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前回、大阪への握りずしの定着と、長野や山陰などの地域へのわさび栽培の広がりを見てきた。 しかし、それでもわさびの産地は限定的である。今でこそスーパーの野菜売場にいけば生のわさびが売られていたりするが、当時の輸送体制では、全国津々浦々というわけには行かないだろう。 そこで不可欠なのが、粉わさびの誕生である。 粉わさびがお茶どころ静岡で生まれた必然性 粉わさびの誕生を知るために不可欠な資料が『小長谷才次伝』(1964年)である。静岡県山葵漬工業共同組合及び静岡県山葵粉