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撮影?点検?FPVドローンだから活きるお仕事とは(無料記事)/FPVドローンVSローラーコースター/月3万円FPV/早朝の流血事故/横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.11

今週からは代官山にいます。
僕が好きなスポットの一つが代官山蔦屋でして、ここの2階のカフェはかなり古い雑誌が数多く存在しインスピレーションを得るのに最適な場所です。ネットでいろんな情報が得られるようになった反面、玉石混交のクリエイティブや情報の精度が低い記事がはびこっています。昔の雑誌は情報が誰でも取得できるわけではないからこそターゲットが明確に、具体的な調査やフィールドワークを元に書かれ、コピーや構成などよくよく練られているものが多いなと感じ勉強になります。今夏は東京で撮影などしながらおとなしく過ごそうと思います。

今週、とあるオフィス物件の撮影を行いました。

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動画は近く公開しますが、そこでなんと幼稚園時代からの幼馴染と再開しました!昔と変わらない屈託のない笑みが特徴の幼馴染を見て安心するととも、有名な団体のNo.2になって書籍をリリースしたりとたくましくなっている姿をみてとても良い刺激になりました。幼少時を過ごした幼馴染と年月を重ねてまさか東京の仕事場で再開できるとは…。


さて、いよいよ、いよいよ…桜ドローン特別Blue-ray/DVDがリリースです!
当初は6月には製作・発送が完了できると思ってなめてました。。楽しみにしてくれた方すいません!
今回は桜ドローン【静】と【動】の2パタンに加え、10分間の特別編、メイキングカットのエンドロール、40都道府県ごとの桜映像で合計3時間ほどの大作となりました。
静にはDJI系空撮機を中心にゆったりとお花見気分で鑑賞できるように、
動ではFPV100%で躍動感のある桜を見たことのない視点でご提供しています。副音声では各地の桜や裏話を盛り込みました。
クラファン支援者の皆様、ぜひお楽しみください!

現在予約販売も受け付けていますのでこの機会にどうぞ。
https://shop.drone-entertainment.co.jp/items/28734494

それでは今週のメルマガです。

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                         2020/7/22
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横田 淳『週刊ドローンリアルビュー』 Vol.11


毎週水曜日発行
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今週の目次─────────────────────────────

1.今週のトピック
2.横田のドローンガジェットレビュー
3.世界のおすすめ動画解説
4.連載:ドローンのつくり方講座
5.Q&A(何でも質問回答)

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1.今週のトピック

日本中・世界中でドローンを持ってコンテンツ企画、イベント運営、撮影している著者が毎週違ったトピックで旬な話題を提供します。

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『撮影?点検?FPVドローンが活きるお仕事とは』

FPVカメラを搭載したドローンはリアルタイムに映像を送受信してドローンを移動操縦することができます。凧揚げや旧来のラジコンのように目で対象を見て・客観視点で操作することに対してFPVは主観視点で操作できるのが特徴です。

FPV自体は、First Person Viewの略ですが、何も新しい概念ではありません。
私達が普段歩いている視点もFPVです。この普段の視点に「If」加えてみます。


・もし、誰でも空を飛べるようになったなら?
・もし、人が歩くよりも早く簡単に移動できたら?
・もし、虫のように狭いところでも自由に通れたら?
・もし、リスクなく火や水の中に入ることができたら?

この「もし」はFPVドローンを使うことで実現することができます。
ドローンがまさに人間の身代わりとなってリアルタイムに動くことで人間には【視野の拡張】を提供してくれるのです。そして重要なのは、視野を拡張したために人間の移動範囲が増えるということです。

そもそもドローンにはただ飛んで移動するだけでなく、様々なアクションを起こすことができ今後活用の幅が広がっていくことは間違いないです。

・覚える(記録する)
・持つ or 放す(投げる・ひっぱる)
・触れる(ぶつける・感触を確かめる)
・聞く(収音する)
・知覚する(認識する)

FPVとは関係なくドローンにはこうした利便性や特長を持っています。ロボットとして、課題ソリューションとして、社会インフラとしてドローンが開発され広く活用されています。

