【古物検証vol.2】愛知のお寺 檀家帳(万延2年/1861年)
現在の愛知県にあるお寺の檀家帳。
万延2年(1861)なので、162年前。
「細川村」までは読めますがあとは何が書かれてるかはサッパリ笑
幕末期のもので、薄くて柔らかい和紙に全て手書きです。流れる様なくずし字が美しい。
お寺の檀家制度はキリスト教と関係しています。管理する、という意味で古くは室町頃から。
制度が確立する大きなきっかけとなったのは江戸時代初期に起こった、キリスト教徒(切支丹〈きりしたん〉)による日本の歴史上最大規模の一揆、「島原の乱」。
乱後、〈隠れキリシタン〉を取り締まるために人々が必ずどこかの寺の檀家になるよう「宗門改め」が行われました。戸籍の管理及びキリシタンへの取り締まりの意味もあった訳です。
この書物が書かれた万延2年(1861)頃の出来事。
大老 井伊直弼が暗殺された「桜田門外の変」が前年の1860年に起きています。蛤御門の変が1864年です。
海外では、まさにこの1861年3月にアメリカではエイブラハム・リンカーンが第16代大統領に就任し、その後南北戦争が勃発しています。
こうしてその当時の歴史と照らし合わせると、愛知の田舎村にあった一般的な檀家帳とはいえ、ものすごく奥深いものを感じます。
そんな思いでパラパラとめくっておりましたら、ところどころ名前を伏せるように、上から別の和紙が付箋のようにして貼り付けてあるのを見つけました。
おそらくお亡くなりになった方を管理するために貼られたんだと思います。
それは結構な数が貼られていたのですが、するとある付箋のすぐ側に、何やら小さく硬くて黄ばんだ固体がくっついているのを見つけました。
「あ、これ和紙を貼り付けるのに、のり代わりで使ったお米じゃないか?」「でも…その時ついたってことは…これは…162年前のお米!?」
おそらくそうだと思います
いや、ただの思い込みかもしれませんけど、、
でもその方が、ロマンがありますよね?
このお寺が今も残っているなら、いつか訪れたいと思います。
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