よだれの池からの卒業
赤ちゃんは可愛い。とても可愛い。息子は可愛い。それはもう可愛い。
私は普段、そんな息子と共に暮らしている訳だけれど、息子はそれはもう大量のよだれを湧き水のように生産し垂らし続けていた。とても素敵な笑顔をこちらに向けながら。
そのため、私は息子と共に彼が作ったよだれの池のほとりで暮らしていた。
赤ちゃんがよだれを多く作り出しているのはわかるけれど、どうして赤ちゃんの口からはほぼ常によだれが垂れるのか。どうしてその可愛い顔の下には必ず艶やかなよだれの池ができるのか。
そんな疑問をもっていたが、ある日よだれ池での暮らしは終わりに向かって動き始めた。
ここから先は
341字
¥ 100
いただいたサポートは全額書籍費にします。