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地獄絵図!新郎新婦メインテーブル倒壊

この仕事を始めてウン十年。
「結婚式場には魔物が棲む」
と感じる出来事を何度も経験しました。普通に考えれば起こりえないようなアクシデントが勃発するのです。違う意味の魔物…「幽霊屋敷」と呼ばれる式場もありますが…それはまた別の機会にお話ししましょう。

あの忌まわしい出来事が起きたのはとても歴史ある式場でした…良く言えば。正直に言うと、めちゃくちゃ古い。外観はバブル建築そのもの。内装はとにかく古めかしく、備品は骨董品級。特にテーブルや椅子が見たこともないくらいボロボロで…新郎新婦や列席者はクロスやカバーが掛けられた状態で見るのでわかりませんが、内情を知っている自分は準備を見ながら「うわぁ…」と引いていました。

また、その式場は新郎新婦が座る「高砂」が非常に高いことで有名でした。
レストランウエディングや小さな披露宴会場ではゲストと目線を合わせる為に高砂(ステージ)を作らない場合も増えてきましたね。もちろん広いバンケットでは階段を数段登るステージは有効です。でも、さほど広いわけでもないのに異様に高い高砂は古めかしさを助長するだけ。仲人さんが座る勢い。

そんな式場で和やかな披露宴。新郎新婦の周りにはご友人が集まって談笑したり写真を撮ったり…といつもの風景が広がる中、

どぐわぁっしゃあああああああああああああんんん

と轟音が響きました。酔っ払って足元がおぼつかない新郎の友人がふらついた拍子に高砂のテーブルクロスに手かけたのです。クロスごと高い高いステージから前のめりに倒れるメインテーブル。
散らばる装花。
散乱するフルコースの食事。
割れて飛び散るシャンパングラス。

まさに地獄絵図

泣きじゃくる新婦を横目にスタッフ総出でテーブルを引き起こすもテーブルクロスがめくれて天板や脚がボロボロなのが丸見え。しかしクロスを掛け直して装花スタッフがお花を手直しすると…あら不思議。見た目は綺麗に復旧しました。お花の力ってすごいな、と改めて実感。

騒然とする友人テーブルとは対照的に、顔色ひとつ変えず黙々とフルコースを食べ続ける親族席が印象的な披露宴でした。

【次回予告】
『誰も望まない定番余興 “寿アナウンス”』

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