見出し画像

今を生きること

2月の末から突然に世の中の景色が一変した。
その頃はテレビを見ていたから、何が起きているのかと日々不安だった。
だけれど、何かおかしい、肌にしっくり来ないものがまとわりついて離れなかった。
原発事故の後、とことん調べて学んだあの時のように、調べて学んだ。あれこれ読んで、YouTubeなるものも初めて観るようになって、様々な意見を取り込んだ。理不尽に直面して心がたまらなかったから。
会社や店は動いているのに、音楽だけが、いきなり追いやられ、縛られて身動きが取れなくなるような苦しさと理不尽さに怒りすらこみ上げた。
これだけ多くの人からささやかな幸せを奪うほどの事が本当に起きているのか。そうは見えなかった。

毎日目が覚めて、これは夢だった、皆んな目が覚めて戻ったよ、となるかと期待しても、ちっともそうはならずに、もう何ヶ月経ったろう。
世の中は、とりあえず合わせとけば、という色さえ漂っていて、まだまだ縛られて動けないで、理不尽と矛盾の中で倒れていく者達を見ないで過ごしてるよう。
まるで学校のいじめだな。と思う。自分が当事者にならない限り、見て見ぬ振りで過ごす。
ダブルスタンダード、世間体、裏表。今までもあったこと。それらがみんな表通りで大手を振って歩くようになった。
見て見ぬ振りをしている事も、目で見て分かるようになった。
それぞれが違う。それは良い事。皆んな違って皆んないい。一人として同じ人間は居ない。
でも、世の中に漂っているのは、違うことはいけない、同じようにすべきだ、という同調圧力。
私は幼い頃からこれが大嫌いだった。

TVや新聞は同じ角度からばかりモノを伝え、違う角度からの話はネットの中からしか取り出せず、それすら、大量に飲み込んで見分ける力をつけないといけなかった。
テレビは3月から見ていない。昔のドラマやYouTubeや、BGM代わりに音楽の映像を見たりしている。
昔のドラマやライブ映像を観ると、いたたまれない気持ちにもなった。たった少し前の事なのに、なぜ深く考えもせず、議論も交わさずに、一つの方向にほぼ全員が向かってしまうのか。鵜呑みにせず、自分の事として考え無いのだろうかと。
人に起こっている事は、他人事ではない。自然に起こっていること、動物たちに起こっている事も、人間だけ無関係ではない。全てはひとつ。繋がっている。
町に出て多くの人を見ると心が折れそうになった。今でもそう。その人たちも普通に笑って過ごしている。その事も、私の心を混乱させる。
黙っていると自分の心が2つに引き裂かれてしまいそう。王様の耳はロバの耳!と叫んだのは少年だったかな。

それでも少しずつ、同じような考えの人がいる事が分かり、人の動きも出て、音楽もほんの少しだけ出来る様になった。
以前のようには人は戻って来ない気がするけれど。
動けば新しい出逢いもあって、生きていると思えた。動いて、人と会うことがどれだけ大切か、身に染みた。
半年以上続く問いの中で、分かり始めた事がひとつ。またひとつ。
生きる とはどういう事なのかを、毎日突きつけられている。その問いから、自分から、逃げる事が出来ない、誤魔化せない、そういう時代になった。きっと、今は誤魔化せている人たちも、段々誤魔化せなくなっていくのではないだろうか。
そういう意味では、もう元には戻れない。
気付いてしまった人も多いでしょう。世の中のおかしな仕組み。お金というもの。生きるという事。自分という存在。今という時。
その事たちは、また一つずつ書こうと思う。

キツかった時、山の上の温泉によく行った。そこへ逃げ込んだ。自然しかない。太陽の光に感謝が湧き、空の青さや鳥の声に心をさらした。風の音がした。葉が揺れている。あるがまま。
人だけが、今という時を見つめ大きな恵みと愛に喜ぶ事を忘れてしまいがちだ。シンプルに生きる今に集中した時、無駄な、情報としてインプットされただけの不安も恐れも消える。
全ては思い込み。未来は今の後にしか無いし、過去はもう自分ではない。そこに自分は居ない。


今をひたすらに生きる

それだけ。
今日も、それを続けて、今の瞬間の自分がいる。
どうか、諦めることなく、ひたすらに生きて。それを伝えたい。
心折れかけているひと。気付いているのに声を出せずに自分が分離して身体を壊しているひと。
みんな、自分だけの今を生きているのだから、誰の何を気にすることも無い。誰からも心を縛られることは出来ない。だから、嘘をつかなくていい。
わたしが消えればその時みんなも消える。だから、何も気にしないで、自分を生きればいい。
今、ここ、を生きる。
でないと、誰を生きてるの?って事になる。
わたしはわたしを、生きてるんだよ。そしてそこには、未来も過去も無い。今 が有るだけ。
記憶という荷物も、全ては持って行けない。
手を放して、自分を分離しないで、心の声を聴いて、言葉にして、行動にして、自分に優しくしてあげよう。
この人生が、この美しさ地球への旅で、わたしたちはツーリストだとしたら、一瞬一瞬を大切にして、目一杯楽しみたいと思う。
迷う事なく、楽しみたい。
みんながそう気付けば、このおかしな世の中はきっとサンカクもシカクもやめて、まぁるくなる。地球はだからまるいのよ。
あ、それはまた今度書こう。

dotoretomisi piano yoko from Hokkaido
2