会社のMVを「島唄」「風になりたい」元THE BOOMベーシスト山川浩正さんとガチで撮ってみた
「企業も動画の時代」。そう言われて随分経つ気がしますが、一部の大企業が行うような多額の費用をかけた動画プロモーション以外には、動画を活かせている企業はそこまで多くないのではないかと思ってます。
今後、企業の動画はどうあるべきか。ここ数年ずっと考えていました。基本的にはyoutubeに投稿することになりますが、企業の紹介動画や社長、社員インタビューなんかが主流で、視聴回数も多くない(むしろ少ない)。
であれば、普通にyoutubeの動画として楽しめるものをつくった方が、良いのではないかと考えました。そういうわけで、まずは撮った会社のコンセプトMVをご覧ください。
逆立ちすれば答えがわかる/CONCEPT MV
逆立ちすれば答えがわかる/CONCEPT MV (VR Version)
逆立ちすれば答えがわかる/CONCEPT MV (Planet Version)
最初にアップしたyoutube動画は「セミナー」
もともと、パワーコンテンツジャパン株式会社はわりかし早い時期から動画に取り組んできました。最初に動画プロモーションをしたのは2005年。youtubeの初投稿は2007年だったと記憶しています。とりあえず、セミナーのダイジェストみたいなものをアップしていました。もちろん視聴回数なんて伸びるわけもなく。
そこから、いよいよ動画の時代になると言われ、どうしようかなあと考えていたのですが、いわゆる企業の動画というのは、経営者が理念について話したり、社員がやりがいなどを伝えるインタビューものが中心。製造業とかビジュアル的にもわかりやすい業種であれば、それなりのものが作れると思いますが、パワーコンテンツジャパン株式会社はコンサルティングやセミナーが商品。そうするとインタビューやセミナー以外のものがつくれない。
次第にyoutubeが本格的にエンタテイメント化する中で、周りの企業や士業事務所も次々に動画を投稿することが増え、パワーコンテンツジャパン株式会社としては、どのように取り組んでいこうかともやもや考えていました。
そのとき、やっぱり思ったのが、普通の企業としての動画はつくりたくない、という天の邪鬼にも似た私の性格です。何か、ほかの企業が取り組まないことをしよう。そこからすべては始まりました。
そもそも、動画として楽しめるものをつくれないか
結局、企業の投稿する動画は「広告」なんです。だから、そんな広告めいたものをyoutubeで見ようなんて、普通は思わない。音楽、スポーツなど趣味や好きなものを見るのがyoutube。だったら、映像作品的なものが良いのではないか。そこで大きなヒントになったのが、SONYのBRAVIAのコンセプトPVです。
これは、SONYのテレビ「BRAVIA」のコンセプトを表現した動画で、テレビそのものは映されていないんです(最後にちょっとだけ出てくる)。町中にある坂道に、大量のスーパーボールが転がっていく。こんなにきれいにBRAVIAは映るんだよ、と。こういう動画がつくれたら良いなあと2015年くらいに考えていました。
でも、SONYのようにテレビという製品があるわけではないし、どんな表現をしようかと考えた時、同時期に生まれていたパワーコンテンツジャパン株式会社の「働き方」や「OneMessage(理念)」をかたちにしよう、そういうことを考え始めました。
要は、パワーコンテンツジャパン株式会社の世界観を動画で表現する。パワーコンテンツジャパン株式会社こういう音楽を選ぶんだよ、こういう映像を選ぶんだよ、こういうこと(MV制作)をするんだよ、と。正直、この映像制作だけでいえば、なんの利益も生んでません。だから、無駄という見方もあるはずです。でも、そこまで含んで共感できる人が出てくれれば、それがお客でも求職者でも成功なんじゃないかと思ったわけです。
ただ、複雑な映像制作なんて、私ひとりではとてもじゃないですができません。そこで、とあるところからご縁をいただいた、元THE BOOMのベーシストである山川浩正さんに力を借りることにしました。
逆立ちすれば答えがわかる
山川浩正さん
昭和40年5月11日生まれ。山梨県出身。THE BOOMベーシストとして、1989年にデビュー。HEATWAVE、東京60WATTS、おおたけしたち、ストライクカンパニー、LUV K RAFTなど数々のバンドやアーティストのレコーディング、ライブに参加する一方、プロデューサー、アレンジャー、作曲、作詞家としても活躍。
