見出し画像

クトゥルフ神話TRPG「Good morning All」五月&舞園【KP目線感想】

シナリオ:Good morning ALL
作:あお様

私の中で、すっかりお馴染みとなってきている「Good morning ALL」ですが、またまた回す機会を頂いて今回で8回目の開催となりました!

今回もゲストのおふたりをお招きした、初めましてさん達と行くシリーズ第3弾となります。1日で駆け抜けたいという希望を頂いたので、朝から集合して頂いて9時からセッションスタートとなりました!

イツメンでやるときとは違ってプレイヤーさん達の立ち回りの雰囲気も全く分からないので展開の予想がつかないドキドキとワクワクをいつも楽しませて頂いております。

8組中、2度目の女の子二人旅

不老不死さんは、その設定上どうしても女の子でなければならないのですが、重病人さんに性別の指定はありません。でも、どういうわけか大抵の場合重病人さんは男性で来てくれることが多く、今まで7回やったうちの6回は男性の重病人さんでした。

今回のペアはおふたりとも可愛い女の子ということで……KPとしてとてもわくわくしておりました。重病人さん役となる五月キクちゃんは極々普通の、大学生の女の子。だというのに、とんでもないことに巻き込まれていく。唯一頼ることのできる相方はネジが一本飛んだ感じのふわふわゆるゆるな女の子。その不安は伺い知れません。そもそもこのふたりは、旅の中で仲良くなることができるのでしょうか。

SAN値に若干の不安あり

そんな現状をキクちゃんのSAN値が上手く体現していたような気がします。キクちゃんの初期SANは65でした。正直決して低い値ではないのですが、このシナリオは両者とも肉体的に死ぬことはない代わりに重病人さんのSANが尽きる可能性が高く、そうなった場合普通のロストじゃ済まないとんでもないことになってしまいます。

道中、SANチェック失敗でMax20近く持って行かれる場面が数回あり、ボス戦では死んでは復活してのゾンビアタックになる可能性が高いのですが、死ぬ度にSAN減少が発生するのでボス戦までにあまりSANが削られていると大変危険です。

でも……でも、キクちゃんは普通の大学生なんですよね。まだまだこれから勉強することのある、実家から出てきて一人で頑張ってる最中の。その、普通の子が、いきなりこんな世界に生きることになったら……と思えば、それくらいのメンタルであって然るべきだなぁ、というリアルな値でした。

そして、いざセッションが始まってみれば、意外と化け物を目の前にSANチェックを成功させていくキクちゃんがいました。なるほど、色んなことがいっぺんに起こりすぎて化け物くらいでは動揺しなくなってしまったのかもしれません。そんなダイスによるランダム性もTRPGの面白いところだなと毎回思わされてしまいます。そこにストーリーが生まれてくるものですから……。

イベント展開が豊富

私自身もこのシナリオを回すのが8回目となっているので、だんだんストーリー展開に余白を持たせて、なんでも自由に動いてもらいたいなーっていう回し方をするようになってきているような気がします。

今回のおふたりはそんな私の誘導に快くのって下さり、ふたりでどんどん会話を展開してくれただけでなく、周辺探索イベントを入れて宝石拾いをして遊んでくれたりしました。石を拾うだけ拾って何の石なのかは知識ロールに失敗してしまいふたりとも全然分かってないっていうのがまた可愛いんです……。

キクちゃんは服飾系の大学生でしたから、その石たちが何か今後の約束などの伏線となりそうな気配が強く、見ているだけでとてもわくわくしました。

恐れずに進む思い切りの良さ

今回、私がKPをさせて頂いて、本当に助かったなーと思ったのはおふたりとも迷わず恐れず行動に移してくれる思い切りの良さがあったことでした。どうしても、色んなことを心配して動けなくなってしまう場合が多く、そうなった時にはこちらで動けるように誘導していく必要が出てきます。

でもおふたりは、とりあえずやってみる精神が強かったような印象でした。ハイパーポリア大陸の一件では、速攻だったにも関わらずダイス目が悪くてルリムシャイコースに全然攻撃が当たらないのはご愛敬でしたが、戦う決断はとても早くしてくれていましたし、冥王星の薬なんて見つけた瞬間に飲んでくれましたし。この決断の速さにはとてもびっくりしました。

やっぱり出てくるダイスの癖

そんなわけで「展開としては」とても順調だったんですが、ここでもやっぱり出てきたんですよね。意図的にドラマを作ってくるダイスの女神様のお茶目心が!

