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Clubhouseの流行からみる、権威主義的構造
招待制SNSとしてバイラル的に話題になっている音声配信型プラットフォーム「Clubhouse」について、こういうネガティブな側面をしっかり理解して、多様な視点をもって利用したいと思う、というメモがてらの投稿になります。
一年以上遅れてClubhouseが一部の日本人の間で流行っているみたいですが、あのアプリは人種差別、トランス差別やヘイトスピーチの温床として昨年ものすごく批判されました。「ネットワーキング」という名のもとでセクハラや搾取、ホモソーシャルな疎外行為などが蔓延しやすいプラットフォームです。
— 竹田ダニエル (new) (@daniel_takedaa) January 27, 2021
これだけ話題になっていれば、多くのひとが「自分もやりたい!」と望むでしょう。もちろん、このプラットフォームの有効活用が目的ならなんら問題はないのですが、「あの人はすごい」という不明確な価値基準がある人ほど、この波に乗り遅れまいと躍起になる姿は容易に想像できます。この「権力者優位のモチベーション構造」こそがネガティブな側面を産み得ることは、最低限のネットリテラシーとして認識しておくべきだなとおもったので、いくつかシェア。
理系における男女格差に始まり、シリコンバレーを中心としたテクノロジー関連業界における男性中心社会やホモソーシャルなコミュニティ性はアメリカで長年問題視されていて、日本でいう「(排他的な)意識高い系」はTech Brosなどとネガティブな意味で呼ばれます。https://t.co/eyLP4pDCqJ
— 竹田ダニエル (new) (@daniel_takedaa) January 27, 2021
雇用機会の不均等やセクハラ、レイプなどの深刻な問題もずっと改善されなければならないと言われています。そのような悪いカルチャーについて一切言及せず、イノベーションのメッカとして米国のテックカルチャーを神格化するのは、極めて危険です。https://t.co/RKow6CFSP5
— 竹田ダニエル (new) (@daniel_takedaa) January 27, 2021
シリコンバレーの"bro culture problem”についての記事はたくさんあります。今までいけてないナードだったのに、テックのお金の力で突然権力者に成り上がり、その権力を濫用したり女性を搾取したりする構造がずっと続いている。その「内輪ノリ」を行うための場所がClubhouse。https://t.co/16eRtAX3zv
— 竹田ダニエル (new) (@daniel_takedaa) January 27, 2021
そういう害悪なカルチャーを形成してる当事者たちとその取り巻き、さらにそれを問題視しつつも巻き込まれていく人たちが「乗り遅れるのが嫌」とばかりに、日本でもclubhouseをoverhypeしていることに強い違和感がある。権力者やインフルエンサーがさらにexclusivityを使って己を神格化していく感じも。
— 竹田ダニエル (new) (@daniel_takedaa) January 27, 2021
例えば日本で言うところの「オンラインサロン」を主宰しているような「people in power」なひと(影響力のあるひと、コンテンツマーケティングが上手なひと)のネットワーキングと同様の権威構造で広がりを見せているのが #clubhouse だとすると、「自分も招待して欲しい」の動機については、やはり一考の余地がある。
この権威構造を俯瞰した選択をできるようになるには、いつだって「仕掛ける側と仕掛けられる側」とが存在していることや、自分はどちら側にいるのか、現在地を認識することから始める必要があります。
苅谷剛彦さんの「#知的複眼思考法」という本や、なだいなださんの「#権威と権力」という本あたりで、こうした権威構造における盲目的な選択基準の存在を読み解くことができます。とにかく、知識・情報のないぼくたちは、まともな選択ができていないという客観視こそがめちゃくちゃ重要だという話です。
なだいなだ「権威と権力」
なだいなださんの著書は、難しいけど会話長でめちゃくちゃ読みやすくて、ほんとに勉強になるから大好き。
苅谷剛彦「知的複眼思考法」
認知の歪みを正すいうか、目の前の出来事を相対化(一般化)するための思考法について。これもまた大変勉強になる。
この権威構造自体にピンとこない人は、まずは映画観賞から入っても良いかもしれない。
人は何によって動かされているのか。
この本質を知るためには、やはり相応の知識や体験が不可欠。それを助けてくれる教材としても、映画は非常に優秀です。差別の構造も、資本主義の構造も、今このタイミングだからこそ、最低限の教養として知っておく必要がある。
多くの人の個性や表現が埋もれてしまわないように、クリエイターとして、価値を掘り出し、届ける活動を行ってまいります。ブランドづくりに軸足を置いていますが、メディアでの発信や書籍展開など、活動の場の創出ができるようにも努めてまいりますので、どうぞご支援のほどよろしくお願いいたします。