【子供の成長 パート2】
6歳になる娘は、最近、ジャンケンが強くなった。
これまでは最初に必ず「チョキ」を出していた。だから、こちらの思惑により勝敗の誘導が簡単にできた。
しかし、最近「パー」を覚えた。
それで私は先日、敗北した。
最初が「チョキ」なのか、「パー」なのか。
選択肢が2つになることで、私の勝率が100%から、50%になった。(ちなみに、最初に「グー」という選択肢はまだ覚えていない)
昨晩も他愛もない駆け引きがあり、ジャンケンで決めることになった。
テーマは
「デザートをお風呂前に食べるか、後にするか」
私としては早くお風呂に入って欲しい。
ここは負けるわけにない。
しかし…勝負の前から彼女は「ニヤリ」と微笑んでいる。
「なんだその顔は…「チョキ」か「パー」かどっちなんだ…」
もう勝つことが約束されたかのような、不敵な笑み。表情からは答えを読み取ることができないまま、勝負が始まった。
「じゃ〜ん、け〜ん…」
その瞬間、私は原点にかえり、覚悟を決めた。
「ポン!」
……私は、チョキを出した。
彼女の手は…何かをおねだりするかのように、5本の指が全て開いていた。
つまり「パー」だった。
私は勝った。
彼女は負けたことが信じられない、という驚きの顔をしている。
私の「原点にかえる」とは、こうだ。
彼女の「パー」は、「チョキ」か「パー」の2択のどちらか、ではない。
「とにかく、この前に勝てた、覚えたての「パー」を出したい」
なのである。つまり、これまでの最初に「チョキ」が、「パー」に置き換わっただけなのだ、と確信した。
それが的中した。法則はやはりシンプル。つまり「素直」なのである。
彼女は、何故負けたのか理解できないと言ったように、まだ「ぐぬぬ…」と唸っている。
娘は、ジャンケンが弱い。
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