2014年2月に1型糖尿病を発症し、メンバー全員が1型糖尿病であるバンド[1-GATA]を結成。プロデューサー兼ベーシストとして活動中。バックカントリースキーや登山、キャンプなど多趣味であり、得意のダッチオーブン料理をふるまうキャンプイベント「YAMAの極上おもてなしキャンプ」を自主開催。
音楽面ではYAMAフェスティバルと称したライブイベントも主催し、毎回多数のアーティストと共演、全ての楽曲でベースを弾くなど、幅広いフィールドで活動している。
2017年、東京田端のLive&Bar PADMAにて、不定期に「山バル」をオープン。スキレット料理やお酒でもてなしている。
世界観を表現できれば良いので、シンプルに私たちの働き方や世界観を伝える楽曲を選び、そのMVを撮る。これでいいんじゃないかと結論。楽曲はTHE BOOMの「逆立ちすれば答えがわかる」を選ばせていただきました。
THE BOOM 逆立ちすれば答えがわかる(Live)
パワーコンテンツジャパン株式会社のOneMessage。まあ、理念みたいなものですが、これが「Think more.」というものなんです。
Think more.
もっと考えよう。
考える人が増えれば、きっと世界は変わる。
Webにも記載してあります。
「逆立ちすれば答えがわかる」という曲は、THE BOOMの楽曲では初期の方に入ります。「島唄」とか「風になりたい」とかしか知らない人にとっては、ぜんぜんイメージの違う曲だと思います(1990年7月21日発売。5thシングル)。
THE BOOMの楽曲の中で、「Think more.」をもっとも表しているのがこの曲かな…?と思い、山川さんにアレンジを打診。ちなみに歌詞はこんな感じです。
アイディアの城で撮影
楽曲はそれこそプロフェッショナルですから、素晴らしいメンバーと素晴らしいアレンジされた楽曲がほどなくしてあがってきました。
*participating musicians(参加ミュージシャン)
megg from soupnote(Vocal)
masahiro machida(Guitar)
masahiro wakayama(Drums)
maico Miyamoto(Steelpan)
hiromasa yamakawa(Bass)
問題は場所。どこで撮影するか…なんて私にはわかりません(苦笑)。でも、「Think more.」を表現する場所なら知っている。そう、以前何度も撮影やセミナーで使用したアイディアの城。ここのアリスで撮影することを決定。ここができたときから使わせていただいてます。
半日ほどかけ、撮影は終了。「Think more.」なので、360度カメラを使用してみましょう、とカメラマンさんから提案。最終的に3パターンのMVをつくりました。よくあるMVバージョン。天井から見下ろすようなプラネットバージョンと呼ばれるもの。そして、最後がVR。パソコンならyoutubeの画面をマウスを使って動かせます。スマホならスマホそのものを動かせば、撮影したそのままを楽しむことができるようになっています。
VR動画の方は、どこかに「Think more.」という文字が隠されていますので、ぜひ探してみてください。
エンタメ作品をつくれる企業になる
結局のところ、宣伝動画に大きな効果はないと思ってます。もちろん、プロダクトローンチのようなやり方もありますけど、基本的に動画=youtube。youtubeはエンタテイメントの世界です。だったら、ひとりでも楽しんでもらえたら嬉しい。そして、そんな面白いことをやっている会社って、どんな会社なんだろう?そう思ってもらえたら幸いです。
「この動画面白いなー。誰がつくっているんだろう?」
その先に、センスの良い会社があったら、面白いし、巻き込んだ人たちを楽しませているんじゃないか。そんな映像作品をつくる会社でありたいし、そんな映像作品をつくることを楽しめる社員にいてほしいし、この世界観に共感してもらえる人たちと仕事をしていけたらなぁと思っています。
ぜひ一度、視聴してみてください。
*楽曲の権利について
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