりつけてしまうことがあるでしょう。二の句には「でもね」と本音が漏れてしまうはずです。それと同じです。ぼくの長い文章は世界に対する「ごめんなさい」なのです。くわえて、「ごめんなさい」からの「でもね」がとにかく長いのです。ぼくはこのように思ってます、でもね、こういう風にも思えるしこういう考え方もあります、捉えようによってはこうも見えますが……といった具合に、補足に次ぐ補足、訂正の訂正、否定否定の連続で、自分の言葉が曲解されることを回避するために、自然と文章が長くなっていきます。手品の仕事をしているときは、「オレの歌を聞けぇ!」という態度で自信満々のふりをしていますが、本来の自分はビビリで臆病で言い訳がましい人間なので、いくらでも推敲と訂正のできる文章にはその本性が表れてしまうのでしょう。一発勝負でない故の逃げ、選択肢がある故のリトライ、己の怯弱にガッカリ八兵衛です。本当はもっと簡潔で男らしい文章が書きたいのです。あ、「男らしい」というのはジェンダーに対する配慮が足りませんでした、「ワイルド」と言い換えましょう、といっても、別に野生動物を蔑んでいるわけではありません、と、こうして言葉はみっともない言い訳と卑しい見栄に塗り重ねられ、本音は原型を失い、後悔と恥辱とその他諸々の後ろ暗い感情に飲まれて、ぼくは今夜も枕を濡らすのです。本当に、本当に、なんなんでしょう、〝ガッカリ八兵衛〟って。恥ずかしいったらありゃしない。

 さあ、自虐を敷き詰めた日記も1000文字に達しましたので、ここで静かに筆を置きます。最後にドイツ最高峰の作家ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの言葉で締めたいと思います。

自分自身を信じてみるだけでいい。きっと、生きる道が見えてくる。

 これまで書いてきた文章にぴったりの名言を考えたのですが、何一つ思いつかなかったので、「ゲーテ 名言」で適当に検索して一番上に出てきたものをコピペしておきます。みなさんも言い訳くさい文章を書いてしまった日には、自分を責めることなく、自分自身を信じて生きる道とか見出してみてください。きっとハッピーな気持ちになれるはずです。あのゲーテが言っているのだから間違いありません。

 今日もみんなの特別な他人、蓬生でした。それではまた。

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