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2020年5月の記事一覧

【映画】アメリカンスナイパー

巨匠クリントイーストウッド作品 weekly ochiaiの中で、コロナ禍の自粛期間中に懸念されるメンタルクライシスについての話を聞いている時に出てきた、硫黄島での戦闘中に自衛隊員の95%が深い心的ダメージを負っていたという例が興味深かった。 「硫黄島からの手紙」を手掛けた巨匠クリントイーストウッドの作品を連続で観ようと思っていた時に、戦闘に参加した兵士の心情変化がわかりやすく表現されていると聞いていた「アメリカンスナイパー」を思い出して、今の状況に重ねながら観てみた

【映画】ミリオンダラー・ベイビー

今更ながら初めて観た。イーストウッドの世界観全開だったな。彼の映画はテーマはなんであれ、大切なものは何かを問われながら、いつも清々しい気持ちになる。最高だ。  ミリオンダラーベイビーは、死や倫理観を問うメッセージの強い作品にも見えるけどたぶんそこではなくて、個人の「生」に対してフォーカスされている映画だと感じた。それを決して綺麗事で描くのではなくて、賛否両論あるストーリーで表現するのがまた彼のすごいところ。  ぼくたちは、何に命を燃やすのか。燃やせなくなった時、もしく

【映画】oasis

「普通」ではない2人が、普通の人たちから奇異の目で見られる様子が痛々しいほどに描かれていて何とも言えない気持ちになったし、一方で、そんな2人が2人だけの世界に生きている「ファンタジーな描写」も多く、明るいのか暗いのか、とても混沌とした世界観で話は進んでいくんだけど、社会悪、非常識、偏見、差別、いろんな逆境の中にある2人からくっきりと見える純愛がほんとうに綺麗に描かれていて、ロマンス映画としてはお見事な作品だなと。女優さんの演技もすごい。韓国映画すごい。 同時に、この映画

【映画】チェ39歳別れの手紙

チェゲバラ伝記作品最終章。 #モーターサイクルダイアリーズ #チェ28歳の革命 とくる3部作だと思っていて(もちろん他にも関連映画はあるけど)、全作品を観て初めてみえてくるゲバラの思想やリーダーシップ、そして、共産主義・資本主義の対立構造を見ることができて、対人関係から時代背景まで学びの多い作品だなと。 マルクスの資本論を読んでいれば、資本主義に警鐘を鳴らす共産主義の思想が見えてくる。スーパーパワー(超大国)であるアメリカが牛耳る資本主義社会の中で、ゲバラやカストロに