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「ロールシャッハシンドローム」内館翔真&大河原彩人【KP目線感想】

シナリオ:ロールシャッハシンドローム
作:ディズム様

エモクロアTRPGのシナリオとして販売されているディズム様作の「ロールシャッハシンドローム」ですが、ぜひ今一緒にクトゥルフを遊んでいる人達に経験してもらいたいシナリオだと感じたので、クトゥルフ神話TRPGにコンバートしてのプレイに挑戦させて頂きました!

いつもと同じく、ネタバレ全開で感想等綴ってまいりますので未プレイの方はご注意くださいませ。

リアル姉妹の演じる「腐れ縁幼馴染コンビ」

7版から6版へのコンバートとかならともかく、今回は別システムからのコンバートということでなかなか調整の難易度が高かったです。エモクロアならではのシステムである「共鳴」のシステムをどう落とし込むかが勝負だったので、上手く機能するかどうかを試してもらうべく、テストプレイに付き合って頂きました!

リアル妹で呼び出しやすく、会話のテンポがいいことも分かっている翔真くんに第一陣として参加してもらいました。ほぼほぼフリートークで場面を回さないといけないシナリオなので会話がしやすいことが一番ありがたいポイントです。

軟派な翔真くんと硬派な彩人で凸凹コンビなんですが、幼馴染の特権ということで、対外的なコミュニケーションが慎重な彩人がここの間柄でだけ見せる顔があるので私としてもこのコンビで遊べるのはとっても楽しみでした。彩人が「うるせぇな!」って抵抗できるのは翔真くんだけですから……!

「一緒にお出かけ」が難易度HARD

キャラ設定上「ライバル」ではあるんですが、一緒に遊びに行く友達ではないしふたりでお出かけっていうのはお互い気持ち悪がっちゃうような関係性だったので、シナリオの導入が難しいという問題がありました。ふたりでバスにのって山までお出かけしないといけないので……一体何があったらそんなことになるのか、という。

そこは中の人同士ですり合わせるということで、同級生に巻き込まれる形で休日の外出予定を取り付けたものの直前でドタキャンされた結果「仕方なく」ふたりで出かけるという形に収めました。

雑談は延々できちゃう

そんなわけで、渋々一緒におでかけなふたりなんですが、いざ喋り始めるといくらでも話せてしまう不思議な子たちです。リアル姉妹の強みを活かした共通の話題から幼馴染感を醸した会話が次々に繰り出せるのがとても便利。

今回はKPCとして出ているのが彩人で、プレイヤーが翔真くんという完全にふたりの世界で展開するシナリオだからこそ延々いけてしまう感じが危険でもあり楽しくもありました。野外活動のオリエンテーリングの話長いねんて……!!w

そもそもオリエンテーリングの話になったのは彩人から「ふたりで出かけることなんてついぞなかったよな?」という話題を振ったのに対して翔真くんが「それこそ遠足とかとちゃうか」って返してくれたところから発展しました。「遠足!?いつやねん遠足て!!」て盛り上がったんですが、今から思えばおかしいことに気づきます。

遠足もふたりでは行ってないよ。

まぁ多分ふたりでどこも出かけてないんで、会話としてはこれ以上ないです。楽しそうだね君たち。

KPCとして指定されている動きが如何にも彩人

このシナリオはKPCがタイムリープに巻き込まれ数百回繰り返した後、徐々に繰り返しシステムに綻びが出てきた結果PCもタイムリープしてることを自覚するっていう流れです。

この、相談もできず、勝手に決断することもできず、一人で抱え込みながら延々試行錯誤を繰り返しているっていう台本上の動きが、いかにも彩人がやりそうで。動画をみて、シナリオをみて、うん……これは、導入だけ大変だけど絶対このふたりにやらせたい!って思った要因のひとつでした。

たまに掠める失った前回シナリオの記憶演出

初登場時にやったシナリオの記憶はふたりして失っているのですが、解釈としては忘れているといっても完全に失っているわけではなくて断片がどこかに残っているけどつかみきれないという感じかなーということになっています。

なので、今回よかったなーと思うのはお互いにその断片の記憶演出ができたところですね。こちらとしてはKPCとして展開が分かっているので、その演出ができるように用意してあったのですが、翔真くんも上手いタイミングで挟み込んでくれたのでとてもよかったです……ちゃんとお互い断片が残ってるな、という感じが出ていました。

