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自立とは欲求の満たし先を増やすこと


数年前に読んだ、脳性麻痺をもつ小児科医/東京大学先端科学技術研究センター・特任講師の熊谷晋一郎氏のインタビューの「自立とは依存先を増やすこと」という言葉がなんとなく頭にひっかかっていた。


自立は、依存先を増やすこと 希望は、絶望を分かち合うこと
一般的に「自立」の反対語は「依存」だと勘違いされていますが、人間は物であったり人であったり、さまざまなものに依存しないと生きていけないんですよ。
実は膨大なものに依存しているのに、「私は何にも依存していない」と感じられる状態こそが、“自立”といわれる状態なのだろうと思います。だから、自立を目指すなら、むしろ依存先を増やさないといけない。

私が持っている「自立」のものさしがすごく表面的であったことに気付かされたと同時に、「人が自立して生きる」というものをもっと考えてみたいなあ、と思いながら時間が過ぎた。


自立とは欲求の満たし先を増やすこと


そんななか、先日お会いした方のお話を聞いて、「自立とは、自分の欲求の満たし先を増やすこと」とも言えるんだと大きな発見をした気分になった。

人が人と関わったり組織に属するのは、承認欲求や自己顕示欲求、親和欲求といった根源的な欲求を満たすためだと考えると、その満たし先を分散するのはすごく大切な自立だと思える。

欲求を一箇所で満たそうとするほどその所属先にしがみついてしまうし、評価や失敗が怖くなってしまう。

会社、家族、副業先、学びや趣味のコミュニティ、、と自分の欲求の満たし先を意図的に分散しておけると、どこかで低空飛行のときがあってもいいと思える。

挑戦できない理由が失敗のリスクを恐れるからという話をよく聞くが、その原因は私たちみんな一か所に依存しすぎなのかもなあ。

子どももそうで、すべての場所でかっこいい自分でいようと思うと臆病になってしまう。例えば、サッカーでは成長欲求を満たし、公文では承認欲求を満たし、学校では親和欲求を満たす。そんな風にちょーっとずつ欲求を満たして自分を保ちながら、ブレーキをかけずに経験を積んでいけるといい。

「自立とは欲求の満たし先を増やすこと」。挑戦を楽しむ人生を生きるために、大事にしたい。

欲求を満たせるようにうまく自分でコントロールできる人が増えると、他人に不機嫌をまき散らす人が減ることに繋がるだろうなあ。それはすごくハッピーな世界だし、自分もそうありたい。

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