元岡山県民目線アリーナバトル
はじめに
元岡山県民としてアリーナ構想(と、その先にあるであろう雉の専用競技場)に関する動きが気になっている。積極的な財政投資(という箱もの行政)岡山市長と冷静さを保っている県知事の対立構造に加え、商工会議所の動きも絡んでいる。
広島のサッカースタジアムでは県知事・市長が強烈なスクラムを組んでサンフレッチェが飲めない案(宇品案)を出して、最終的に商工会議所会頭による中央公園という落としどころを出し、まもなく開業のエディオンピースウイング広島へ繋がったが、こちらは市&商工会議所と県がバトルする、という構造になっている。どうしてこうなった。
現状整理
スポーツチーム
岡山市のアリーナ構想を前に、現在の岡山市内には
・岡山シーガルズ(女子バレーV1)
・トライフープ岡山(男子バスケB3)
・岡山リベッツ(卓球男子Tプレミアリーグ)
・ファジアーノ岡山(男子サッカーJ2)
という4つのチームがある。岡山市以外にもなでしこリーグ2部に岡山湯郷Belle(美作市)と吉備国際大学Charme岡山高梁(高梁市)、Vリーグ女子3部に倉敷アブレイズ(倉敷市)があるが、これらは各自にスタジアムがある。このうち、当然だが屋外競技のファジアーノはシティライトスタジアム(桃太郎スタジアム)を本拠にしているため、岡山市に本拠を持つ屋内競技3チームのアリーナ、というお話になる。
アリーナ
これらの3チームが本拠地として使える岡山市内のアリーナとしては
・ジップアリーナ岡山(県総合グラウンド内/県営/収容11,000人)
・岡山県武道館(県総合グラウンド内/県営/収容2,800人)
・岡山市総合文化体育館(浦安総合公園内/市営/収容8,000人)
とあるが、ジップアリーナ・市総合文化体育館とも実際の規格としてはいわゆるBリーグが推進するBプレミア構想の収容力はないので、アリーナ規定により下部ディビジョンになる可能性がある。似たようなプレミア構想をVリーグも持っていたので、シーガルズが一番強い危機感を持っていると予想する。そういえば、アリーナが不足しているせいなのか、トライフープは準本拠地としてB3の公式戦を津山市で開催した、という実績もある。
Tリーグで使用されている県の武道館は、前回の国体の時に改築しなかったことにより、竣工50年を超えて老朽化まったなしの状況なのは確か。
アリーナ構想の問題点
ということで検討されている北長瀬の新アリーナ構想。北長瀬駅近くにある市営住宅跡地を再開発し、Bプレミアリーグに参入できるアリーナを作る気だそうだ。ただ、建設に積極的な岡山市長と商工会議所会頭に対し、県知事が「ジップアリーナが云々」であまり積極的でない、という話みたいだ。県知事の回答は、各カテゴリのライセンス基準を無視したものであまり良い回答ではないような気がしますね。とはいえ、市側の「最初は80億検討でしたが諸々勘案したら140億円かかります(てへぺろ)」も猛烈によろしくない。広島をはじめ全国各地のスタジアム建設で資材高騰が負担になっているのに、それを無視してどうするのやら。ということで、
慎重派の県 → 各カテゴリーの参入基準などに対する理解が曖昧
積極派の市 → どんぶり勘定してないか?
特にどんぶり勘定すると後々維持費等が重くのしかかるので当然見ておかないといけないぞ。ということで双方とも理解が足りない、もしくは精度にかける部分があってこれじゃ話進まないよね、としか。また、シティライトスタジアムを含む岡山県総合グラウンドは新幹線駅から徒歩15分という抜群の立地を持ち、これまで多くの賑わいを創出してきたことは確かかなので、北長瀬駅近くの利便性が高い場所があるが、ただ建てるだけではなく近隣にどのような相乗効果を出せるか、等々を勘案しないといけない。スタジアムやアリーナの類は「そこにあればいい」というモノではないですから。
個人的意見
個人的には「すでにトップディビジョンで戦っているシーガルズがライセンス落としたら」という思いがあるし、アリーナが不足しているのなら、そこまで華美なものでなくても、ライセンス基準を最低限満たすアリーナの議論を行うべきとは思います。ただし、それには次の命題に明確な答えをもらいたいところ。
それは「BリーグもVリーグもプレミア構想ぶち上げるのは結構だけど、地場の集客もおぼつかない状態なのに一部のプレミアなチームだけが潤う制度設計で大丈夫か??」この一言に尽きると思う。サッカーみたいな外圧(ACLを見越したJリーグのライセンス制度)もないのに、一部だけしか潤わないビッグクラブを作る流れには賛成できない。Bリーグのプレミア構想には個人的に否定的な目線を持っているのでこのような結論しか出せなかった。アリーナ構想賛成・反対以前の話ですね・・・
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