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サウナ道

サウナはお好きですか?
いま急速高まりつつあるサウナブーム。
そして、大のサウナ好きで、サウナスパ健康アドバイザーである私が、サウナ、入浴について語らせていただきます。


まず、冒頭にあった「サウナスパ健康アドバイザー」とは?

サウナ、スパに関する正しい知識を身に付けるための資格。
対象は、客や温浴施設従業員。

という資格で、インターネットで申し込めて気軽に受けられ、届いたテキストで勉強してテストをするだけで取得できます。
受験料も5000円で、手続きから修了証受領まですべて自宅で完結する資格になります。
サウナが好きで、もっとサウナについて詳しく知りたい、勉強したいという人にはおすすめで、対象の入浴施設では割引の特典もあり、
ヘビーユーザーには非常にお得な資格なので、興味のある方は是非取得してみてください。



サウナについて語る前に、入浴についてのお話をさせていただきます。

入浴には3つの効果があります。

温熱作用・・・体を温め、体温が上がることで、皮膚の毛細血管が広がり血流がよくなる。そして、新陳代謝が高まり、体内の疲労物質が取り除かれ、疲労やこり、痛みが和らぐ。
水圧作用・・・水圧により皮下の血管が押され、手足に溜まった血液が押し戻されて心臓の働きが活発になり、血液やリンパの流れをよくする。(この時の水圧はウエスト-3~4㎝になるほど)
浮力作用・・・浮力で体重が普段の10分の1程に軽くなり、筋肉や関節が休まり、体全体の緊張がほぐれる。


お湯の温度は、どうすればいいの?

○熱い湯・・・42度以上の湯は、交感神経が優位になり、心拍数が上がり、血の巡りも活発になり体をしゃきっとエネルギッシュにさせる。
○ぬるま湯・・・(夏)38~40度、(冬)41度くらいの湯は、副交感神経優位になり、体を緊張からほぐしてリラックス状態にする。

朝なら熱い湯、夜ならぬるい湯と使い分けるのがおすすめ!


女性必見!入浴は肌にいい!?

○入浴による効果
 ・温熱、水圧作用により、血液循環がよくなり、体も温まり毛穴が開くことで、皮脂の分泌が盛んになり、皮膚表面の汚れ、雑菌落としやすくなり、肌が清潔になる(乾燥も防ぐ)
 ・血行がよくなり、新陳代謝が活発になり細胞の再生を促す。基本的に28日周期で細胞は生まれ変わるが、その周期がスムーズになる。
 ・血液循環がよくなれば、内蔵の働きも活発になり内側から健康になる。
 ・熱すぎる湯は、刺激が強すぎて皮脂の多くを洗い流してしまい逆に乾燥してしまう。

○空調などで狂った自律神経を整える

 ・朝の温冷交代シャワーで副交感神経から交感神経にスイッチしてシャキッとする。
 ・夜はぬるめの半身浴で副交感神経を優位にしてリラックスさせる。
             ↓
      この切り替えで自律神経も正常になる。

 ※更に冷え性には、38~41度くらいのぬるめの湯で20分以上目安に入浴することをおすすめします。
 (熱いと短時間しか入れないが、ぬるま湯ならじっくり浸かり体を温め、血行促進することができる)


肩こり、腰痛にもいい!?

 詳しくは触れませんが、肩こりも腰痛も血流をよくするのが治療のポイント
 ・10度以下のぬるま湯で10~30分浸かる。
 ・入浴中にマッサージ、ストレッチ等の運動を組み合わせるが効果的。



サウナを知るにあたり、基本となる入浴について述べたところでありますが、ここで本題の「サウナ」に入らせていただきます。


最初に、発汗の効果について

・老廃物の分泌、体や皮膚を清潔にする働き(過剰な塩分、有害な重金属を排出する)
・体温調節(発汗することで体温上昇を抑える)
・通常のサウナで約300~400m発汗する(健康、美容効果充分)


素朴な疑問。100℃を越えるサウナでなぜやけどしない?

→液体と気体とでは、熱の伝わる早さが違うから(液体は期待より600倍も早く伝わる)


サウナによる身体機能の変化について

サウナ入浴→血流増す、速くなる。血圧上がる。→体の各器官に機能亢進(自律神経、神経ホルモン、内蔵)→新陳代謝活発→乳酸、疲労物質を汗と共に排出

 ※この変化は、高温であれば著しく、低温では穏やかになる。

・サウナ入浴→脈拍急上昇(交感神経の働きにより)→数分後ゆるやかになる(全身が温まり血行がよくなるから)→サウナ退室→20~30分で平常の脈拍に戻る

・サウナ入浴→血圧上昇→浴後は低下→入浴前より低くなる


サーモスタットを整える!

