ICカード乗車券の前に

姫新線の概要

小生は岡山県某所の姫新線沿線出身である。姫新線についてはWikiに。

姫路から播磨新宮の間は通勤需要があるが、それ以降は単線非電化のザ・ローカル線。昔には急行列車が走っていたみたいだが、津山から大阪の区間は、並行する中国自動車道を経由する高速バスのほうがフリークエンシーも表定速度も上で相手にならず、優等列車はなく地域輸送に特化した路線となっている。

姫新線沿線切符問題

みどりの窓口廃止のほうが問題

岡山県北鉄道の要衝である津山駅と新見駅にあったみどりの窓口が廃止されて、みどりの券売機になってしまった。正直、ICOCAより「みどりの窓口」廃止のほうが問題だろ、と思う。津山市・真庭市・新見市は共同でJR西日本に金払ってでもみどりの窓口を県北に残さないといけない、と思っていたのに。何回かみどりの窓口プラス的なものは利用したことがあるが、証明書セット等で購入する例えば学割、学生用定期券などは有人窓口での購入なので、鉄道ユーザーでみどりの窓口が必須の人には大変厳しい処断だと思う。

ICカード乗車券???

そんな状態なのにJR西日本のICカード乗車券「ICOCA」がニュースになっている。正直「ICOCA導入でもみどりの窓口なし」のほうが帰省してUターンするとき思いっきり困るので何とも。EX予約の融通が利かない部分というか。特に往復乗車券買うときとか特急券を区間ごとにバラす時。

個人的には「なぜ駅にICOCAを設置する」ところにこだわっているのかな、と思う。というのは、田舎の路線なのでワンマン運転が多数なので、バスのように車両側にICOCAの入場、出場読み取り機を載せて、乗車・下車の管理を現金+車上ICOCAでできるようにすればいいんじゃないの、と思っている。JR西日本は実装しているし。

この方法だと機器を駅側に設置する必要もない。JR西日本管内の関西本線キハ120に導入済なので、岡山地区に多数配備されたキハ120でも運用できるのなら、やろうと思えばできる、ということですよね・・・?
ICカード乗車券は基本的に入出場時タッチが基本なので、近距離利用者には用途ができるし、乗車の実態も見える化できるし、信用乗車による運賃のとりっぱぐれもある程度防げるのでは。あと、JR西日本は駅ナカコンビニでセブンイレブンと協力しているので、セブン銀行ATMで手軽にICOCAチャージできることをアピールすればチャージ問題もある程度クリアできますし。

勘違いしてはいけないこと

ただ、新見市長、真庭市長ともに勘違いが激しい部分として「ICOCAがないから使ってくれない」ではなくて、フリークエンシー性がないので鉄道利用しにくい状態というのは考えておくべき。実家に帰省するときですら、新見駅や津山駅での姫新線乗り継ぎが不便すぎて、結局鉄路での帰省が組み立てられないことが多々ありますからね。
(ま、小生みたいに、371系やくものラストイヤー、国鉄型なので国鉄色、なんてこだわりの強い人間だと大ハマリする可能性は高くなりますけどね。結局終車は翌日に影響でるので新見に来てもらう羽目に・・・)
高校生の登校時間帯以外は、津山線の快速「ことぶき」や伯備線の特急「やくも」と連動したダイヤを組めないのかな、とは思います。ただ、あまり特急や快速との利便性を扱いすぎると、快速非停車駅からの利用は伸びないだろうし。。。あくまで利用者の主体は高校生だと思うので、それこそ沿線に点在する学校すべてに便宜は図れなくとも、最大公約数的なダイヤはひねり出してあげたい、とは思いますね。

ローカル線の未来

昨年夏、只見線を乗りとおしたときに感じたことだけど、只見線みたいな「圧倒的な景色」を持つ鉄道路線はまれだと思う。特に2022年に災害から復旧し上下分離されている区間は。
なので、大半の鉄道路線は、只見線みたいな観光全振りモードは不可能で、観光化を目指しつつ、地場の足元を支える鉄道となる必要がある、と思う。なのに、ICカード乗車券みたいな末端の話ばかりしてどうする、と思う。まずは本数確保じゃないのかな?
あと、みどりの窓口は「鉄道と利用者をつなぐ窓口」でもある上、特に融通が利かないアプリ予約ではできないような裏技を駆使して旅へ誘ってくれる。このまま全国各地でみどりの窓口がなくなると、みどりの窓口で切符を買う、が一大イベントとなり、そのような状態から鉄道離れを誘発する気がするんだよね。

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