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クトゥルフ神話TRPG「Good morning All」橘&ミソラ【KP目線感想】

シナリオ:Good morning ALL
作:あお様

今回が第4陣となるプレイヤーさんはちょこちょこ一緒にTRPGをご一緒させて頂いているお仲間さんのペア!私自身がココフォリアでセッションできるようになったのが去年の暮だったせいで、KPが出来ていなかったため、ずっと何となく組んで頂きたいなーと思いながら実現できていなかったので今回のシナリオで私の念願が叶いました!(笑

メカニックな女の子コンビ

HO重病人さんには性別指定がないのですが、何となく男性にされることが多いので今回の4回目でふたりとも女の子というパターンを初めて経験させて頂く事になりました。

そして、狙って被せたわけではなかったそうなのですが蓋を開けてみれば二人ともメカに強いタイプの女の子という特殊な絆が早々に開示された感じでKPとしてはめちゃくちゃ面白かったです。

のじゃロリ可愛すぎ問題

うわぁぁぁあ、そう来たか!!!!!
ってキャラシ見て叫びました。

これまでの神様役(とプレイヤーさん方は思ってないわけですが)は、タイプは違えどどの子も(ああ、なるほど…うんうん、いそうだね!そういう神様キャラ)とほくそ笑んでいられるような感じだったのですが、ちょっと私が全く予想をしていなかったものでびっくりしてしまいました。

このシナリオ特有の物悲しく美しく、空恐ろしい独特の雰囲気の中に堂々と舞い降りるのじゃロリ……とんでもないミスマッチです。一周回って成立してるレベルです。この世界を逞しく生きているのは間違いないという、そういう確信は得られる子でした。ルリム・シャイコースに襲われた時も窒息ロールを成功させ、続く脱出ロールでは50%の対抗ロールすべて成功させてノーダメージで逃げ切る身のこなしの軽さといざという時の強さを見せつけてくれていたのは印象的でした。

ピンポイントで有用なスキルを持ち合わせている

このシナリオ、そんなにたくさん技能を振れる機会がないのですが「機械修理」「天文学」などピンポイントで使えるものがいくつかあります。でも「推奨技能」というほど使えるわけでもないし重要なわけでもないので、事前にお伝えすることはないのですが二人そろって機械修理を持ってきているし、更に面白かったのはミソラちゃんの登山技能!このシナリオの決戦の場は奇しくも火山です。

いろんなところを歩いてきているなら登山もしているだろう、ということでフレーバーとして取得してくれていたのですが、登山用スキルということで…こんなの使ってもらうしかないですよね!?高い技能値ではなかったですが、ばっちり成功させて足取りも軽く火山をナビゲートしていくミソラちゃんはほんとに逞しかったです。ぽんこつ設定だったらしいのですが、初っ端の技能ロールであるカセットテープの修理にも優秀な値で成功させてきましたし、どの辺がぽんこつだったのか分からないレベルでした。どちらかというと能ある鷹は爪を隠すパターン!

戦闘が強すぎる!!

まさかこんなにラスボス戦で力を発揮するペアだとは全く予想しておりませんでした。レナちゃんは、何とかひとりでアマノムラクモを持てる状態ではありましたが、中にはダメージボーナスが3D6まで乗った人もいたことを思えばレナちゃんは1D6でしたし、DEXは7でガタノソアよりも遅いし。一体何度死を経験して頂くことになるかとハラハラしていました。

しかし、蓋を開けてみればレナちゃんは65%のアマノムラクモをほぼ外すことなく振り続ける上に回避率14%という絶望的な数値を捻じ伏せてガタノソアの攻撃を2回も見事回避してみせます。ガタノソアも女の子ふたり組に翻弄されることに対しての苛立ちがあったのか命中率80%の攻撃を2度ほど外す上に、当たってもダメージ数が極端に低く出てしまい、HPたったの13を削り切れないという自体も2度発生させていました。

3度目に倒れた時に開示する、旧神の印増幅器はガタノソアの攻撃を半分反射しているという事実に気づく前に戦闘が終わりました。特別早く決着がついたわけではないのですが、とにかくガタノソアからの攻撃をいなすのが上手な二人でしたね。

全体を通して爽やかなやりとりが清々しい

あっけらかんと明るくポジティブなミソラちゃんは、どんな場面になっても逞しく自分の道を選び続けていきました。キッパリとしていて、芯の通ったボーイッシュなレナちゃんもやはり同様に迷わず自分の選んだ答えを信じるスタンスでした。ガタノソアを倒し、ソヨグから一瞬体の主導権を貸してほしい、と言われる必ずと言っていいほど怪しまれる場面にて、即答で構わないと返す胆力にはKPである私が逆に驚かされました。

神様であることが明らかになる重要なシーンのあと、その記憶を語るかどうかはすべてプレイヤーに任せることになります。そしてこれまでやってきた3回のうちの神様たちは皆、沈黙しました。驚きと混乱で何も言えなくなる場合もあれば、これまでの自分の言動の影響で決して真実を語れないという状態になったこともあれば、あえて言う必要もないと何も語らなかった神様もいました。何も伝えなかった、その理由は違えど語らない方向だったわけです。

ミソラちゃんの、最近物忘れがひどくて……といった程度の調子で語られる真実とそれに対してそれほど重く捉える様子もなく受け流すレナちゃん。「よし、いこう!」とコールドスリープ装置に向かう様子は成功を疑っていない希望に満ちた様子で、ここでも私は結構動揺させられたような気がします。既に彼女たちの後ろには、植物や生命が復活した地球が見えるような気すらしました。

形のないモノを残すロマン

長いお別れになるわけですから、各回で何か証を残そうとする動きがあるものなのですが、基本的には物が残っていない世界ですし人間側もポケットに入っているものくらいしか持ち込めない状態なので、残すといっても知恵を絞ることになります。残すにしろ残さないにしろ、ペア毎の特色が濃く現れるシーンになっていきます。

今回のメカニック乙女たちが残すことに決めたのは形のない「歌」というものでした。神様と音楽には強い結びつきがありますし、たとえ何も持っていなかったとしても伝えることができ、紡ぎ続けていくことができる、ある意味で最強の証です。2週間の旅路の中で、きっと話す内容も尽き暇になってきた頃合いでふたりで色々歌ったりしていただろうというバックストーリーが出てきたりしたこともあって、ラストシーンに向けてどんどん彼女たちを彩る色彩が鮮やかになっていくようでした。

続いていく旅と物語

長い年月を経た再開後も、まるで新しい朝が来た時と同じように挨拶をかわして、再び何処かへと出かけていく様子をKPとして最後まで見送らせて頂きました。きっとこうして彼女たちは、かけがえのない「今」という時間を大切に刻むための旅をする日々を続けていくんだろうなと感じました。

太陽や海、バイクや風といった清々しい空気をまとったおふたりの物語は私が体験した4つのGood morning ALLの物語の中でトップクラスの光属性でした。また新しい素敵な体験をさせて頂きありがとうございました!

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