サーモスタットとは、
恒温装置。環境に合わせて体温調節するもの。熱・寒さ測定用体温計が皮膚と脳にそれぞれある。
皮膚・・・皮膚で感じる僅な温度変化をとらえる。
脳・・・体温、血液温の変化をとらえ、血液濃度、心臓ポンプ作用、血液循環速度、血圧、呼吸を調節し体温調節する。

★日頃、私たち現代人は、空調により自然の温度変化ができないため、サーモスタットがにぶくなり、季節の変わり目に体調を崩すことが多い。

つまりサウナの目的とは、
サウナ・水風呂の交代浴により、サーモスタットを強制的に作動させる!(最適な頻度は週に2回)



サウナの基本的な効果を説明したところで、ここからはサウナ実践編に入ります!

現在、サウナブームが来ている日本で、サウナ愛好家は約1000万人いると言われています。

それでは、サウナに訪れる人は何を目的として来ているのか?

男性:疲労回復、減量
女性:美容、減量
そして、共通して多いのが、心身ストレス、肩こり、腰痛改善などなど

日本人の6割は疲労感を感じていると言われています。
食事、睡眠などでとれない疲れを解消するためにサウナに訪れる!


サウナに入る前に、準備するべき3つの心得

1 汗吸収タオル
2 充分な時間
3 明るい笑顔

知っておくべき、サウナの警告事項

1 食後は避ける(消化器系に集中している血液が分散されてしまうので、1~2時間はあける)
2 飲酒後、泥酔状態は避ける(脱水が増し、血液量・血圧の低下、更にサウナ効果で脳に血液行きづらくなり意識障害になる。脳が正常でないと恒温できない)
3 過度な疲れ、興奮状態の時は避ける
4 ネックレス、ブレスレットはやけどの危険


★サウナのはいり方

1 体を洗って、全身拭いてからサウナ室へ
 ・体が濡れていると、水の蒸発熱で体が冷やされて発汗しづらい。

2 8~12分入浴
 ・70~90℃のサウナで、段状になっている場合、上段から90℃、中段、下段と下がる毎に10℃ずつくらい温度は低くなる。
 ・長時間(15分以上)の入浴はかえって疲労の原因となる。上段で短時間入浴する方が心臓の負担も少ない。

3 水風呂
 ・寒くなる手前、気分よく冷えるくらいまで入る。
 ・足からかけていく。
 ・いきなり飛び込むのは心臓の負担大きく危険。
 ・15℃は冷たすぎ、20℃はぬるい、17℃くらいがベスト!

4 外気浴 
 ・気の済むまでする。
 ・室内でも大丈夫。

5 このサイクルを基本3回繰り返す
 ・状況に応じて変えてよい。 

6 終わりにシャワーか水風呂で冷まし、熱をとり体を拭く
 ・この状態でボディケアを行うと普段より効果増す。
 ・水分補給はビタミン、ナトリウムをメインに補給する(汗で排出された分)
 (入浴中に補給すると、すぐに汗で排出されてしまい、老廃物の排出がしづらくなるため、なるべく入浴後に行う)
 ・上がってからは冷えすぎないように、ほてりがとれるくらいまでは休憩する(30分くらい)

以上がサウナのはいり方の基本です。
あくまで基本なので、人それぞれ快適な入浴方法は異なります。
サウナーの皆様もそれぞれ自分に合ったはいり方を見つけているので、
何も分からない初心者の方は、まずこのやり方でサウナに入ってもらい、
繰り返し入浴するなかで、自分だけの最高の入浴方法を見つけてください。


サウナの様々な入浴方法と効果

○温冷交代浴(水風呂あり)               肉体疲労回復・・・血流2倍となり、酸素摂取量増え、疲労物質(乳酸)を排出、エネルギーの再生産を行う。
 ・熱めのサウナ8~12分               肩こり、筋肉痛・・・血行よくなり、乳酸排出、神経感覚的症状の改善(肩こり、腰痛)
 ・水風呂                       血圧に悩む人・・・反復効果で改善(血圧は交代浴で正常に戻す)。
 ・外気浴                       自律神経失調・・・疲労感、鬱傾向は交代浴で自律神経の働きを活発にして生理機能高める。
 ・2~3回繰り返す                  美容のため・・・結果調節の働きをよくして皮膚の生理機能を活発にする。

