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語彙力0の舞台『やがて君になる 』感想

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※拙い文章
※個人の主観ですので実際の出来事とは違う可能性があります。 
※ネタバレあり

◆公演情報

舞台「やがて君になる」2019年5月3日(金)~12日(日)
劇場:全労済ホール/スペース・ゼロ
<原作> 仲谷鳰(「月刊コミック電撃大王」連載)
<脚本・演出> 鈴木智晴(劇団東京都鈴木区)

<出演> 河内美里(小糸 侑)/小泉萌香(七海燈子)/礒部花凜(佐伯沙弥香)/石渡真修(槙 聖司)/小田川颯依(堂島 卓)/春咲 暖(叶 こよみ)/五十嵐晴香(日向朱里)/田上真里奈(箱崎理子)/立道梨緒奈(児玉 都)/佐藤和斗 (アンサンブル)・遠藤拓海 (アンサンブル)/仲田友紀子 (アンサンブル)・丸茂寧音 (アンサンブル)

「やが君」はアニメから入って原作を全巻一気読みした状態で、舞台化の情報は知っていて、ビジュアルの良さや出演者の熱意のこもった思いをツイッター等で見て、行きたいなあーーでも東京かあ......とギリギリまで踏みとどまっていたのですが、舞台初日が終わったタイミングで感想をエゴサすると、あまりにも評判が良いのと、尊さで語彙力を失くした口コミが次々と流れてきて、これは生で見ないといけないと思い、気づいた時には売り切り寸前のチケットを職場で確保し、夜行バスに飛び乗っていました。

◆開演前
最新刊(7巻)をまだ買ってなかったので、東京で最新刊を買い開場待ちの間に読みました。2人の関係性が大きく動き出すエモすぎる展開に一人街中で悶えながら(不審者)舞台への期待が最高潮へ...という中会場入り。

◆客層
老若男女広い世代のお客さんがいて驚きました。男性が多いと思っていたのですが、スーツのお兄さんからギャル系のお姉さんから制服の女の子まで様々。作品の性別年齢を超えた魅力を感じました。

◆脚本
原作のRTAと口コミがあったのですが、
まさにその通り、という感じ。原作キーポイントとなる出来事や台詞を押さえながら、全員の物語をしっかり描きながら「侑と燈子の物語」として完結していてかつ、2時間に纏める手腕に驚きました。

1つの出来事に対して複数の視点の心理描写を描く事が今作の魅力の一つですが、侑と燈子に視点をぎゅっと絞った事で、ストーリーがよりシンプルにわかりやすくなっていたと思います。あとアニメで実現できなかった『舞台』の!!実写化....!!あれは舞台でしか出来ないと思います。

◆舞台装置・演出等
客席は全体の3/2位の距離で見たので、全体が見渡せてとても良かったです。段のある抽象的な真っ白な舞台セット、奥にレースの様なものがかかった空間、シンプルだけど分かりやすい舞台装置でした。映像効果の使い方も素晴らしかったです。
オープニングで舞台1面が夜空に埋め尽くされる光景がとても美しかった...

舞台転換も演者が自然に装置を動かしながら喋るという、アナログかつスムーズでとても見やすかったです。(劇中劇で暗転が明けたら病院のベッドがあるというのが地味に凄かった。)

あとSE(効果音)や演者の演技、照明効果で、場所や時間が変わった!というのがパッと変わったのが凄かったです(RTA要素)
学園物ですが、けっこういろんな場所が出てくるんですね。

◆演者

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舞台画像(ステージナタリーより引用)

派手なアクションや華々しいビジュアルのイメージのある2・5次元舞台ですが、会話劇のみで2時間魅了する本作で役者さんの底力を感じた気がします。

声優さんの演技や沈黙の空気が素晴らしかったアニメと違い、テンポよくかつ、キャラクターの気持ちが伝わる舞台版の見せ方が凄く、メディアミックスのお手本のような作品だと感じました。

特に主演のお二人は原作から出てきたような完成度でぎょっとさせられました。アニメより年頃の女の子という感じがして親近感もありとても良かったです。。

あと、沙弥香さんの完成度もすごかったです。主演2人を繋ぐポジションの沙弥香のセリフや心情風景は、やが君の大きな魅力の一つですが、テンポよく進める為というのもあり、どうしてもセリフのカットが多かったのですが、二人が話している時にあえて表情を見せなかったり、表情だけでなく背中だけで感情を表現していたりして、物凄く研究されたのだなと思います。彼女の深くて複雑な思いを表現するには、簡略化するより絶対良かったと思います。

また百合要素だけでなく、原作でも真摯に描かれている「誰かを特別に思う『特別』な気持ち」がしっかり表現されていて、作品に初めて触れたときの気持ちが蘇り、尊さで泣きました。

◆キス
やが君にかかせないキス描写がどうなるかと思っていたのですが、、めっちゃしてる...
RTAだけどキスの数は原作準拠だったのではないでしょうか

宝塚等で良く使われる、傘や手で隠すキスだけでもドキドキするのですが、最後のシーンだけ、舞台のど真ん中で、絶対に見える角度でキスしてました。(客席全体がはっ...!っと息を飲むのが分かりました)ゲネプロ含め舞台で約90回侑と燈子は本当にキスしていたらしい。

そこからの満天の宇宙が広がるエンディング....動き始めた物語.....きみをもっとしりたい....(サラサラ....) 最高の演出でした...

何はともあれ、あの空間を現実に再現したというだけで、ありがとう....という気持ち。あまりの尊さに呆然としながら東京駅でラーメンを食べ、夜行バスに乗って帰りました(おわり)

何はともあれ、本当にいい舞台をありがとうございました。「やがて君になる」アニメと舞台の続編を心待ちにしています!

公式サイトから公演のBlu-rayやDVDが購入出来ますので、気になった方は是非チェックしてみて下さい。





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