今回のおふたりで目立ったのはクリティカルのタイミングです。もうめちゃくちゃ最高だったのは、氷の要塞からの脱出パートです。逃げ始めてすぐ、千春ちゃんのクリティカルで、キクちゃんの手を引いて逃げ、次のターンではキクちゃんのクリティカルで今度は千春ちゃんが手を引かれて逃げるという最高の連携が発生していました。

ただ最初は調子がよかったのですが、途中から疲れが出てきてしまうのかファンブルによる転倒、回避の失敗が相次ぎます。

この傾向、ガタノソア戦でもしっかり発揮していまして、序盤にキクちゃんのクリティカルが発生。しかしその後、攻撃のミスが目立つという……。千春ちゃんに至っても、ガタノソア戦中は投石による攻撃をしてくれるのですが、投擲能力は初期値25だったにも関わらず3回中、2回命中させます。そして外した一回はラストという……出目の良さが前半に偏る傾向がふたりともにみられました。

やはり女の子二人組なので、長期戦になると大変なのかもしれないなと思うとそんなふたりが愛おしいです……。

知恵を絞って掴んだ未来

さて、このふたりが選んだ未来ですが、途中までは多くの人が選択するコールドスリープ装置のルートでした。しかし、最後の選択を迫られるシーンにて、千春ちゃんは知恵を絞ってくれました。

一度コールドスリープは解除するが、話をした後にシュブニグラスの乳によって仮死状態にさせるという仮死状態の方法をスイッチさせるものでした。

このシーンからのエンディングルート乗り換えは発生し得るので、珍しいパターンではありましたが記憶喪失EDから忘れることのない46億年の孤独を乗り越えるEDへと切り替えさせて頂きました。

そのお陰で、ラストシーンのRPも眠りにつく前と何ら変わることのないふたりの会話を見守ることができました。この「何ら変わることのないふたり」の間には、実は46億年の月日が流れているわけです。そして、それをまるで何てことないかのように振舞う千春ちゃん。人としては正気じゃないこの感じ、まさに神といった雰囲気で終始最高でした。

最後についた嘘の行方

さて、そんな千春ちゃん、言動は正気じゃない感に溢れているのですが、実はずっと嘘は言いませんでした。まるで信じてもらえないようなことでも平気で口にし、思ったことは何でも言ってしまうような、そんな振る舞いをしていたのですが……。最終局面の、最も重要なシーンでキクちゃんに嘘をつきます。

地球を復活させるためにかかる時間についてです。水星から水を引っ張り、太陽を活性化させ、惑星配列を元に戻す。それには何千、何万という月日がかかるということがシュブニグラスである千春さんには分かる、とお伝えするのですが、千春ちゃんは「10年でできる」と言い張ります。そして、それを信じてキクちゃんは眠りにつきました。途中で起こした時ですら、少なくとも数千年は月日がたっていたことでしょう。しかしそれも「5年だ」という主張を押し通し、すべて整って彼女を起こす時には46億年が経過しているわけです。

そんな壮大な嘘を前に、キクちゃんがどこまでそれを信じ込んでいたか明確なところまでは分かりません。しかし最後には薄々彼女の嘘に気づきつつも、友達が隠したいというなら気づかないふりをしようという選択をした、とのことでした。

友達を心配させないためについた嘘と、そんな友達の優しい嘘を許して受け入れる、神様と人間という関係を超えた特別なふたりを見ることができて、私はとてもとても幸せでした。

今回おふたりに見せて頂いた新しい「Good morning ALL」の物語にも、あたたかい気持ちをもらいました。最高の一日をありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?