しゃべりたいふたり〜第10回アンパンマンにまつわるあれこれ〜
やすこ:この間ね、会社の同僚のお子さんがアンパンマンが大好きっていうから、うちの古い絵本とかフィギュアを掘り出してプレゼントしたんだ。
かおり:そうなんだ。アンパンマンは小さい子は夢中になるよね。
やすこ:うん。うちもどの子も好きだったよ。同僚のお子さんは歯磨きがあんまり好きじゃないらしくて、あげたバイキンマンのフィギュアを指につけて「お口にバイキンマンがいっぱいいるよ〜」って言うと一生懸命歯磨きしてくれるようになりましたって言ってた。
かおり:子どもの歯磨きって大仕事だもん。歯磨きしてくれるようになったならよかったね。
やすこ:そうなんだよ。あとね、かくれんぼの絵本があって、それも気に入ってくれたらしくてさ、寝かしつけの時の定番になったらしいの。2歳半でも読めるみたいで、いつも何冊も読んであげるらしいんだけどさ、最後にその本をお子さんが持ってきて自分で読んで必ず嬉しそうに「ママありがとう」って言うんだって。「いや、ご自分で読んでましたから」っていつもつっこみたくなるらしい。
かおり:ともあれ、そんなに喜んでくれたならよかったじゃんね。アンパンマンの威力ってすごいね。うちはそれほど夢中にはならなかったけどさ。
やすこ:うちのジロなんかホントに好きだったわよ。好きすぎて、四国のアンパンマン電車に乗りに行っちゃったもの。
かおり:えええ。そうなの?ずいぶん遠くまで行ったねえ。そっかジロちゃんは電車も好きだったもんね。そりゃあ、たまらないかもね。
やすこ:たださ、保育園の卒園のタイミングで行ったからもうブームが終盤で…。もっと早く連れて行ったらよかったと思っちゃった。アンパンマン電車を機にアンパンマンは卒業しました。
かおり:そうだったのね。そういえば、この間とある番組でやなせたかしさんの特集してたの。私の中のアンパンマン観が一変した!
やすこ:え?どんな話?
かおり:やなせたかしさんの生い立ちからアンパンマン誕生までの人生を自伝を元に追っていって、何故アンパンマンは『愛と勇気だけが友達』なのか、に迫る話
やすこ:おー!確かにアンパンマンの歌詞ってハードボイルドだよね。
かおり:あれは大人にぶっ刺さるよね(笑)。えっと、すごーく端折って言うと、従軍体験を通して飢えの辛さを心底思い知って、なおかつ敗戦で、今まで正しいとされていた事も簡単にひっくり返る事を知った事が根底にあるんだって。
やすこ:戦争体験がアンパンマンの背景なの?
かおり:もちろんそれだけじゃないだろうけど、正義ってなんだ?って考えた時に、悪者をやっつける事じゃなくて、飢えた人に食べ物を差し出す事だと結論した背景は、やっぱりそこらしいよ。
やすこ:全然知らなかったな。そうなんだね。え?そういえばさ、ロールパンナちゃんだけは結構難しいキャラ設定だよね。悪い心と良い心を持っているっていうさ。
かおり:まさしくそれも、やなせさんのメッセージの一つなのよ。人は一つの面だけではない、両方を持ってて揺れ動く存在だと。確かにそうだよね。
やすこ:へええ。ロールパンナちゃんだけ複雑で大変だなって思ってた。うちのジロはバイキンマンが大好きだったな。ぬいぐるみもTシャツももちろん本もいっぱいあったよ。
かおり:背景は子どもたちにはわからなくてもさ、なんなんだろうね、ものすごく惹きつけるものがあるんだろうね。
やすこ:そうね。やなせたかしすごいなあ。来年の朝ドラも楽しみだわ。
かおり:そうだね!
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