点検や測量などの分野では既にドローンの活用はかなり進んでいますが、これをFPVでリアルタイムに飛行させることのメリットはさほど大きくないと思っています。人間は休んでおいてドローンを自動化・仕組み化して効率的に記録したり分析するほうが本来の目的にあっています。狭隘部を覗きたいという特殊な性癖を持つ人は除いて笑。実際、現状のFPVマイクロドローンでは映像の記録はできてもその後の分析工程と大きく切り離されているため利用用途が限定されてしまいます。

小型・軽量であることは当然利点ですがFPVである必然性はないのです。

海外でも長距離輸送するのにFPV運用が鍵となると言われていますが、あくまでそれは安全運用上監視するために必要なのであり本来的には不要なはずです。安定して長距離飛行できる仕組み、例えば管制システムやドローン相互監視運用ができれば不要だからです。

FPVドローンの大きな特長は「人間の分身としてリアルタイムに視野拡張し移動ができる」点であり、そこから得られる【体験】がキーとなります。この上でどのような分野で活用されるのが面白いかというとエンタメがあげられます。


■撮影・映像表現は体験の共有へ
私はFPVでドローンを飛ばしているだけで気持ちよくなります。
自然の中を、笑顔の人の近くを、遊園地の中を、だだっぴろい草原や田んぼをただ飛行させるだけでも気持ちいいのです。高さ100mから一気に地上へダイブすると下半身がふわっとする間隔を伴いドキドキします。これは従来の映像伝送の遅延が大きい空撮機では味わいにくいものであり、FPV特有のスピード感と移動の幅が広さがもたらしてくれるメリットです。

そしてリアルタイムに移動できることで、よりリアルな表情や風景を切り取ることができます。雑誌に載っている宿泊施設の写真や、予めきれいに整えられたお店の料理写真などには嘘が多いです。FPVドローン映像により、人間と同じような視野角で飛ぶように見て回る体験を共有することで嘘のないありのままの光景を映し出すことができるのです。


■ライブ配信・生放送
TVの生放送やスポーツ中継などは収録した番組に比べて熱狂する度合いが高いように、FPVドローンのリアルタイム性が活かせる最も相性の良い分野だと思います。現時点ではドローン側の技術面(無線や映像送受信品質、安全対策など)の課題で導入が広く進んでいませんが、今後増えてくることは間違いないと思います。実際に、DJI製の空撮機を使った生放送やライブ配信はかなり安定して利用されてきています。

小型軽量でリアルタイムに配信できるということは大きな可能性を含んでいます。よくアーティストのライブでステージの両脇に大画面モニターが表示されていて、望遠カメラなどで抜いたアーティストの映像が映し出されていることがありますが、これらは複数台の大型カメラを使ってやっています。これを小型マイクロドローンでFPV配信したらどうでしょうか?

花火大会も良い例です。打ち上がった花火の中に入ることができるドローンであれば、これまでと違った体験をリアルタイムに提供することが可能です。


■バラエティ・企画もの
TV番組のドッキリで何度かドローンを使った企画を行ったことがあります。
前回行ったのは、熱々の紅茶ティーバッグをドローンに大量にぶら下げて、控室に座る芸人の前からいきなりドローンが飛び出し、熱々のティーバッグをぶつけるというドッキリです。

FPVでリモート操縦することで別室に居ながらにして、ターゲットの様子を伺いながら飛行させることができます。FPVドローンの視点で芸人のびっくりした顔をリアルタイムに記録することはもちろん、相手の状況に合わせて追っかけ回したりすることもできます。

番組では、ドローンのFPV映像を戦闘モノのアフレコを添えて「ターゲットにこうげきぃ!」といったように演出を加えて面白い具合に仕上がっていました。

これはほんの一例でありまだまだ面白いネタに使える可能性を秘めています。


リアルタイム性・移動の幅の向上をポイントに置くとエンタメ以外にも緊急を要する災害調査など様々な分野に活用できます。ぜひ他にも考えられる活用方法をコメントなどでいただけると嬉しいです。


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2.横田のドローンガジェットレビュー

毎月のように新しいドローンが中国を中心に世界で開発販売されています。
横田が実際に使っているものを中心にレビュー・解説していきます。

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