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都道府県等は47コではないのはなぜか(補助金のキホン)

補助金事務は地方公務員にとってはどこの部署にもありますが、補助金について、当たり前のことをまとめた本や資料がない。多くの人は引継書や国の補助金要領を手がかりに、事務を進めておられると思います。

本シリーズでは、人事異動で補助金の担当になった人のお役に立てるような記事をめざしています。

今回は、補助金の要綱や要領で見かける用語を紹介しながら、補助金初任者が確認すべきポイントの1つである「用語の重要」について解説していきます。

都道府県等を正確に読むこと

突然ですが、

都道府県は何個あるでしょうか?都道府県等は何個あるでしょうか?

2つの質問は同じように見えますが、同じではありません。質問の違いが、すぐにピンと来た方は、公務員ベテランさんか、普段から文書を注意深く分析されている方ではないでしょうか。

そう、正解は1つ目は「都道府県」についての質問、2つ目は「都道府県等」についての質問でした。

「等」があるか、ないかで大きく違ってきます。

「都道府県」は47個ですが、「都道府県等」は何個でしょうか?これは法令などの定義にもよりますが、たとえば児童福祉法では、

第二十二条 都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村(以下「都道府県等」という。)は、それぞれその設置する福祉事務所の所管区域内における妊産婦が、保健上必要があるにもかかわらず、経済的理由により、入院助産を受けることができない場合において、その妊産婦から申込みがあつたときは、その妊産婦に対し助産施設において助産を行わなければならない。ただし、付近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。

児童福祉法

と定義されており、福祉事務所を設置する町村も「都道府県等」に含まれることになってます。

この「等」の有無をうっかり読み飛ばすと、

本来は補助金がもらえるはずの国補助金が対象外だと勘違いしたり、都道府県等に課せられた義務を果たすことを忘れたりするなど、不利益が生じます。

初任者へのアドバイス

公務員初任者が法令や要綱等を読むときに、大筋を理解したあと、「等」に注意しながら、再度読むことをオススメします。

また、これは補助金行政に限ったことではないのですが、「等」に該当するものがないのに、要綱や要領に、無闇に等をつけたりすると、それはそれで混乱のもとです。

等を使うときは、

・できる限り定義規定か本文中に括弧書きで定義する(たとえば、上記の都道府県等の書きぶり)
・必要だけど要綱や要領に書ききれない(書けない)場合は、Q&Aや内規で明確にしておく

など対応が必要です。

「等」を使いこなしてこそ、1人前の公務員だとさえ思います

気をつけましょう!

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