○低温浴(水風呂なし)                 不眠症、気疲れ、熱いサウナ苦手、水風呂苦手、病気でサウナ入れないという人におすすめ    
 ・サウナ下段で15~20分              →低温サウナでゆっくり温めると神経静め、緊張解く鎮静作用。活動的な昼のリズムから休息のリズムに自然に転換する。
 ・足に2~3杯水かける                
 ・湯冷めしないように20~30分外気浴 

○繰り返し浴(水風呂なし)               落汗減量→皮下脂肪が多いと発汗しにくいので風呂でしっかり温めておく。水風呂、冷水シャワーは避ける。
 ・風呂で温める                         1mlの汗が気化するのに0.58キロカロリー消費する。(一時的には減るが、あとは日常の食事と運動が大事)
 ・高温サウナ10~15分
 ・外気浴
 ・3~4回繰り返す(徐々にサウナ時間短く)

○高温短時間浴(水風呂なし)              神経感覚的症状(肩こり、腰痛...)溜まり身体的症状(交感神経優位)
 ・シャワー浴びてからサウナ              →低温浴で副交感神経優位にする他、体力があれば、高温短時間浴で交感神経を更に高める荒療治もある。
 ・90℃くらいのサウナに8分程度            皮膚への温度刺激が訓練になり、神経調節能力高める(水からの抵抗力高める)


その他のサウナ効果

1 「心臓機能亢進・血管強化」
   サウナに入ると心拍出量が増加し、血液循環量が増え、酸素や栄養が全身へ

2 「汗腺・皮脂線も清潔」
   サウナにより筋温、血液温が上がり、老廃物・疲労物質は体外へ排出。
   体温が38℃になると、汗腺から汗、皮脂線からあぶら、エポクリン線から鼻を刺す臭いがでる。
   汗腺の機能高め、皮膚、皮下組織洗浄→コンディショニング効果

3 「体を温めるとHSP増加」
   HSP・・・ヒートショックプロテイン。
   人の体は約60兆の細胞で作られており、ほとんどがタンパク質。これに熱を加えると、細胞内のタンパク質が損傷すると同時にHSPが生まれる。
   HSPは、損傷したタンパク質を修復する。その他、疲労、汗腺や血管の閉塞、虚血、紫外線などさまざまなストレスによっても損傷を受ける細胞だが、
   これらの細胞以上に効果があるのがHSP→サウナに入ろう!


ちょこっとサウナ知識

サウナ発祥の地「フィンランド」。

フィンランドサウナの特徴は、
ロウリュにより熱が上下し、常時一定ではない。

「ロウリュ」・・・フィンランド語。入浴者自身がヒーターに積まれた石(サウナストーン)に水やアロマ水をかけ蒸気を起こす。

「アウフグース」・・・ドイツ語。サウナスタッフ(熱波師)によりサウナストーンに水やアロマ水をかけ、タオルなどで広める。

「ヴィヒタ」・・・白樺の枝。滅菌作用あり、叩くことで体を洗浄し、肌を潤わせる。血流を促し、室内に葉っぱの香りを満たす。


フィンランド「サウナの名言」

 1 もしサウナ、酒、そしてタールさえも効かなかったらその時は墓場あるのみ。

 2 ロウリュにはサウナの魂あり。

 3 ヴィヒタ抜きのサウナは塩抜きの料理。

 4 キウアス(サウナストーン)はサウナの心。

 5 サウナにいるときは、教会の中でのように静かにせよ。

 6 歩けるうちはサウナに入れよ。

 7 女性が一番美しいのはサウナを出たあとの1時間。

 いかがでしょうか?どれも癖のある言葉で、一般的に見たら意味が分からないでしょう。
 ですが、サウナにハマり、本物のサウナーになったとき、あなたはこの名言の本当の意味がわかるでしょう!


さいごに

 皆さん、ここまでながながとお風呂・サウナについて語らせていただきましたが、この内容は、サウナスパ健康アドバイザーとして知っておくべき基礎のような内容です。
ですので、ベテランのサウナーの方々からしたら、知識が浅はかだとか、そんなことは知ってる、大事なことが抜けているとお叱りをうけそうですが、どうか優しい目で見守りください。
あくまで、サウナを始めたいと思っている人に参考になれば、そして、サウナに興味のない人に少しでも興味を持っていただけるような内容になればと思い、書かせていただきました。
逆に、もっとサウナを知りたいといった人やベテランサウナーの方々にも共感できて、面白いと思っていただけるような内容を、次のノートで、著書「サウナ術」の感想を交えて執筆したいと思いますのでよろしくお願い致します。
 さいごに、みなさまが素晴らしい「ととのい」に出会えることを祈って、このノートを終わらせていただきます。ps「ととのい」は次のノートで説明しますね。

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