以前のセッションでとある知識ロールに成功した結果、お互いめちゃくちゃマニアックな知識を知っていることになってアニメからの引用で知ってた、ということになったことから、このコンビは「結構アニメに詳しい」ということが判明しています。

この時の記憶の断片から、彩人は翔真くんに実はかなりアニメ見てるだろっていじられて慌てるという美味しい振りを頂きました。何故彩人がそこで慌てちゃうのかは私にも分かりません。落ち着いた対応をお願いします。

こちらからの振りはもちろん最終局面です。忘れてしまっていますが彩人はほぼ死んでました。そこをダイスの女神を味方につけた翔真くんに助けられて何とか命を繋いでいます。「こんなことは忘れた方がいい」と言ってもらってはいましたが、それを完全に忘れ去ることはできていなかったことでしょう。

今回、交通事故にあった結果を保留できていることに気づいた時「今度は自分がどうにかしなければ」という思いに憑りつかれたことを打ち明けます。「今度」とは何なのかは自覚できないままですが。

さすが凸凹コンビ

いよいよ現実を確定させるための周回が始まるのですが、ここからが「共鳴判定」です。エモクロアでは試行回数は共鳴値がMaxになるまでという分かりやすいところになるんですが、クトゥルフだとその値がないので試行回数自体はある程度のランダム性を持たせるために1d3+5で決定する形をとらせてもらいました。そしてテストプレイとして最適な最少値の6回を引いてくれるという状況だったので、一番厳しい環境でのクライマックスを迎えることになりました。

状況としては、数百回繰り返したうちの最後の数回を目の前に覚悟を決めた彩人と、わずか数回の繰り返しの中で急に状況に合わせられている翔真くんがどのタイミングで気持ちが重なりあってくるかという判定がこの「共鳴判定」となっています。成功するとKPC側に気持ちが引っ張られて覚悟が決まるという状態です。

そしてギミックとしては、この共鳴に成功するたびに覚悟が決まり、1d8で痛みを引く時に無傷で済む確率が上がっていくのですが……。ここはさすが、なかなか息が合わない凸凹コンビといったところでしょうか。翔真くん、追い詰められてきたことによるプレッシャーのSANチェックは見事に回避していくのに共鳴判定は3回連続失敗で全然彩人に共感してくれません。

しかも、翔真くんも彩人も、わざわざ引く痛みは全身だったり胸だったりと危険な部位を引きがちという不穏なループが続きます。「これは終わったのでは……」と言い始めた4回目のループで突如、共鳴判定クリティカルが出るという覚醒っぷりをみせ一気に克服に近づき何と次のループでふたりとも無傷を引くという怒涛の展開で無事両者無傷での生還を果たしました。

今後に繋がる重要なセッション

フリートーク時間が長かったこともあり、めちゃくちゃいろんな話をしたセッションでした。その甲斐あってお互いちょっとだけ接し方が変わるきっかけになったかもなーと思います。

一緒に遊びに出ることはない、というキャラ設定として作られていた子たちだったはずなんですが、今回のセッションの中では今度一緒にキャンプにでも行こうって話にまでなりました。これは意外でした。彩人も拒否するかなと思ったらそうでもなかったことも意外でした。その前にダーツもやるかって誘われて一旦保留として受け取るくらいには積極性があったのも意外でした。

私自身忘れてたことでもあるんですが、この人、別に人嫌いなわけじゃなくて、近づいて嫌われるのが怖いから最初から近づかないでおこうっていう臆病なだけのタイプなんですよね。翔真くんが多少なりともアシストしてくれるらしいので、今後どんな感じになっていくのか……楽しいキャンプになるのか、色々と今後のことにまで想像が膨らむセッションとなりました。

あと最後になりましたが、彩人のキャラ絵を描いて頂いた絵師様に再度依頼をして相方の翔真くんも描いて頂きました。今後セットで誘っていただける予定もあるし並べるなら絵柄が揃ってる方がかっこいいよな!と思いまして。そして今回のシナリオで、ふたりで行動する場合のハードルも下がっていそうですので、ぜひ何かの機会があればセットで使ってもらえればと思います。よろしくおねがいします……!w

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