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クトゥルフ神話TRPG「Good morning All」小倉&ユエ【KP目線感想】

シナリオ:Good morning ALL
作:あお様


第二陣にお誘いしたのは私がTRPGを始めた時の初期メンバーおふたり。私が懐かしみたかったのもあり参加して頂きました…!

どちらのプレイヤーもエモに持って行かれることがないお人柄なのは分かってて、尚且つそれでもやるときはやってくれる信頼感があったので一体どんな雰囲気のセッションに仕上がるのか?というめちゃくちゃ個人的な興味にお付き合い頂いた形になります。

徹底して会話が平行線

ふわふわ~とした雰囲気でゆったりとマイペースに行動する不老不死のユエちゃんと、18歳という若さもあって頑なに現状を受け入れない(元)重病人の小倉君。二人のちぐはぐでかみ合わない徹底した平行線の会話がめちゃくちゃ面白い状況でした。

初っ端から出目のあらぶり方がすごくて、こんなことになる?!というくらいファンブルとクリティカルを交互に見ることになったセッションでした。CON17もあるのにショックロールもPOT対抗も一向に成功しないと思ったら、目覚めた途端に機械修理持ってないのにカセットテープは修理しちゃうし、本来出ない情報扱いになっている音声の序盤もユエちゃんの聞き耳クリティカルで「シュブ=ニグラス」のワードまでばっちり聞き取るし!

その後もルリム・シャイコース戦で全く攻撃に成功しない。一緒にダイスロールしているのに失敗するタイミングも一緒、など心配になるシーンも多かったですが最後まで走っていただくことができてよかったです。このシナリオは積み上げた結果を受けた最後の一手の選択まで行ってなんぼなので……。

何だかんだ庇うムーブをする小倉君

口が悪いしユエちゃんに好感を抱いている風もない小倉君ですが、何だかんだ危険そうな場面になると無意識で守ろうとする行動に出ているところが面白かったです。意外とそういうキャラなんだ、というところで……。そしてずっとノーリアクションでされるがままのユエちゃんが如何にも不老不死さん!w

でも、この無意識に近い行動の数々が後々シナリオシステムに大きく関わってくるわけです。

ガタノソア戦で急激に死に慣れる

ルリム・シャイコース戦でグダグダになった方がアマノムラクモを振るうということで若干心配でした。ひとまず小倉くんは、じつはもともと力がかなり強いのと体格も悪くなかったので人間のままでもあと一歩でアマノムラクモが持てるほどの身体能力を有していました。ステータス強化による影響で楽々片手で振り回せるほどになっていたのは絵面的にも素晴らしかったですね!

一陣の時もそうだったのですが、やはり今回もガタノソア戦でエピソードが生まれました。最初の2ターン、敵の気を引く目的の投石をするユエちゃん。一陣の時の流れをそのまま利用する形にして、クリティカルが出れば囮になることに成功するという判定にしました。

当然ながらそんなに都合よくクリティカルが出るはずもなく普通の成功判定だったのですが、投石をした2回とも偶然狙いがユエちゃんに向かいます。2ターン連続で爆散するユエちゃん。キャラクターたちとしては、投石のせいで狙われているという扱いになりそう……ということで、3ターン目にして「何もするな」と怒られるユエちゃん。何もしなくなったところでこれまた偶然ターゲットから外れました。こんなに上手くダイスが振り回されることがあるでしょうか。

そして、連続でターゲットになる小倉君。攻撃が当たらない、回避も失敗するとなかなか上手く戦闘ロールがはまらず続けざまに一撃死をくらうのですが、死亡時のSANチェックにだけクリティカルを出していきます。ユエちゃんがやられたときには最大値SANが減っていたのに。

この短期間で死に慣れることはない、と台本にありますが続け様に出るSANチェックのクリティカルは明らかにこの台本に異を唱えていました。実は小倉くんは脱出ロール中の復活時もSAN減少を1に留める猛者っぷりを見せています。自分が死ぬことに対する感覚が早々に麻痺してきている様相でした。

そして怒られて大人しくなっていたユエちゃんは小倉くんが2回ほど木っ端みじんにされたところで、おもむろに投石を再開。戦ってるのか遊んでるのか分からない程度の様子ではありますが非常に愛嬌がありますね……。バテてるのか投石判定自体失敗してガタノソアに届かないところもよかった!!

最後はガタノソアの攻撃をギリギリ耐えが小倉君がHP1だけを残した状態で振り抜いたアマノムラクモの攻撃が見事的中し討伐完了となりました。

シュブニグラスの心にギリギリ打ち勝つ

キャラシもらったときから心配だったユエちゃん。INTの方が高かったんですよね。シュブ=ニグラスの心の判定が初期値45という不安な数値でしたが無意識でユエちゃんを守ろうとする行動が出ていた小倉君のおかげで50%の補正値を得ることができていました。心配は心配でしたが行動次第でしかボーナスを出さない温情無しの処理にしています。

50%の補正値のお陰でファンブル以外は成功の95%を得ていましたが、この二人はファンブルとクリティカルを交互に出していたような状態なのでこの値でも全然安心ではなかったですね……案の定91というギリギリの数字を出してくれていました!過去の行動がギリギリこのイベントにおけるユエちゃんを救っているのはドラマチックですね。

ラストシーンの対比

神様としての自覚を取り戻したユエちゃんは、ほぼすべて何も明かさないまま自分で全部解決する行動をするのがまたすごく神様っぽかったです。特に用途が違うことを了承しながらも小倉君が詳しく知らないことを利用して「鋭敏な二人」を使い、これを使ったことで記憶はなくならないと言って小倉君を納得させるシーンはKPとしても予想外の行動だったのでびっくりしました。

記憶が無くなることが確定するシーンでも、顔を見るだけで何もすることなく背を向けるところが、ずっと平行線でなかなか交わらないままに何とか距離感のバランスをとってきた二人の、すごく「らしい」シーンだなと感じました。

ラストの再会シーンでは、小倉君のことを完全に忘れてしまったユエちゃんの相変わらずぽやぽやマイペースな様子と、相変わらずつっけんどんな態度を取りながらもこちらは最初とは明らかに違った対応でユエちゃんの手を引く小倉君の対比がラストシーンとして綺麗にまとまっていました!

最初と同じように月光に照らされた洞窟の入り口に並ぶ二人は、今度は滅びていない美しい緑に囲まれたゴーツウッドの景色を目にしたことでしょう。

たどり着いた結末は同じでも……

たどり着いたエンディングとしては、第一陣と同じルートでしたが纏っている雰囲気や話の持って行き方が全く違っていてKPをやっていてもすごく楽しかったです。お二人ともありがとうございました!

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