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陸游 「春社日效宛陵先生體  社雨」

開歳纔幾時  としをあらため

       まもないうちに

春社忽已及  まつりのじきが

       もうやってきた

茫茫草色深  くさあおあおと

       ふかまってゆき

蕭蕭雨聲急  あめざあざあと

       せくようにふる

扶犁行白水  すきおしながら

       たんぼをすすみ

不惜芒屦溼  わらじぬれても

       かまいはしない

村童更可憐  むらのこどもは

       さもたのしげで

赤脚牛背立  はだしのまんま

       うしのせにたつ


「春の社日 宛陵先生の体に効う  四首其の一 社雨」

*「社日」は土地の守護神を祀る日。「宛陵先生」は梅尭臣のこと。陸游は彼の詩のスタイルを真似て十首以上作っている。結聯(第七・八句)の子供の描写が強く印象に残る。

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